就職するなら、絶対に避けたい「ブラック保育園」。
では逆に「ホワイト保育園はあるの」「ホワイト保育園はどうやって探すの」と気になっている保育士も多いでしょう。
本記事では「ホワイト保育園の特徴や探し方について詳しく紹介します。
ホワイト保育園の特徴とは
ホワイト保育園は、たとえば以下のような特徴があります。
ホワイト保育園の特徴・・・
- 雇用条件や福利厚生がしっかりしている
- 給料やボーナスが充分にある
- サービス残業はない
- 有給取得率が100%に近い
- 人間関係も良好など
上記のような好条件が揃っている保育園を「ホワイト保育園」と呼びます。
冒頭でも述べた通り、ホワイト保育園はブラック保育園の逆ですね。
全部揃った保育園は、珍しいかもしれませんが「無い」わけではありません。
求人を探す時点から、ポイントを押さえて、保育園を見極めていればホワイト保育園に出会える可能性は十分にあります。
以下、それぞれの項目について詳しく紹介していきます。
ホワイト保育園の特徴:雇用条件や福利厚生がしっかりしている
たとえば、「時給100円」「8時間勤務休憩なし」の労働条件で働く人はいないでしょう。(完全にブラック保育園です)
上記は極端な例ですが、正社員やパートなど労働形態に関わらず就職先を探す際、出来るだけ「決められた時間で帰られる」「契約は1年更新(臨職やパートの場合」等といった雇用条件がしっかりしている、わかりやすくなっている保育園を選びましょう。
また福利厚生のうち、法定福利である「健康保険」「厚生年金基金」「介護保険」「雇用保険」等、基本的な福利厚生が整っていることは最低条件です。
そもそも、フルタイムで働くのに社会保険に加入できないということはありえませんから、万が一そんなところがあれば絶対に避けなければいけません。間違いなくブラック保育園だと断定できます。
そして労働条件・法定福利が整っている上で、法定外福利である「住宅手当」「退職金」が充実していることがホワイト保育園の特徴として挙げられます。
良いところだと、住宅手当だけで5万円以上貰えるなんてところもあるみたいです。
【参考】保育園を選ぶ上で重要な福利厚生とは?あるかないかでかなりの損をしてしまうかも
ホワイト保育園の特徴:給料やボーナスが充分にある
給料は働く意欲に関わる重要なポイントでもあり、職場の雰囲気作りや人間関係にも大きく影響すると言えるでしょう。
そもそも、生活を左右する肝心な給料が充分に払えない保育園は、経営不振である可能性が高いため、長く働く事を考えた場合に、保育園の将来性を感じられず、先行き不安です。
他にも「給料と人間関係の関連性について」、たとえば、給料が仕事の対価として十分でない場合。
働く保育士は「頑張って仕事してもどうせ給料低いし」「保育園は保育士の事大事に思っていないから給料が安いんだ」等、職場に対して不満を持ちます。
不満を持つ保育士が仕事の手を抜いて、保育自体が危うくなったり、働かない保育士の代わりに違う保育士に負担がいったり・・・。
上記のような環境は、既に「ブラック保育園」です。
ちなみに、筆者も給料が低い保育園で働いた事がありますが「うちの保育園、給料少ないよね」から、保育園の悪口、人の悪口に発展し、派閥やいじめに巻き込まれることもありました。
給料は就職する前、求人を探す段階で知ることが出来る情報です。
求人を探す際に「給料やボーナスは充分にあるかどうか」をチェックすることで、ホワイト保育園を見極めましょう。
ホワイト保育園の特徴:休日数が充実している
休日数が多いということは、プライベートな時間を確保できるという事。
保育士は体力のいる仕事なので、休みが多いに越したことはありません。
一般的に年間休日120日以上ある場合、ホワイト企業と呼ばれます。
しかし、保育士の場合「土曜出勤がある」ので、年間休日数が120日というのはなかなか難しいという現状。
保育士の平均休日数は100~110日程なので「年間休日数110日」と求人に記載があれば、ホワイト保育園の可能性が高いと思って良いでしょう。(120日の求人があればラッキーです)。
ただ最近は保育士の待遇改善、そして人手の確保の為に年間休日数が120日以上としている保育園も増えているので、積極的に探してみるのも一つの手です。
【参考】保育士の平均年間休日数や他業種との比較。やっぱり休みは少ない?
ホワイト保育園の特徴:サービス残業が無い
保育士の仕事をしていると、少なからず「サービス残業をしてしまうこと」ありますよね。
しかし、本来であれば「サービス残業をして当たり前」という労働環境は良くありません。
「サービス残業」は、タダ働きです。
保育士は、勤務時間中のほとんどが「保育にあてる時間」。
そのため、日誌記入・月案記入・壁面制作などの事務の時間を確保することが難しいのです。(休憩時間すら確保できない事も多い)
仕事中に出来ないから、退勤後に残って仕事をする、家に持ち帰って仕事をする・・・そうしてサービス残業をせざるを得ない状況にいる保育士が多いのではないでしょうか。
しかし、それは保育士がサボっていて終わらない事務仕事ではなく、そもそも保育園が事務時間を与えてないから、確保していないせいで、保育士がタダ働きをしているのです。
しっかり時間外の手当てを付けてくれ保育園もありますから、諦めずに探しましょう。
ホワイト保育園の特徴:有給取得率が高い、取りやすい
現状として、有給100%は正直難しいです。
一般の企業であっても、有給消化率が100%の企業は珍しいかもしれません。
そのため「有給消化率100%じゃないならブラック保育園じゃん」と思わないでくださいね。さすがにそれでは選択肢が狭まりすぎます(もちろん本来であれば100%消化が理想なのですが)。
大手ホワイト企業と言われているところでも、100%は取れない企業も沢山あるので「ある程度取りやすい環境かどうか」という点を注意しておけば良いでしょう。
たとえば面接時「体調を崩した場合に、有給はとれるのでしょうか」など、それとなく質問するのも一つの手です。
ちなみに有給消化率が平均よりも優秀なところだと、「有給消化率80%以上」といったようにアピールしている場合が多いです。
【参考】保育士は有給休暇が取れなくて当たり前?みんなどれくらいとっている?
ホワイト保育園の特徴:人間関係も良好
保育士の仕事に限らず「人間関係の悩み」が理由で、退職する人が多いです。
そのため「人間関係が良好」というのは、ホワイト保育園かどうか見極める上で重要なポイントとなります。
たとえば、ブラック保育園に勤めている保育士の場合。
労働条件や保育園自体に対して不満を抱えているため、仕事をしなかったり、ストレスを弱い立場の人にぶつけたりする人もいるので、人間関係が悪くなる傾向があります。
一方、ホワイト保育園で働く保育士の場合。
労働条件が良い、会社に不満が無いので、自然と意欲を持って仕事に取り組んだり、一緒に働く同僚とも良い関係を築こうとするのです。
ホワイト保育園の特徴:離職率が低い
上記で紹介したような働きやすい環境で「辞めたい」「辛い」と思う人は珍しいですよね。
労働条件にも満足、給料も良い、人間関係も良好な場合、そこで働く職員は「長くここ(保育園)で勤めたい」と思うでしょう。
そのため、ホワイト保育園は離職率が低いのです。
ただし、ホワイト保育園やブラック保育園に限らず、保育士は一般企業より辞める頻度は高いです。
離職率が高い理由は、保育士の多くは女性。(保育士全体の9割は女性)
女性は結婚や出産を機に仕事を辞めてしまいます。
たとえば、結婚後保育士の仕事を続けていても、夫の転勤などでやむを得ず転職しなければいけなくなることも多いのです。
そのため、ホワイト保育園でも求人の募集はかけているから転職は可能。
求人の条件が良すぎると不思議と「悪いところ」を探してしまったり、「裏がある」と感じてしまいますが、上記のような可能性も多いにありますから、転職の際はホワイト保育園を諦めずに探しましょう。
ホワイト保育園の探し方
まずは、転職方法を紹介します。
保育士の転職方法として多いのが、以下のツールです。
- ハローワーク
- 友達や知り合いの紹介
- 転職サイト
ハローワーク、友達や知り合いからの紹介でホワイト保育園を探す方法も良いですが、より簡単にホワイト保育園を探すなら転職サイトを利用すると良いでしょう。
なぜなら、転職サイトは掲載するのにそれなりにお金がかかる分、「採用にお金をかけることができるくらいには経営が安定している」・「採用に積極的である」といった面がうかがいしれることや、転職サイト側でひどい保育園の掲載はあらかじめ断ってくれているといった点があるからです。
実際、転職サイトの求人は条件面で良い傾向にあります。
以下、求人を見る際にチェックするポイントを説明します。
ホワイト保育園の探し方:雇用条件や福利厚生はしっかりしているかどうか見極める
募集をかける際に武器になり、人を集めることに繋がるという理由から、転職者にとってメリットになることは求人に必ず載っています。
求人の詳細が気になる場合、直接問い合わせることも可能ですが、書いていないものはないと考えていいでしょう。
雇用条件や福利厚生(特に法定福利)は、基本中の基本。ここがしっかりしていない保育園に転職しても良いことは無いですよね。
ホワイト保育園の探し方:有給について求人で触れているかどうか
有給休暇が使いやすくて取得率も優秀な保育園は、転職サイトの場合だと「有給取得率90%以上」「有給取得率100%」と記載しているケースが多いです。
人を集める為の良いアピールポイントになりますからね。
「有給が使いやすい保育園ないかな」と探している求職者にとっては、かなり分かりやすいので、この表記があるのは嬉しいですね。
有給に触れていないからといって「有給が使えないんだ」と決めつけるのは、よくありませんが、転職サイトの中には上記の通り、分かりやすいように有給に触れているサイトも多いので、探してみると意外と見つかりますよ。
ホワイト保育園の探し方:給料やボーナスは地域内の求人といくつか見比べる
給料やボーナスは、自分の生活、仕事へのモチベーションに大きく影響します。
自分の希望に近い給料を提示している保育園を探しましょう。
ちなみに、筆者は「給料が高いということは何か裏がある、仕事が大変なのかな」と疑心暗鬼になってしまう事がありますが、最近の保育士の求人を見ると、給料が高い求人が沢山あるので、今はそういう時代なのですね。(更に近年は保育士業界は人手不足のため給料が高い)
しかし、給料は地域によっても差があるということを頭に入れておきましょう。
たとえば「都心はこんなに給料良いのに、なんでここ(地方)は低いの!ブラック保育園なの!?」という場合、比較対象が間違っていますね。
ハローワークでも、転職サイトでも、保育士の求人は複数紹介があるため、地域の相場と比較してください。
ちなみに保育園を変えるだけで年収が50万円以上、なかには100万円以上アップしたという人も実は少なくありません。
給料アップの為には転職が非常に良い手段となります。
ホワイト保育園の探し方:見学の際に、保育士の表情や話姿、保育士の勤続年数もチェック!
保育士の表情は話す姿、保育士の勤続年数は、求人票では見ることが出来ません。
しかし、労働条件や給料と同じくらいに「保育園の雰囲気」「保育園が自分に合っているかどうか」ということは重要です。
百聞は一見に如かずと言います。
転職サイト、ハローワークに関わらず、転職を考えている保育園の見学には行きましょう。
見学の際は、保育に入っている保育士の数もチェックしましょう。
ちなみに、認可保育園の場合は以下の通り、保育士の配置人数が決められています。
子どもの年齢 | 保育士の数 |
0歳児 | 子ども3人に対して保育士おおむね1人~ |
1~2歳児 | 子ども6人に対して保育士おおむね1人~ |
3歳児 | 子ども20人に対して保育士おおむね1人~ |
4~5歳児 | 子ども30人に対して保育士おおむね1人~ |
上記を見学の際に、いちいち数えるのは難しいかもしれませんが「自分が実際に働いた場合」を考えながら、働きやすいかどうか、保育中子どもの安全は守れる体制が整っているかどうかを判断することが大事です。
ホワイト保育園の探し方:サービス残業の有無について
サービス残業の有無や「持ち帰りの仕事があるかどうか」については、残念ながら求人票を見ただけでは分かりません。
現在、保育士不足で困っている保育園が多いので、面接時、サービス残業に関して強気に質問した場合も「受かる」可能性は充分にありますが、なかなか聞きづらいですよね。
面接官(園長は主任)との相性や聞き方によっては、正直に話してくれるかもしれません。
たとえば、ハローワークの場合。
対応は人によって異なりますが(当たり外れがある)、窓口の人が保育園の直接電話して聞いてくれる事もあるそうです。
他にも、転職サイトの場合に関しても、アドバイザーやコンサルタントの人に聞いてもらうということが可能。
また、転職サイトの場合は転職者がサービス残業の有無を気にすることが多いため、サービス残業の有無に関して事前に情報を集めている場合もあります。(転職サイトによって直接保育園に問い合わせたり、働いている保育士に調査をする)
ホワイト保育園の探し方:保育園自体の口コミを見てみる
保育園のように働く人が少ない場合だと、実際に働いている人の口コミというのは中々でてきません。
しかし、そこに子供を預けている人が書くその保育園自体の口コミというのは割と見ることが可能です。
ですから、気になる保育園があればその口コミを見てみるようにしましょう。
やはり評判が悪い保育園というのは労働環境も悪い場合が多いですし、逆に評判が良い保育園というのは労働環境も良い場合が多いです。
まあ当たり前ですよね。労働環境が良ければ雰囲気も良くなりますし、そこで働く保育士のモチベーションも高くなるわけですから。
また保育園の口コミは、どういったイベントがあるか、どんな雰囲気なのか、どういった方針をとっているのかなど、色々と役に立つ情報が揃っています。
ブラック保育園は嫌。ホワイト保育園に就職しよう
筆者の保育士友達は、よく以下のようなことを言います。
「保育士なのに、給料〇〇万円って高望みだよね」「保育士なんだからサービス残業無いとか無理か」等。(筆者も保育士の頃は同じことを言っていた)
しかし、実際は給料の待遇も良く、サービス残業がない、更には有給も使いやすい・・・そんな好条件で働く保育士は沢山います。
最初から諦めていたら、求人の探す際に、妥協してしまうかもしれません。
好条件の求人があるのに、妥協してしまうと勿体ないですよね。
長く働くことを考えている場合は、特に、ホワイト保育園を探すことをおすすめします。
求人を探すのが面倒、大変と感じている人は、ハローワークや転職サイトなどのツールを利用しながら、根気強く探していきましょう。
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