保育士でフリーランスって?「フリーランス保育士」の働き方や仕事内容とは?

保育士の豆知識

近年「フリーランス」という言葉、よく聞きますよね。

「フリーランスって何」「どんな働き方?」など、聞いたことはあっても、どんなものなのか分からないまま・・・という人もいるでしょう。

本記事では「フリーランス保育士とは」「フリーランス保育士になるためには」などについて、詳しく紹介します。

フリーランスとは?どんな働き方のことを言うのか?

「フリーランスで働く」とは、どういう意味なのでしょう。

Wikipediaからの引用は以下のとおりです。

英語から翻訳フリーランス、フリーランサー、フリーランス労働者は、自営業者であり、特定の雇用主に長期的にコミットする必要がない人に一般的に使用される用語です。フリーランスの労働者は、クライアントにフリーランスの労働者を転売する会社または一時的な代理店によって代表されることがあります。

【引用】Wikipedia

簡単に言うと、企業や会社に雇用されずに働く人です。(自分が経営者でもある)

フリーランスといえば、ライターやエンジニア、デザイナー、イラストレーター、カメラマンなどの仕事が挙げられるでしょう。

フリーランスで働く場合、労働基準法が適用されませんから、最低賃金や労働時間、休日、有給などの補償がありません。

他にも、仕事がなくなってしまったり、失敗してしまっても全て自己責任。

しかし、企業から求められて、仕事が増えれば沢山稼ぐことも可能です。

フリーランス保育士とは?フリーランス保育士になるには・・・

フリーランス保育士として働いた場合、以下のように働くことができます。

  • 自分の希望する勤務場所、勤務時間を指示
  • 勤務時間外労働はなし
  • 長い間、同じ保育園で働く必要がない
  • 狭い人間関係からも解放

上記全てが当てはまる仕事をフリーランス保育士とすると、選択肢が狭くなってしまうので、上記のいずれかが当てはまる場合を「フリーランス保育士」としましょう。

フリーランス保育士として働く場合の選択肢は以下の通りです。

  • 個人で開業する(チャイルドマインダー)
  • 個人で開業する(保育ママ)
  • 派遣会社に登録して派遣保育士になる
  • ベビーシッターとして働く

では、どうしたらフリーランス保育士になれるのでしょうか。

以下それぞれの項目について詳しく説明していきます。

個人で開業する(チャイルドマインダー)

チャイルドマインダーとして働いた場合、以下の項目が実現できます。

  • 自分の希望する勤務場所、勤務時間を指示
  • 長い間、同じ保育園で働く必要がない
  • 狭い人間関係からも解放

チャイルドマインダーは最も「フリーランス保育士」像と言えるでしょう。

チャイルドマインダーとは、保育に関する知識が豊富で専門性が高く、質の高い保育を行う人であり、チャイルドマインダーの民間資格を持っている人。

上記で触れた通り、チャイルドマインダーは、仕事をする場所(自宅・近隣のビルの一室・利用者の家に訪問など)労働時間や給与形態、保育する人数(最大4人まで)など、全て自分で決めることができます。

まさに、フリーランス保育士ですね。

チャイルドマインダーになるためには、チャイルドマインダーの資格認定団体に申し込み、講座を受け、試験に合格することで資格を取得することができます。

また、チャイルドマインダーとして働く場合、保育士資格は必要ありませんが、保育士資格を持っている人であればそれが強みになるでしょう。

チャイルドマインダーの仕事は、まだ世間的には認知度が高い訳ではありませんが、既にチャイルドマインダーとして働いている人が多くいます。

「子どもに関わる仕事がしたい」「自分の保育観を活かした保育をしたい」「働く曜日や日時、自分で決めて働きたい」と思っている人には、適した働き方です。

今の時代の働き方、近未来的な働き方ですよね。

チャイルドマインダーの仕事内容や給料、資格取得方法や試験の難易度、費用に関して知りたい方は、以下の参考リンク記事を読んでみてください。

【参考】チャイルドマインダーの資格概要・仕事内容や給料について。保育士資格ある人が保育園で働くのとはどう違う?

個人で開業する(保育ママ)

保育ママとして働いた場合、以下の項目が実現できます。

  • 自分の保育観、保育方針で保育施設を運営できる
  • 長い間、同じ保育園で働く必要がない
  • 狭い人間関係からも解放

「保育ママ」とは、0~3歳児の子どもを日中保護者が仕事へ行っている間、事業主の居宅やビルの一室で預かる制度。

イメージ的には「家庭的で、小規模。個人が開く保育園」ですね。

保育ママは自分が経営状態を管理する事業主であり、保育方針を決めるなど園長の役割を果たすのです。

また「一人で働くか、誰かを雇うか」は、自分で決めることが出来るので人間関係で悩むことはありません。(人を雇う場合は自分で決められる)

チャイルドマインダー同様、保育士資格は必要ありませんが、保育士資格を持っていた方が保護者から信頼されるため、多くの保育ママの保育に関する資格を取得して働いています。

保育ママになるためには、いくつかの条件をクリアし、自治体からの認定が必要です。(自治体から補助金が出る)

たとえば、25~60歳くらいまでの健康な方、修学前の子どもを養育していないなどの条件があります。(詳細は参考リンク記事で紹介)

また、子どもを預ける保護者のために安定した保育機関であるために原則8時間保育をする等の制限があります。

保育ママの制度は、導入していない自治体もあるので、自分が住んでいる地域で導入しているのか、役所などで確認してみましょう。

【参考】保育ママ制度とは?仕事内容や必要な資格、給料などの条件、メリット・デメリット

ベビーシッターとして働く

ベビーシッターとして働いた場合、以下の項目が実現できます。

  • 自分の希望する勤務場所、勤務時間を指示
  • 勤務時間外労働はなし
  • 長い間、同じ保育園で働く必要がない
  • 狭い人間関係からも解放

週に何回、何時間、仕事をどれくらい入れるか、また休日などの働き方は自由に決めることが可能。

働き方の自由度が高いところがフリーランス保育士と言えるでしょう。

ベビーシッターとは、保護者が子どもを自宅に置いて外出や用事を済まさなくてはいけない時に、利用者の自宅に行き、子ども達の面倒をみる仕事です。

1件2~3時間程度で、子どもと利用者の自宅で遊んで過ごしたり、習い事や保育園の送迎など、保護者の要望に合わせて仕事内が変わります。

ベビーシッターとして働く場合、保育士資格は必要ありませんが、持っている方が断然有利でしょう。(保護者がベビーシッターを選ぶ時の判断基準にもなっている)

また、ベビーシッターを雇う会社に登録して、ベビーシッター登録をすることで、ベビーシッターとして働くことが出きます。

保護者がベビーシッターの利用実態や働いている人の年齢など、以下の参考リンク先の記事で紹介しているので、気になる方は読んでみてくださいね。

【参考】保育士とベビーシッターの違い。給料や業務内容、働くメリットは?

派遣会社に登録して派遣保育士になる

派遣保育士になった場合は、以下の項目が実現できます。

  • 自分の希望する勤務時間を指示
  • 勤務時間外労働はなし
  • 長い間、同じ保育園で働く必要がない
  • 狭い人間関係からも解放

派遣保育士は、保育園から直接雇用されている訳でなく、派遣保育士の場合は派遣会社と契約して保育園に勤めるので、間接雇用になります。

そのため、働く場所は保育園ですが、給料をもらう先は派遣会社。(福利厚生や保険関係も派遣会社の規定に従う)

派遣保育士の働き方は、たとえば「毎週水曜日は休みます」「16時には退社します」ということも可能で、自分主体で働くことが出来ます。

一般的な保育士よりも働き方の自由度が高いですね。

派遣会社で働く場合、保育士資格は必要ありません。(先ほどから言っている通り、資格がある場合は有利)

上記で触れた通り、派遣会社に登録することで派遣保育士として働くことが出来ます。

【参考】保育士が派遣で働くメリット・デメリットとは?週1や週3など自由に働くこともできる?

フリーランス保育士になるメリット・デメリット

「働き方の自由度が上がるなら、保育士としてまた働いても良いかも」という人もいるかもしれませんね。

平成26年3月東京都保育士実態調査を参考にすると、保育士の退職理由の中には「結婚、出産」が最も多いのですが、なぜ結婚や出産をしてしまうと、保育士として働くことが難しいのでしょうか。(給料が低いは2番目に多い)

原因は、保育士の特殊な働き方、またシフト制というところにあるでしょう。

たとえば、早番は早番の仕事があったり、仕事が終わらなければ残業が当たり前であったり、休む時は他の保育士に迷惑がかかったり・・・。(自分のシフトと交代してもらう等)

「子どもは好きだけど、働き方がストレスを感じる」保育士は多いです。

それは、フリーランス保育士になることで解決しますが、フリーランス保育士になると他の心配事が出てきます。

以下、フリーランス保育士になった場合のメリット・デメリットの紹介です。

フリーランス保育士になった場合のメリット

以下、フリーランス保育士になった場合のメリットです。

  • 自分の希望時間や希望曜日に働くことが出来る
  • 複雑な人間関係に巻き込まれなくて済む(性格が合わない人がいても長い付き合いをしなくて良い)

自分の希望時間や希望曜日で働くことが出来るため、たとえば「早番だから早く起きなきゃ」「遅番だから家に帰るのが遅くなっちゃう」と自分の生活スタイルを毎日合わせる必要がないのです。

たとえば、結婚している場合や子育てをしている場合にフリーランス保育士として働くと良いかもしれません。

フリーランス保育士は、パートナーの仕事や家にいる時間帯に合わせて働くことも可能。また、子育てしている場合も、同様、子ども中心で働くことが出来ます。

他にも、フリーランス保育士として働いた場合、面倒くさい人間関係に巻き込まれなくて済むというのもメリットですね。

一般的な保育士のように特定の保育園に長く勤めることは無いので、面倒くさい人間関係に巻き込まれなくて済むのです。

めんどくさい人がいたとしても、関わるのは特定の期間だけ(保育ママ・派遣保育士)、もしくは自分からその人を選ばないことも自分で選べます。

フリーランス保育士の場合は、深入りしない程度に関わることが出来るので、気持ちが楽になるかもしれませんね。

フリーランス保育士になった場合のデメリット

以下、フリーランス保育士になった場合のデメリットです。

  • 収入が安定しない可能性がある
  • 働き方が不安定(場所が毎日変わる、勤務時間が変わるなど)

上記で紹介した保育ママや派遣保育士以外のフリーランス保育士の場合。

「毎月の給料がいくら」と決められている訳ではないので、収入が安定しません。

チャイルドマインダーやベビーシッターとして、多くの人から信頼され、仕事を一定数頼まれるようになれば、安定する可能性もありますが「仕事が軌道に乗らず、仕事が無い」という状況も在り得ます。

また、働き方の自由度が上がる一方、働き方が不規則になる可能性もあります。

自分で「1日〇件まで」「〇時まで働く」「〇日は休息日」と仕事と私生活のけじめをつけて働かないと、体を壊してしまうかもしれませんね。

「私生活を充実させたい」と思ってフリーランス保育士になったのに「今月はまだ稼がないと生活できない」と給料の事を考えてストレスを感じたり、働き方の自由度が高すぎるために、私生活が犠牲になってしまったら本末転倒です。

様々なことを想定した上でフリーランス保育士を目指しましょう。(フリーランスという仕事は常に安定を求めることは難しい)

フリーランス保育士になる際は、よく考えて検討しよう

「子どもに関わる仕事なのに自由度が高い」ということで期待が高まるフリーランス保育士ですが、デメリットを考えると「私には難しいかも・・・」と踏みとどまってしまう人も多いでしょう。

たとえば、一人暮らしをしていて、貯金もなく突然「フリーランス保育士になる!」と動いてしまうと、先々大変です。

安定したフリーランス保育士になるためには、計画を立てたり、段階を踏むことが大事。

「自由度は低いけど、収入が安定している方が働きやすい、生活しやすい」のか「収入が不安定でも生活ができる余裕はあるし、自分の希望に合わせながら保育できた方が良い」のか、自分の今の状況と照らし合わせてフリーランス保育士を検討しましょう。

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