保育士資格は更新は不要、かかる費用もなし。でも保育士登録しないと保育士としては働けない。

保育士の豆知識

たとえば、自動車免許や幼稚園教諭免許などは、一定の年数が経つと更新が必要になります。

免許に関する知識を再確認、そして新たな知識を得るために、講習を受けたりするからです。

保育士資格を取得した人の中には「保育士資格って更新、必要なんだっけ・・・」と、心配になった人も多いのではないでしょうか。

本記事では、保育士資格の更新や保育士資格登録について、詳しく紹介します。

保育士資格は、更新する必要がない

たとえば、よく、大学や短大で保育士資格と同時に幼稚園教諭を取得した際「幼稚園教諭は免許更新があるから、保育士資格も更新が必要なんだ」と勘違いしてしまう人がいるかもしれません。

保育士資格は、1度取得してしまえば、更新は必要ありません。

更新が必要ないことが、保育士資格の特徴でもあるのです。

更新が必要ありませんから、一度保育士の仕事から離れて、ずっと保育士として働いていない人でも、すぐに保育士として働くことが出来ます。

幼稚園教諭免許の場合は、何年で更新?

上記でも触れた通り、幼稚園教諭の場合は、保育士資格とは違い、更新が必要です。

そもそも、保育士と幼稚園教諭では管轄が違います。

保育士は厚生労働省の管轄。幼稚園教諭は、文部科学省の管轄です。

また「幼稚園教諭は、何年で更新だっけ・・・」と不安に思っている人もいるでしょう。

幼稚園教諭免許の更新は、10年更新です。

今後、幼稚園教諭として働きたいと思っている人は、更新する年を確認した方が良いですね。

幼稚園教諭免許の更新について、更に詳しく知りたい方は、以下の関連記事を読んでみてください。

【関連記事】幼稚園免許、更新のタイミングはいつ?費用や講義内容を紹介

保母資格の場合も更新は不要だが、保育士資格登録が必要

2003年11月28日以前に保育士試験に合格した人は、保母資格が手元にあるでしょう。

2003年11月以降児童福祉法の改正により「保育士資格」に統一されました。

そのため現在、保母資格だけでは、保育士として働くことができません。

保母資格を持っている人は「保育士資格登録」をしなければ、保育士と名乗って仕事をすることができないのです。

たとえば、認可外保育園(無認可保育園)で無資格者として働くことはできますが、せっかく保育士試験に合格しているのに、無資格者として働くのは嫌ですよね。

もし今後、保育の現場復帰を考えているなら、保育士資格登録をすることをおすすめします。

保母資格から保育士資格へ切り替える方法や手順については、以下の参考リンク記事で、詳しく紹介しているので、気になる方は読んでみてくださいね。

【参考記事】保母資格と保育士との違いとは?保母資格のままでは保育士として働けない?

試験に受かっただけでは、保育士と名乗ることが出来ないって本当?

保育士資格試験に合格した後、保育士として働きたいと思っている人は、保育士登録を済まさないと「保育士」と名乗ることができません。

たとえば、大学や短大で免許を取得した人は、全体で保育士資格登録の説明を受け、登録手続きを済ませていることがほとんどですが、独学で保育士資格を取得した人は、自分で資料を請求して、手続きを進める必要があります。

「えっ!私、試験合格後に保育士資格登録してない!しかも数年経ってしまった・・・」という人は、安心してください。

保育士登録を行う機関である「社会福祉法人日本保育協会登録事務処理センター」(※以下、登録事務処理センター)のサイトを参考にすると、保育士資格登録をしていないからと言って、資格を失うことないので大丈夫です。

保育士試験合格後すぐに保育士資格登録を済ませていない人も「やっぱり保育士として働こうかな」と思った時に、保育士資格登録をすることで、正式に「保育士」として働くことができます。

保育士資格登録の流れ

保育士資格登録をすると、事務処理センターから「保育資登録資格証」が発行され、手元に届きます。

たとえば、認可保育園で勤める際には「保育士登録資格証」が必要です。

保育士登録資格証を持っていることによって「保育士資格を持っている」証明となります。

まず、混乱しないようはじめに言っておくと、登録事務処理センターとのやり取りは2回です。(自分が必要書類を郵送する回数)

覚えておくと、以下の説明がスムーズに入ってくるでしょう。

1回目の郵送内容「保育士資格登録の手引きを取り寄せる」

はじめに、登録事務処理センターから「保育士登録の手引き」という保育士資格登録に必要な書類を取り寄せます。

1回目の郵送に必要なものは、以下の通りです。

  • 送信用定形封筒1枚(返信用封筒を入れるために使う)
  • 送信用定形封筒1枚
  • 送信用切手代
  • 返信用の封筒に貼る切手

封筒記入方法は、以下の図を参考にしてください。(登録事務処理センターから引用)

送信用の封筒に、返信用の封筒を入れる際は、折りたたんでも問題ありません。

1回目の郵送後、手元に必要な書類が揃います。

また、保育士資格登録にかかる手数料も、この1回目の郵送後、登録事務処理センターから資料が届いてからになるので、覚えておきましょう。

提出方法は、必ず郵便局窓口で、簡易書類郵送を利用します。

2回目の郵送内容「保育士資格登録に必要な書類を全て郵送する」

2回目の郵送は、保育士登録の手引きが届いた後、保育士資格登録にかかる手数料を振り込んだり、保育士登録申請書を記入する他、保育士資格を証明する書類を送るための郵送です。

2回目の郵送に必要なものは、以下の通りです。

  • 送信用封筒
  • 保育士登録申請書(保育士の手引きに同封されている)
  • 振替払込受付証明書(保育士資格登録にかかる手数料を払い込んだ証明)
  • 保育士となる資格を証明する書類
  • 現在の戸籍抄本

郵送する際は、上記のものが手元に揃っているかどうか確認しましょう。

上記にある「保育士となる資格を証明する書類」は、以下のいずれかです。

  • 保育士(保母)資格証明書
  • 指定保育士養成施設卒業証明書
  • 保育士養成課程修了証明書
  • 保育士試験合格通知書
  • 平成17年までに交付された書類のうち、連続3年間で全科目合格していることが確認できるもの(保育士試験1部科目合格証明書)

提出方法は1回目同様、必ず郵便局窓口で、簡易書類郵送を利用します。

郵送する宛先「登録事務処理センターの住所」

送信用封筒の宛て先は以下の通りです。

〒102-0083 東京都千代田区町1-6-2 アーバンネット麹町ビル6階 登録事務処理センター

宛先の書く際は間違えないように、よく確認してくださいね。

保育士資格登録に必要なものや登録にかかる費用

保育士資格登録に必要なものや登録にかかる費用について、以下、改めて確認してみましょう。

保育士資格登録に必要なもの

登録事務処理センターのサイトを参考にすると、保育士資格登録に必要なものは、以下の通りです。

保育士証の名前を変更する時に必要なもの
定形サイズの封筒(1回目送信用) 1枚
角形2号封筒(登録事務処理センターからの返信用・2回目の送信用) 2枚
保育士となる資格を証明する書類の原本※1 1部
戸籍抄本 1部
郵送にかかる料金分の切手(送信用と返信用)

4,200円(一人当たりの登録にかかる手数料)

※「保育士登録の手引き」
※保育士登録の手引きに同封されている専用の払込用紙 1部
※振替払込受付証明書 1部

上記の中でも、※印がついているものは、1回目の郵送後、登録事務処理センターから保育士の手引きが送られてきた後に揃うものなので、最初から手元にあるものではありません。

上記でも触れた通り、戸籍抄本が必要なので、地域の市役所へ行き、1部発行してもらいましょう。

保育士資格登録にかかる費用はいくら?

保育士資格登録にかかる手数料は、一人あたり4,200円です。

その他にも郵送で使用する封筒や切手代がかかります。

保育士資格登録全体にかかる参考費用は、以下の通りです。

内容 料金
封筒(定形封筒・角形2号封筒の2種類) 220円(百均ショップで用意)
送信用切手代(2回分) 280円(グラムによって異なる)
保育士証1部請求の場合にかかる郵送代 140円
保育士証再発行手数料 4,200円
合計 4,840円

ちなみに、郵送にかかる料金は、以下を参考にしてください。(令和元年12月13日時点)

送信用封筒に貼る切手代

定形サイズ封筒 グラム数 郵送料金
25グラム 84円
50グラム 94円
角形2号サイズの封筒 50グラム 120円
100グラム 140円

封筒の材質によって重さが異なりますが、一般的に売られている薄いタイプの封筒であれば、140円程度で間に合うでしょう。

保育士資格登録に関するQ&A

以下、保育士資格登録に関するQ&Aを紹介します。

保育士試験合格後から、数年経ってしまったけど、保育士資格は登録できる?

保育士試験合格から、数年経ってしまっていても、保育士資格は登録することができます。

上記で説明した手順で、手続きを進めてると、保育士証を交付してもらうことが可能です。

保育士資格登録の手続きから交付まで、どれくらいの期間かかるのか

保育士資格登録の手続き後(事務処理センターに必要書類を送る)早くても2か月はかかります。

たとえば、これから保育士として働こうと思っている人は、保育士資格登録に2か月以上かかるということを踏まえて、就職活動の計画を立てましょう。

保育士資格は登録をしないと、保育士資格を失う?

上記でも触れた通り、保育士資格登録をしていないからと言って、保育士資格を失う訳ではありません。

たとえば、保育士試験に合格しても、保育士として働く気がない場合は、わざわざ保育士資格登録をする必要はないでしょう。

また、保育士資格登録をしなくても、認可外保育園であれば、無資格で雇ってもらうことができます。

とはいえ、保育士として働く場合は、保育士資格登録を済ませて置く方が良いです。

簡単に説明すると、保育士資格登録をすることで、以下のようなメリットがあります。

  • 働く施設の選択肢が増える(認可保育園などでも働ける)
  • 認可外保育園で働く際も、無資格者よりも有資格者の方が優遇される場合が多い
  • 給料面でも資格を持っていることで手当が貰えることがある

ちなみに、筆者の友人も認可外保育園で働いていますが、保育士資格を持っている(保育士資格登録をしている)ので、資格手当が支給されていると言っていました。

資格の有無は給料に関わってくるので、「保育士として働きたい」場合は、保育士資格登録をした方が良いでしょう。

まとめ

本記事のまとめは、以下の通りです。

保育士資格更新・保育士資格登録まとめ

  • 保育士資格は、更新しなくても良い
  • 保母資格の場合は、現在、正式に保育士として働くことはできないので保育士資格登録をした方が良い(保育士として働く場合)
  • 保育士試験合格後、保育士資格登録をしていなくても保育士資格はなくならない
  • 保育士資格登録をすることで、働く施設の選択肢が増える・資格手当などが貰えるなどのメリットがある
  • 保育士資格登録にかかる全体の費用は5,000円程度
  • 保育士資格証明証の発行は、早くて2か月かかる

他にも、保育士登録後の紛失や名義変更について知りたい方は、以下の参考リンク記事を読んでみてくださいね。

【参考】保育士証の名前変更をする方法や紛失した場合の再発行方法。かかる費用も合わせて確認を。

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