30代未経験保育士でも就職できる!これから保育士を目指す人も歓迎

保育士の豆知識

最近SNSも広告などでも「やたら条件が良いなぁ」「これなら保育士やってみても良いかなぁ」と思えるような好条件の保育士求人を見たことありませんか。

現場未経験な保育士資格を持っている人、これから資格を取って保育士になってみようかなと思っている方も条件が良い求人を見ると、ちょっと気になってしまいますよね。

「転職するってなっても年齢的に・・・」「30歳からの保育士目指すって遅いのかな」など気になる点について本記事では紹介していきます。

現場未経験の30代ってどれくらいいるの?

まずは基本的な保育士の情報から紹介していきます。

保育士資格を取得している年齢の割合、保育士資格を持ちながら保育士経験がない人のうち30代がどれくらいいるのか気になりますよね。

以下、平成26年3月東京都福祉保健局の東京都保育士実態調査から引用したグラフです。

上記の図によると、保育士資格を取得している人の半数近くは20代となっています。

その次に多いのが25%の30代です。

そして現在保育士として働いている人の20.8%は30代となっています。

単純計算すると現場で働いている5人に1人は30代、たとえば保育園の職員数が20人だった場合は4人は30代ということになりますね。

全体的には20代が半数近くいますが、30代や40代がいても普通です。

また全年齢含めたデータになってしまいますが、保育士就業経験がない人の26.3%は30代となっています。

既に保育士資格を持っているなら転職は可能

人手不足が深刻のため、未経験者を指導する人材もいないなどの理由から「経験者が欲しい」という保育園もあります。

確かに保育園側としても30代よりは20代の保育士の方を求めているかもしれませんが、そんなことを言って人を選べる程の余裕がないというのが現状でしょう。

待機児童の問題があるため、とにかく「保育士として働いてくれる人が欲しい」という保育園も多いので、未経験でも採用される可能性は十分にあるのです。

確かに30代よりは20代の方が良いですが、20代を雇ったとして長く勤めてくれるかどうかというのは正直わかりません。

保育園側はまず人を雇う際に「長く働いてほしい」と思っています。

保育士の退職理由として最も多いのが結婚・出産です。

たとえば結婚や子育てが落ち着いている30代の方なら20代より不利ということもないので、面接などではその強みをアピールしていくと良いですね。

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保育士の有効求人倍率はかなり高い 最新保育士の有効求人倍率は?

平成31年1月厚生労働省の「保育士確保集中取組キャンペーン」によると、平成30年11月有効求人倍率は3.20倍、東京都では6.44倍です。

どれほど高いのかを説明すると、たとえば有効求人倍率2倍で考えた場合、求職者が50人いた場合、求人数が100件あるということになります。

これに東京都保育士の有効求人倍を当てはめてみると求職者50人が、322件の求人があるのです。

単純計算で求職者50人で求人を平等に分けたとしたら、6件以上の保育園が1人の求職者を取り合うという状況でもあります。

そしてたとえ落ちたとしても他の園を受けるチャンスもあるのです。

数字で見ただけでも就職できる可能性の方が高いということがわかりますよね。

実際は好条件の求人に応募が殺到しますが、他の保育園も長い期間保育士不足で苦しみたくないので、各保育園も保育士を確保するために好条件を提示してくるでしょう。

これは他の業種と比べてもかなり高く、転職者にとってはかなり有利な状況で、沢山ある求人の中から好条件な保育園を選べるということです。

【参考】転職したい保育士に朗報。有効求人倍率から見る保育士の転職しやすさ

転職者が有利な理由は保育士不足・待機児童の問題

近年ニュースなどでもよく取り上げられるようになった待機児童の問題。

待機児童の問題を解決するために、まずは保育士不足の問題を解決する必要があるのです。

保育園を沢山作っても保育士として働いてくれる人がいなければ子どもを預けることはできないですよね。

保育士不足を解決するためには、保育士資格を持っている人にとって保育士の仕事が魅力のあるようにしていかなければいけません。

そこで政府は保育士や幼稚園教諭の対して処遇改善加算等の政策を打ち出し、保育園側も「有給取得100%目指します」「家賃補助あります」など保育士が「働きたい」と思えるような好条件の求人を提示しているのです。

具体的には事務仕事の軽減、専門性を高めるためのスキルアップ等の機会を増やす、給料を改善、役職を増やし役職によって昇給する仕組み、それらを取り組んでいくことで保育士の離職を食い止め、人材を確保していこうとしています。

以下の図は先ほどの東京都保育士実態調査から引用したものです。

上記の図の通り過去保育士として働いたことがある人、保育士未経験の人も半数近くいるのです。

実際に今この記事を読んでいる人の中にも資格を取った当時は「保育士の仕事に魅力を感じなかった」と保育士として働かなかった人、「一応国家資格だし、保育士資格を取っておこう」という人がいるでしょう。

せっかく保育士資格を取得したのに、半数近くの人は保育士として働かないのです。

そして最近では「その条件なら働いても良いかな」と潜在保育士が現場復帰したり、資格を持ちながら現場未経験という人も保育士として働き始めているようです。

平成31年4月12日厚生労働省「待機児童数の状況について」によると平成30年10月の時点で、平成29年10月と比較して8,235人減少しています。

これからも保育士は需要が高い状態は続くと思いますが、待機児童の問題が落ち着く頃には今のようにチャンスはないかもしれないですから「保育士として働いてみようかな、どうしようかな」と迷っている間にチャンスを逃してしまわないように、ベストタイミングを掴んでくださいね。

【参考】保育士の処遇改善手当とはなに?実際にいくら貰えるの?

既に働いている人との差

たとえばこの記事を読んでいるあなたが30歳と仮定します。

これから保育士に就職・転職するとなった場合、現場には自分より若くても現場経験5年目の25歳、同じ30歳でも現場経験10年の差があるのです。

現場では20代であっても、自分より現場経験があるため指示をもらう側になります。

「そんなことは想定内」だとは思いますが、現場で働いた時は「自分の方が年上なのに情けない」など感じてしまうことがあるかもしれません。

しかしそんなことは考えなくても良いのです。

現場のルールは教えてもらうばかりですが、自分の力でなんとかなる仕事もあります。

たとえば個人記録や月案、日案の例文が載っている参考書などが沢山あるので、それを参考にしながら記入していけば難しいことではありません。

手遊びの本もありますし、最近では動画などもあるのでわかりやすいです。

あとは体力面の問題ですね。

保育士は1日中動いているので、はじめは体力に自信がない人にはきつく感じますが、働くうちに慣れてきます。

他にも現場の慣れている人は午前中1回もトイレに行かなくても大丈夫、お茶も飲まなくても大丈夫、と保育室から離れることがない場合があります。

そういう時タイミングを失いがちですが、我慢はせず「トイレに行って良いですか」など断りをいれて、自分の体調管理をするように心がけてくださいね。

子育て経験を活かして働くことができる

子どもとの関わりってムズカシイわぁ。でも可愛い。

ハラハラ・イライラが多くて、比率が割に合わない時もあるけど、なんだかんだ可愛いから頑張れる。

子どもと関わったことのない人が1番はじめに悩むのが子どもとの関わり方です。

子育て経験がある人は既にその壁を乗り越えているので、自分の子どもとタイプが違った子が相手だとしてもある程度は大丈夫でしょう。

子どもにどうやって話かけるのか、いけないことをした時にどうやって伝えるかなどそれがすぐにできるのはかなり武器になります。

子どもは2歳や3歳などの幼くても「この人はどういう人なんだろう」と興味を持って見破ってくるのです。

「優しそうだから、いたずらしてもバレないかな」「この人は怒りそうだから友達から玩具取るのは辞めておこう・・・」など保育士のことをよくみています。

そして子どもは優しそうな人、面白いことをしてくれそうな人、魅力のある人が好きです。

普段から子どもと関わりのある方なら、問題ありません。

普段から子どもと関わりのない人であっても、子どもは新しい先生が大好きなのですぐに仲良くできるでしょう。

【参考】保育士あるある、もはや職業病ということも多いのでは?

30代からでも保育士を目指すことができる

保育士の資格は年齢問わず取得することが可能です。

公務員保育士となると地域によって応募が37歳までなど年齢制限がある場合があります。

また保育士は働き方が結構多様です。

地域によって異なりますが、パートとして働いても他の仕事に比べて時給が高いです。

そのため出産や子育てが落ち着いた40代50代でもパートとして保育士の仕事をする人は多いです。

30歳となるとは配偶者がいるかどうか、家庭があるかないかなどで働き方を選ばなければいけませんね。

ちなみに筆者の元職場の保育園の30代の人は、非正規社員としてフルタイムで働く人、パートとして働く人どちらの人も珍しくはありませんでした。

その違いは旦那さんの仕事や給料との兼ね合いだったり、子育てが落ち着いたなど理由は様々です。

未経験であっても子どもを責任もって保育し、あとは保育園の流れや仕事を覚えれば良いので保育士資格を持っていれば、就職先に困ることないのでしょう。

30代から保育士を目指す理由

30代から保育士の資格を目指すのはどういうきっかけなのでしょうか。

たとえば以下のような理由があります。

  • 子育て経験を活かした仕事に就きたい
  • やりがいのある仕事に就きたい
  • 国家資格を取得したい
  • 就職の幅を広げたい

スーパーのレジ打ち、コンビニなど仕事をしようと思えば沢山あります。

しかしせっかく子育ても落ち着いて、また心機一転仕事を始めるならやりがいを感じられる仕事をしたいと思いますよね。

保育士の仕事は子どもと関わりがメインです。

他人の子どもであっても毎日顔を合わせていると自然と可愛く感じますし、子どもの成長を見守ることができるのでとてもやりがいがあります。

また上記でも述べた通り、40代50代になった場合もパートで勤務して時間や曜日を融通してもらいながら働くことも可能な保育園が多いです。

【参考】保育士のやりがいとは?7割以上が満足している保育士の仕事の魅力やエピソード紹介

保育士試験を受けて保育士資格を取得する

あまり知られていないかもしれませんが、保育士になる時に「保育士資格を取得するか」「保育士資格を所得しないか」選択することができます。

「保育士資格を持っていなくても保育士できるなら良い」という方もいるとは思いますが、保育士資格を持っていうと資格手当が出るため、給料面から考えても資格を持っておいた方が良いです。

また保育士は子どもの発達や成長段階など専門的な正しい知識を知っていた方が現場でも働き甲斐がありますよね。

「保育士として早く働きたい」という方は勉強して合格するまでの期間が勿体ないので、試験勉強しながら保育園で経験を積むと良いでしょう。

保育士資格がなくても保育士になることもできる

実は保育士資格を持っていなくても、保育士になることは可能です。

認可外保育園では保育士として働く人のうち概ね3分の1が保育士資格、看護師資格を持っていれば良いので保育士資格を持っている人が3割いれば、保育士資格を持っていない人を雇うことができます。

とはいえ上記でも触れた通り、資格は持っておいた方が良いです。

あとは長く働く気持ちがあるのかどうかというか考え、「ちょっとやってみたい」と思うならまずは資格をとらないで「自分に保育士ができるかどうか」試しで認可外保育園で働くのも良いかもしれませんね。

しかし認可外保育園は市から補助金が出ていない場合もあるので、経営が困難になった場合や保育士資格はある人との割合などにより、保育士資格を持っていないために契約を切られるかもしれないというデメリットがあります。

新しく仕事を探すのもなかなか面倒くさいですが、資格取得は自分の気持ち次第ですね。

30代保育士未経験の人が抱える不安

「珍しくはないとは言っても、やはり腰は重たい」という方もいるかもしれませんね。

今はチャンスと言われても不安要素がある場合は下手に動けないでしょう。

以下、30代未経験保育士の人が抱えやすい悩みについて紹介します。

30代で新人保育士、保育士や保護者からの反応は?

保育士の現場は20代が多いイメージがあるかもしれませんが、上記でも触れた通り半分の保育士は30代や40代ですから意外と年齢的にも珍しくないのです。

パートとして働く保育士の年齢も30代~50代など幅広い年齢層のため、浮くこともありません。

確かに20代の保育士が多い保育園もあるけど、通信で資格をとって30代から働く保育士の人もいます。

また保護者も保育士の年齢はあまり気にしていないようです。

パートとして働く人、常勤保育士として働く人も区別も担任以外の職員の雇用形態は意識していないでしょう。

むしろ20代の保育士よりも30代、40代の保育士の方が経験や知識がありそうで信頼してくれるかもしれません。

【参考】保育士のエプロン、おすすめのものや選び方は?

ピアノが弾けない

私もピアノ弾けない・・・。

現場でピアノ得意って人あまり見たことないかも。というか皆、行事前に必死に練習してる。

「なんとか資格をとったけど、ピアノがどうしても苦手・・・」という人も大丈夫です。

ちなみに筆者もトータル4年保育士をしてきましたが、ピアノを弾く機会はあまりありませんでした。

日々の保育はCDをかけたり、上手な人が弾いてくれたり助け合いでなんとかなります。

保育園によってピアノに力を入れているところもありますが、保育園の選び方によってそういうところを避ければ良いのです。

また家にピアノがない場合は退勤後、園長やクラスの担任に許可を得て保育園のピアノを借りて練習するという人もいます。

周りの人に迷惑をかけたり、仕事を覚えられる自信がない

やる前からそんなこと考えなくて良いの。最初から上手くなんてことの方が稀なの。

やってみなきゃわからないよね~、まずはやってみるしかないよね~。

最初からなんでも上手にこなすということは不可能です。

はじめは周りに迷惑をかけたり、わからないことがあって沢山人に聞くことになりますが、現場の人はそういうことには慣れています。

若い職員でも「自分が1年目の時もそうでした」と教えてくれますし、ベテラン保育士であっても「保育士目指して、人手不足のところ助かったよ」と丁寧に教えてくれるはずです。

たとえば午睡中の呼吸確認や乳児の食事介助は子どもの命に関わることですから、慣れるまでは難しいと感じることがあるかもしれません。

しかし大体は慣れればできる習慣であったり、事務仕事ですからわからないことがあればすぐに確認して、メモをして自分に取り入れていきましょう。

またせっかく保育士になると決めて転職したのに、ブラック保育園に当たってしまうと苦労します。

ブラック保育園と見極めるのは難しいですが、求人を探す時に気にかけるだけで回避できる可能性は高まります。

気になる方は以下の記事も読んでみてくださいね。

【参考】ブラック保育園の特徴や見分け方、残業代はしっかり出てる?有給休暇はとれる?

【参考】初めての転職は不安。保育士の転職の流れや注意点を事前に確認しよう

30代からでも遅くない!未経験保育士も現場は歓迎!

新しいことに挑戦する時は「大丈夫かなあ」と不安になってしまいますが、それは誰でも一緒ですから、まずは挑戦してみましょう。

たとえば子育てと同じように考えたらわかりやすいかもしれません。

20代は子育てできるけど、30代40代には子育てができないということではないですよね。

保育士の仕事は20代なら20代の働き方、30代は30代の働き方それぞれの年齢にできる子どもや保護者へのサポートがあるのです。

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