保育士免許を活かせる仕事とは?保育士の就職先まとめ

保育士の転職先

保育士資格を持っている人は「どうせなら資格を活かして仕事をしたい」と思う人も多いでしょう。

保育士資格を持っていると、仕事の選択肢は広がります。

近年、待機児童の問題もあるため、保育士資格を持っていることで、好条件で働けることもあるのです。

以下、保育士資格を活かせる仕事について紹介していきます。

保育士免許でできることは沢山。保育士免許を活かした就職先

保育士資格と言えば保育園ですが、保育園以外にも沢山も就職先があります。

「保育士資格を持ってたらこんなところでも仕事出来るんだ」と新たな発見があるかもしれません。

それぞれの仕事の特徴を確認して、以下の項目の中から興味のあるものを見つけてみましょう。

保育園

まずは当然ながら保育園。

保育園は、一般的に両親が働いていたり、病気等の理由で自宅で子どもを見ることが出来ない「保育に欠ける子ども」を保育する施設。

保育士の仕事内容は、子どものお世話(子どもと遊ぶ・食事の援助・寝かしつけ・散歩・乳児の場合はオムツ替え等)です。

事務仕事(個人記録・月案・週案の記録・連絡帳に子どもの様子を記入等)、保護者懇談等の家庭への支援も行います。

保育園で働く保育の働き方は、基本的にはシフト制ですが「週休2日制」「4週6休」など保育園のよって様々。(休みも同様)

そして厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均月収は23万9,300円です。(保育士平均年齢36.8歳、勤続年数8.1年)

他にも、保育士の年間休日数は求人見ると100日~110日と表記されているところが多いですが、保育園によって異なります。

【参考】保育士の給料はいくらくらい?平均年収や月収、ボーナスまとめ

【参考】保育士の平均年間休日数や他業種との比較。やっぱり休みは少ない?

以下の項目の通り、保育園の中でも種類が分かれていますが、仕事内容は殆ど変わりません。

公立保育園・私立保育園

公立保育園は、地区町村で運営している保育園。

公立保育園で働く保育士は「公務員保育士」と呼ばれ、地方公務員です。

地方公務員なので、保育園の中でも給料面や福利厚生が良い為、ベテラン保育士が多い傾向があります。

男性保育士(給料が高いため)や「生涯、保育士として働きたい」という人に人気です。

私立保育園は、社会福祉法人やNPO法人等が運営している保育園。

公立保育園のような制約がないため、保護者の要望に応えて柔軟な保育サービスを行っています。(延長保育・土曜保育)

保育園が提供しているサービスによって保育士の働き方も変わるので、「保育園がどんなサービスをしているのか」は重要です。

私立保育園の場合、独自の保育を展開していることが多く、保育方針や理念に共感できる保育園を選ぶ必要があります。

認可保育園・認可外保育園(無認可保育園)

認可保育園は、国(各都道府県知事・各市区町村自治体)に認可を受けた保育園です。

認可保育園になるためには、子どもの人数に適性な保育士、子どもの人数に適切な施設の面積等、様々な基準があります。

認可外保育園は、認可保育園の基準に満たない為、国から認可されていない保育園です。

認可されていないからとって「危ない保育園」ではありません。

認可保育園は保育所保育指針に沿って保育方針を決めますが、認可外保育園は園長が独自に決めた保育方針の元、保育を行います。

以下の参考リンクで、それぞれの違いについて詳しく紹介しているので、気になる方は読んでみてくださいね。

【参考】保育士なら必ず知っておきたい認可保育園と認可外保育園の違い

小規模保育園・企業内保育所

小規模保育園や企業内保育所は他の保育園と比べて、保育施設自体の規模が小さいのが特徴です。

小規模保育園は、保育する子どもの数は6~19名、保育の対象年齢は0~2歳児。

他の保育園と比較して、行事等が少ないため仕事量も少ない傾向があります。

給料面では、一般的な保育園よりも高いと言われています。

小規模保育園については、以下の参考リンク先の記事で詳しく紹介しています。

【参考】小規模保育園とは?保育士が働くメリットとデメリットや給料など

企業内保育所は、大手企業が開設し、そこで勤める従業員の子どもを預ける保育所施設です。

企業規模によりますが、子どもの人数も多くはありません。

そして他の保育園の場合の保育士の休みは「保育園によって様々」ですが、企業内保育所で勤める保育士の休みは、開設した企業の休日に準ずるので、他の保育園よりも休みが多い可能性があります。

他にも、こどもの数が少ない・給料面も良い為の理由から保育士に人気です。

認定こども園

内閣府「認定こども園概要」によると、認定こども園は、教育と保育を一体化した施設、幼稚園の良さと保育園の良さを併せ持つ施設です。

認定こども園の中でも種類が分かれています。

  1. 幼保連携型
  2. 幼稚園型
  3. 保育所型
  4. 地方裁量型

上から順番に説明すると、幼保連携型は上記で説明した通り、幼稚園と保育園の機能がある施設、スタンダードな認定こども園です。

次に幼稚園型

認可幼稚園が、保育時間を長くする等、保育所的な機能を備えている施設。

たとえば、元々は幼稚園だった為「延長保育を利用しても17時まで」でしたが、幼稚園型認定こども園になると「19時まで保育可能」等、保育の機能をするようになります。

次に保育所型

認可保育所が、保育が必要な子ども以外も受け入れるなど、幼稚園的な機能を果たす施設。

保育園は先ほども説明した通り、「保育にかける子ども(保育が必要)」を預かる施設です。

そのため、母親が専業主婦等の場合は子どもを預かることは出来ませんでした。

しかし保育所型認定こども園になると、幼稚園の機能も果たすため「誰でも利用可能」となります。

最後に地方裁量型。

幼稚園と保育所どちらの認可もない、地域の教育・保育施設が認定こども園として必要な機能を果たす施設。

たとえば認可外保育園のように、親が働いていても、働いていなくても子どもを預けることが出来る施設が、認定こども園の基準を満たした場合、地方裁量型認定こども園と呼ばれます。

他の保育園との違いは冒頭でも述べた通り、幼稚園と保育園どちらの機能も果たす事。

そのため、認定こども園では「保育士」と「幼稚園教諭」が一緒に働くことになります。

その他の保育士の勤務形態や給料に関しては、先ほど紹介した「保育園で働く保育士」と大きく変わりありません。

児童養護施設・乳児院

児童養護施設とは、子どもを預かる場所ではなく子どもが生活する場(家)、養護する施設です。

児童養護施設で働く職員(保育士)の仕事内容は、入所する子ども達の身の回りの世話や施設の掃除や洗濯等をします。

児童養護施設で働く職員の働き方は、日勤と夜勤があるシフト制(施設が365日24時間稼働している為)です。

そして児童養護施設の求人を見ると、基本給は16万円から18万円程度。

他にも、年間休日は少ない施設で100日を切りますが、多い施設は115日のところもあるので、それぞれの施設によって差があります。

児童養護施設の入所する子ども達について等、以下の参考リンクで詳しく紹介しています。

【参考】児童養護施設で働く保育士の仕事。役割や仕事内容、年収・休日数といった待遇面を解説

乳児院も基本的には、児童養護施設と同じ役割です。

対象とする子どもは0~2歳、他にも就学前の子どもを養育しています。

上記で紹介した児童養護施設と同じ機能を果たす施設ですから、仕事内容は変わりありません。

乳児院で働く保育士の働き方は、乳児院で働く保育士は夜勤がある・2交代制で働くことが多いです。(365日24時間子どもが施設内にいるため)

そして求人票を見たところ、乳児院の給料は20万円から25万円がおおよその相場。

他にも、年間休日数は90日程度の施設もあれば、120日以上ある施設もあり、児童養護施設同様、施設によって差があります。

乳児院についても詳しく以下の参考リンクで紹介しているので、気になる方は読んでみてください。

【参考】乳児院で働く保育士の仕事は?一般的な保育園と違う点を紹介。

病児保育室・院内保育

病児保育室とは、普段保育園や幼稚園に通っている子どもが病気になり、一時的(回復時に限り)に子どもを保育する施設です。

医療機関で働く保育士の働き方は、夜勤のあるシフト制(24時間365日稼働している場合もある為)。

特徴としては勤務が不規則な事です。

そして求人票を見たところ、病児保育で働く保育士の給料は20万円程度。

休みに関しても病院なので、土日祝日休みの場合が多いです。

とはいえ利用者にニーズに合わせて、病児の預かり方も多様化しているののが病児保育室。

病児保育室の求人を見つけた時は、合わせて求人先のホームページでどんなサービスを行っているのか確認しましょう。

院内保育とは、病院で勤務する医者や看護師、他従業員が子どもを預けることができる院内の託児所です。

先ほど説明した企業内保育所と似ていますね。

次に病児保育で働く保育士の働き方は、病院で働く看護師や医者は夜勤等もあるので、院内保育園も24時間勤務の場合が多いです

給料は20万~30万円程度。

保育士とあまり変わらないか、少し多いくらいですね。

年間休日数は、病院で勤める職員の休みに準ずるので、他の保育園よりは休みが多い可能性があります。

【参考】【院内保育園】医療機関で働く病棟保育士とは?働き方の特徴や給料・休日について

児童館

児童館とは、子どもの日常の遊び場を提供している施設です。

児童館の子どもの対象年齢は0~18歳。

0~6歳の子どもは保護者が同伴、7歳からは子どもが一人で利用できます。

子ども達は、施設内にあるカードゲームやボードゲームで遊んだり、中学生や高校生は施設内で宿題等をして過ごします。

そして、児童館で児童厚生員※の仕事内容は「子どもが安全に遊んでいるかどうか見守る、そして指導する」です。

※児童厚生員・・・児童厚生施設で働く職員は、児童厚生員と呼ぶ。

他にも、体操やダンスを踊る、制作、紙芝居など子どもが喜ぶイベントを開催します。

一般社団法人児童健全育成推進財団のサイトによると、採用条件として「保育士や社会福祉士、教員免許等の資格保有者」高卒で2年以上児童福祉の仕事をした者「大学で心理・教育・社会・芸術・体育学科を卒業したもの」とあり、いずれかに該当する必要があります。

そして、働き方は児童館によって様々です。

たとえば、子どもが学校の終わる時間帯に合わせて「月曜~金曜13:00~18:00(時給制)」としているところや「週5(土日祝日含む)7時~21時の間の8時間」としている児童館もあります。

土日祝日に関係なく児童館が営業している場合、休みも変則的な可能性が高いです。

変則的とはいえ、求人「週休2日制」「祝日休み」と求人票に記載がある場合、年間休日数が120日程度。

お盆休みや年末年始の休みを含めると125日以上だとすると、大手並みに休みが多い事になります。

給料については求人を見たところ、東京都でも月給の場合は18万5千円~、時給の場合は1,000円~1,650円のところが多いですね。

【参考】保育士の休日制度の違い。完全週休二日制、週休二日制、土日祝休みや4週8日ではどう違う?

幼児教室

幼児教室とは、小学校に入学する前の幼児が教育、学習(言語教育や数字を使った計算など)を受けられる教室の事です。

幼児教室では、知育の発達、情報教育(趣味・教養)、語学教育、受験対策(小学校)の4つの種類に分けられていて、習い事や塾とは違い、子どもの成長に応じて学習を進めていきます。

幼児教室の募集要項を見てみると「保育士資格または幼稚園教諭有資格者」となっている場合が殆どです。

未経験者を募集している幼児教室もありますが、資格を持っている方が優遇されます。

求人で募集要項を見てみると、幼児教室で働く職員の勤務時間は固定制で「10時~18時の間、授業時間に合わせて出勤」なっている場合や主婦世代が働きやすいように「週1以上~(曜日固定)」等です。

基本的に、1コマ(授業)は、60分となっています。

給料は、時給制(1,000~1,500円程度)で記載しているところが多いですが、正社員の場合月給19万~24万円程度と保育士と給料の差はあまりありません。

休みに関しては、週休2日制、完全週休2日制(曜日シフト制)となっている事が多いです(完全週休2日制、祝日休みの場合の年間休日数は120日程度)。

インターナショナルスクール

インターナショナルスクールとは、日本に住んでいる外国籍の子どもや海外で産まれ育った日本人の子どものための教育・保育施設です。

基本的にインターナショナルスクールに通う子ども、職員は英語を話します。

インターナショナルスクールで保育士が働く場合、英語力は必須ではありませんが、ある程度(日常生活レベル)を話せる方が仕事がスムーズにいくでしょう。

保育士がインタナショナルスクールで働く場合の仕事内容は、補助的な役割です。

子どもと一緒に歌ったり、踊ったり、教室清掃等。

働き方は固定制が多く、たとえば8:30~17:30までの8時間勤務です。

インターナショナルスクールで働く保育士の月給は17万5,000~21万5,000円、18万~25万円程度と、給料は保育士とあまり変わりません。

商業施設の託児所(ホテル・テーマパーク・託児ルーム)

託児所の定義は曖昧ですが、託児所は一時的に子どもを預かる保育施設です。

たとえば、保護者が歯科や産婦人科受診など「暫くの時間、子どもを見てもらいたい用事がある」の時に利用します。

歯科や産婦人科等で、保育スペースや託児ルームが設置されているのを、見たことがあるでしょう。

託児所で働く場合は、保育士資格が必要ないので、職員間の中にも知識の差があるかもしれません。

他にも託児所で働く保育士の仕事内容は、子どもと遊ぶ・子どもの排泄等の援助・壁面作り・託児所内清掃等です。

託児所で正社員で働いた場合の月収は、16万円~23万円程度。

勤務形態はシフト制で「24時間営業」「土日も利用可」となっている託児所もあります。

一般的には、4週6休もしくは4週8休というシフトで休みをとるという働き方になるでしょう。

託児所について、更に詳しく知りたい方は以下の参考リンク先の記事を読んでみてください。

【参考】保育士が託児所で働く場合の仕事内容や給料、休み、勤務時間など労働条件面の特徴

保育ママ

保育ママとは、日中保護者に代わり0~3歳児未満の子どもを「保育ママ」と言われる事業主の居宅等で預かる家庭的保育事業の一つです。

自治体から認可された人が「保育ママ」として働くことができ、個人事業主となり働きます。

保育ママの仕事内容は、保育士同様、子どもの身の回りの世話(食事の介助、排泄、寝かしつけ等)です。

子どもを預かる時間については自治体によって異なりますが、原則として8時間と定められている事が多いです。(保護者の仕事の状況によっては延長保育を相談)

そのため、保育士のようなシフト制ではなく、毎日決められて時間、たとえば8時~17時の間のみ子どもを預かるという働き方です。

参考:保育ママ制度とは?仕事内容や必要な資格、給料などの条件、メリット・デメリット

ベビーシッター

ベビーシッターとは、自宅に子どもを置いて保護者が外出しなければいけない時に利用者の自宅に行き、子どもの面倒を見る仕事です。

ベビーシッターの仕事内容は、自宅内外(散歩等)子どもと遊ぶ、習い事や保育園の送迎、会社によっては家事代行業務。

子どもの対象年齢は0~12歳。

べビシッターの時給は、大体1,000~1,500円程度。(会社によっては自分で金額を決める)

ベビーシッターの働き方や休みについても、自分で設定することができるため、働き方の自由度が高い代わりに「通勤時間や利用者が固定ではない」「収入の安定が難しい」等デメリットもあります。

ベビーシッターは保育士資格がなくても、働くことが出来ます。

そのため「保育士資格を活かす」という面では弱いかもしれませんが、利用する保護者にとっては「保育士資格保持者」というだけでも信頼度が上がります。

【参考】保育士とベビーシッターの違い。給料や業務内容、働くメリットは?

子どもと関わる仕事の中から自分に合うものを探そう

保育士資格を取るきっかけとして「子どもと関わる仕事がしたい」という人が多いでしょう。

仕事によって子どもとの関わり方は違いますが、子どもと関わる事で得られるものが多く、仕事中に子どもと笑い合える時間があるのは素敵な事です。

子どもは可愛いですから、仕事が大変でも「子どもと過ごせる」だけで、仕事をする支えになりますよね。

保育士資格を持っていれば上記で紹介した通り、保育園以外にも「保育士資格を活かせる仕事」「子どもと関わる仕事」沢山の中から選ぶことができます。

あなたに合った子どもと関わる事が出来る仕事を見つけましょう。

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