保育園事務の仕事とは?給料や仕事内容、必要な資格・スキルについてまとめて紹介

保育士の転職先

保育園の中には、事務員を雇っている保育園があります。

保育事務を設けていない保育園も多いので「保育事務ってあまり身近に感じない」という人もいるでしょう。

本記事では、保育園の中で事務員として働く仕事「保育事務」について詳しく紹介します。

保育園事務とは

「保育事務」という名前を聞くと「保育園関係の事務」と想像することが出来ますね。

具体的には、どのような仕事をしているのでしょうか。

保育園事務員の役割

保育園事務とは、名前の通り、保育園内で保育園に関わる事務、たとえば保育料管理(延長保育利用者等)、教材等の物品管理、保育士の給料計算等をする仕事です。

ちなみに保育園によっては専任で保育事務の人を雇っていないという場合も少なくありません。

その場合、上記の仕事内容は主任保育士や、他の一般保育士が分担してこなしていることが多いです。

保育園事務の仕事内容

以下、保育園事務の仕事内容は大きく分けて4つ。

  1. 経理関係
  2. 労務関係
  3. 事務全般
  4. その他(園内清掃等)

上記を更に、具体的に説明すると以下の通りです。

保育事務の仕事内容

  • 保育士の給料計算
  • 教材等も物品管理・発注
  • 電話対応
  • 外部の業者対応
  • 資料作成
  • 保育園事務の給料
  • シフト作成(勤怠管理)
  • 保護者対応(見学者の案内)
  • ホームページ更新

上記の仕事を全てこなす訳ではありません。(上記の仕事以外の事をする場合もある)

保育園によって保育事務の仕事や役割は異なります。

中にはわりとややこしいこともあり、他業種での事務経験者でも覚えるまでは割と苦労するでしょう。

また保育士資格を持つ事務員なら「どうしても保育士が足りない」という時に、クラスに入って保育する事もあるでしょう。また保育士資格がなかったとしても、「保育補助」という形でサポートに入るケースも少なくありません。

保育士事務のやりがいとは

保育事務のやりがいとは、上記でも触れた通り、時には保育園の運営に近い仕事をこなすこともあります。

大変な部分ではありますが、保育事務員がいる事によって園長や主任、働く保育士達はかなり助かり、頼りにもされるでしょう。

他にも、保育事務員は保育園の窓口を担当する事があり、保育園の顔となって、外部の人との関わる為、そういった面で自分の仕事へのやりがいを感じる事が出来るといった点にやりがいや楽しさを感じることができるかもしれません。もちろんそれが苦労にもなりますが。

そして何より、子供たちと触れ合えるというのが他業種との大きな違い。

事務として直接保育するわけではなくても、子供たちとは多少なりとも関わる機会があります。

私が以前働いていた保育園でも、事務員さんは子供たちから人気でなつかれていました。

子供が好き、子供に関わった仕事をしたいという人にとっては、他業種でおじさんばかりに囲まれて事務をするより仕事が楽しいと思える機会は多いはずです。

保育士事務で苦労すること、大変なことは?

やりがいもそれなりにはある一方で、苦労することや大変なこともゼロではありません。

保育士との人間関係に苦労することも

保育士同士でも人間関係に苦労することはよくあること。いじめがあったり、嫌がらせがあったりで、それが理由で辞めてしまう人も少なくありません。

そんな中で同じ職場で働くわけですから、当然同様に人間関係に苦労することになります。

むしろ、事務員は楽だと思われたり、サービス残業などがあると残業代計算している事務員のせいだなんて勘違いをされて、標的になってしまいやすいかもしれません。

そうならない為にも、日ごろから密にコミュニケーションをとっていくことが必要です。

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職場に同じ仕事をしている人がいない

基本的に保育園に事務員は一人しかいません。もしあなたが事務員として採用されたら、その保育園に事務の仕事をしているのはあなただけです。

その為、仕事でわからないことがあっても相談できる人がいなかったり(園長や主任でもわからない場合もある)、悩みを相談できる相手もいないのです。

仕事での苦労はもちろんですが、どこか疎外感や孤独感を感じてしまうかもしれません。

仕事がつまらなかったり、忙しすぎたり

保育園の事務に限らず事務全般に言えることですが、書類仕事や雑用ばかりで仕事がつまらないと感じる人も少なくありません。

また、保育園によっては担当する仕事が多くて常に忙しく、残業も多いという場合があります。

誰かと分担したり、協力したりしたいところですが、事務員は一人。保育士の人に手伝ってもらうなんてことはできず一人で仕事を抱えて悩んでしまうことになるかもしれません。

保育事務に関するQ&A

以下、保育事務の関するQ&Aを紹介します。

保育事務は無資格でも働ける?

保育事務の仕事をする際に、保育士資格は必要ありません。

保育事務は上記でも触れた通り「保育士」として雇わるのではなく「事務員」として雇われます。

ただし保育園によっては、いざという時のサポートの為に保育士資格が必要であったり、保育士資格があったほうが採用される可能性が高くなるケースがあります。

また保育士資格がなくても、保育補助の経験がある、子育ての経験があるといった人の方が採用されやすい傾向にあります。

保育事務で働く場合に必要なスキルは?

資格のいらない事務職ですが、もちろん最低限のスキルは必要です。

パソコンスキル(Word、エクセル)

パソコン作業が多い為、パソコンの基本的な操作は勿論、WordやExcel等を使いこなせる程度のスキルは必要です。

ちなみに、保育業界では長いこと「記録もの(おたより、個人記録等)は手書きが良い」とされていたので、現在も保育園によってはパソコンを導入している所とそうでない所があります。(園長や事務員のみパソコン使用可、等)

その為、保育園で働く人は、パソコンが苦手な人が多いです。(日常的にあまり使わない為)

たとえばパソコンの操作で困った時に誰に聞いても分からない状況になる可能性もあるので、パソコンスキルは必須ですね。

コミュニケーション力

事務員は園長や主任保育士のみならず、一般の保育士や栄養士、バスの運転手など多くの人と関わっていかなければなりません。

もしコミュニケーションがとれていないと、それだけで仕事がうまくいかなったり、遅くなったり、ミスしてしまうことが増えてしまいます。

最低限のビジネスマナー

事務員は電話応対や来客対応、保護者対応など、保育園の顔となり外部と関わっていく機会も多数あります。ですから当然社会人として適切に振舞うことができなければいけません。

ですから言葉遣い、態度などの基本的なビジネスマナーは必要となります。

保育事務の服装は?

保育事務の服装は基本的に、保育士と同じ感じの服装を着る場合が多いです。

たとえば、「スウェットにチノパン(レギンス)」等。

事務員とはいえ、子どもと関わる事もありますから、子どもと触れ合える服装を意識し、なおかつラフすぎない服装が良いですね。

スカートを履いたり、アクセサリーを付けてオシャレにしている人は職場で浮いてしまう、またはそういった華美な服装禁止としている施設が多いでしょう。

保育事務の給料について

「保育事務、いいかも!」と気になっている人もいるでしょう。

保育事務として働く上で、給料も大切ですよね。

以下、保育事務の給料を紹介します。

保育園事務と保育士の月収比較

パートやアルバイトとして働く場合は、時給制。

東京都内の保育園事務の給料を見てみると、時給「985円~」「1,013円~」程。

高いところでは「1,300円~」となっている保育園もあります。

正社員として働く場合は、月収「185,000円~」「200,000円~」程です。

厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査を参考にすると、保育士の平均月収は23万9,300円なので、事務員の方が若干少ないですね。

保育園事務と保育士の年収比較

上記の東京都内の保育事務の正社員月収を参考にした図が以下の通りです。(百円単位四捨五入)

月収 ボーナス 年収
保育事務 200,000円 600,000円 300万円
保育士 239,000円 708,000円 357,6千円
金額差 39.000円 10,8000円 576,000円

上記で触れた通り、保育士の方が月収・年収はやや高めです。

たとえば、保育士から保育事務に転職した場合「給料が下がった」ということは十分にあり得るでしょう。

他にも、保育園事務に関わらず「事務」の仕事は、非常に人気がある為、倍率も高いです。

しかし、一般的に事務は倍率が高いわりに給料が低いので、給料面で期待は出来ないかもしれません。

保育園事務のメリット・デメリット

以下、保育士事務として働くメリット・デメリットについて紹介します。

保育事務員のメリット

保育事務として働く上でのメリットが、以下の通りです。

  • 子どもと適度な距離で関わる事が出来る
  • パソコンのスキルを活かせる

保育事務は、保育士ではないので、基本的には保育に入ることはありません。

とはいえ、同じ施設内に子どもがいるので、子どもとの関わりはあります。

「子どもは好きだから関わりたいけど、保育士として働きたい訳ではない」「事務の仕事がしたいけど、子どもと関わる仕事もいいな」と思っている人にはぴったりな仕事ではなでしょうか。

事務をしながら、子どもと関わる事が出来る事務は「保育事務」だけです。

保育事務員のデメリット

保育事務として働く上でのデメリットが、以下の通りです。

  • 保育園事務の求人は少ない
  • 保育園によっては事務員の負担が大きい(仕事量が多い)

保育事務の仕事を探しても、保育事務の求人は少ないです。

たとえば東京都以外で探す場合、求人が一つもないこともあるでしょう。

他にも、保育施設に保育事務員は1~2人。

大体1人の事が多いですが、経理や事務全般の仕事を全て1人でこなさなければいけないので、仕事の負担が大きいと感じてしまう可能性が高いです。

保育園は、季節ごとに行事も沢山あるので、それに応じて仕事量も増えます。

その為、一般的な会社の事務員より忙しいということもあるでしょう。

保育園事務の仕事は子どもに関わる仕事をしたい人におすすめ

保育事務は、「保育士の仕事は体力的にも、精神的にも自分には無理だけど、出来るだけ子どもに近い仕事がしたい」と思っている人にとっては最適な仕事です。

地域によって保育事務の求人は少ないですが、アルバイト・パート・正社員という働き方から選べます。

他にも、保育士から保育事務になった場合は給料面で不満を感じてしまうかもしれません。

しかし、事務員という仕事をしながら子どもとの関わりが出来るのは「保育事務」の仕事だけですから、興味がある人は求人を探してみてくださいね。

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