児童館で働く保育士の仕事内容、給料や勤務形態、利用する子どもについて

保育士の転職先

主に、小学生が放課後遊ぶ場所として知られている、児童館。

たとえば「乳幼児ではなくて、もう少し上の年齢の子達と関わってみたい」と思っている保育士の中には、児童館で転職先に考えいている人もいるかもしれませんね。

本記事では、児童館施設について、また児童館で働く保育士について詳しく紹介していきます。

児童館とは

厚生労働省「児童館について」によると、児童館の概要は以下の通りです。

児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設の1つで、地域において児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする児童福祉施設

【引用:厚生労働省】

他にも、東京都調布市の公式サイト「全国の児童館の状況」を参考にすると、児童館の事業内容は以下の通りです。

遊びを通じての集団的・個別的指導、健康の増進、放課後児童の育成・指導、母親クラブ等の地域組織活動の育成・助長、年長児童の育成・指導、子育て家庭への相談等

【引用:東京都調布市公式サイト】

児童館の目的は、児童の健全な遊びの確保、健康増進、情操※を高める事。

※情操とは・・・感情や情緒。道徳的・芸術的社会的価地をもった感情。

児童館は、平成23年3月雇用均等児童家庭局長が通知した「児童館のガイドライン」「児童館実施事例集(平成25年3月)」に沿って運営しています。

児童館の機能や役割

東京都調布市「全国の児童館の状況」を参考にすると、児童館の機能や役割は以下の5つです。

児童館の機能や役割

  1. 子どもの発達の増進
  2. 日常の生活の支援
  3. 問題の発生予防・早期発見と対応
  4. 子育て家庭への支援
  5. 地域組織活動の育成

児童館は、子どもの為だけではなく、母親にも大きな役割を果たします。

親同士の関わりの場や育児について相談する場として、子育て家庭への支援をするのも児童館の役割の1つです。

他にも、子どもの家庭環境に問題があると感じた場合(虐待やネグレクト等)に、早期発見し、専門機関と連携し適切に対応していく役割も果たします。

児童館は、全国にどれくらいあるの?

児童館の実施主体は、各都道府県、指定都市、市町村、社会福祉法人等です。

先ほどの東京都調布市「全国の児童館の状況」を参考にすると、平成26年10月時点で児童館は、全国に4,598か所あります。

運営主体が公営と民営があり、公営の児童館は2,794か所、民営の児童館は1,804か所です。

他にも厚生労働省のサイトを参考にすると、児童館は平成23年10月時点で全国に4,318か所となっているので、年々、児童館は増えている事がわかります。

施設別の場合、以下の表の通りです。(※平成23年10月時点)

施設名
小型児童館 2,568か所
児童センター 1,625か所
大型児童館 23か所
その他の児童館 102か所

【引用:厚生労働省】

上記の表から、児童館の中でも型児童館が多い事がわかります。

他にも、各都道府県や各市区町村の児童館の設置している割合について、気になりますよね。

平成27年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「児童館における子育て支援等実施状況に関する調査研究報告書」を参考にすると、「児童館がある」と答えた市区町村の割合は62%です。(全国アンケート調査740件/1,714件)

その中でも、人口の多い市区町村(都道府県)ほど児童館の設置率が高い結果となっています。※

※石川県・香川県(100%)、大分県(93.3%)、東京都(91.8%)

児童館で働く保育士の資格有無

児童館で働く職員の事を、児童厚生員と呼びます。

児童厚生員になるために、資格は必要ありません。

しかし、平成27年から「放課後児童指導員」の資格は新設されてから、施設内に最低2名は有資格者を配置する事が決められています。

そのため求人を応募する際、保育士資格や幼稚園教諭の免許を持っている場合は、歓迎される事が多いです。

児童厚生員になるためには、資格の有無にかかわらず一定の研修を受講する必要があります。

資格に関係なく「児童厚生員」と呼ばれる事が多いしょう。

児童館について、一目でわかる表

上記で説明した児童館についてまとめた表が、以下の通りです。

学童保育施設(児童館)
設置状況(全国)※平成26年10月時点 公営2,794か所

民営1,804か所

合計4,598か所

設置・運営主体 都道府県、指定都市、市町村、社会福祉法人等
運営 児童館ガイドライン・児童館実施事例集
設備 集会室、遊戯室、図書室、トイレ
機能や役割
  1. 子どもの発達の増進
  2. 日常の生活の支援
  3. 問題の発生予防・早期発見と対応
  4. 子育て家庭への支援
  5. 地域組織活動の育成
職員 児童厚生員(児童の遊びを指導する者)
職員の資格有無 資格はなくても働けるが、有資格者が優遇される
利用者 0~18歳未満の子ども、保護者、ボランティア

近年、保護者がいない状況で遊ぶ子ども達の悲惨な事故や事件も多く、小学生や中学生は気軽に公園等で遊ぶ事が出来なくなっています。

たとえば、共働きの家庭で暮らす小学生の子どもが放課後、一人で自宅で留守番をしたり、子ども達だけで公園で遊んでいると考えると、少し心配ですよね。

児童館が「大人の目がある、子どもが遊べる、友達と関われる」場所を提供する事で、親も子どもも安心して過ごす事ができるのです。(日常の生活の支援)

児童館を利用する子ども達について

児童館の利用者は主に、0~18歳の子ども、保護者です。(0~6歳の子どもには保護者が同伴)

児童館が開館している時間帯であれば、子ども達は好きなときに、児童館へ遊びに行く事ができます。※

※公営の場合は無料、行事参加の場合、教材費等がかかる場合もある

子ども達は同じ施設内で遊ぶ異年齢の子どもから、遊びのルールや年齢の違う子との関わり方等、沢山の事を学びます。

児童館を利用する子どもへのアンケート調査

先ほどの調布市のサイトの引用が、以下の通りです

遊ぶ事が楽しくなった 週に数回利用

64.8%

年に数回利用

62.1%

友達の良い所を見つける事が出来た ほぼ毎日利用

10.0%

年に数回利用

7.5%

他の行事等に積極的に参加するようになった ほぼ毎日利用

45.2%

年に数回利用

34.8%

ルールを守って遊べるようになった ほぼ毎日利用

30.5%

年に数回利用

27.9%

困っている友達を助けてあげたり、

困っている時に友達が助けてくれるようになった

ほぼ毎日利用

15.9%

年に数回利用

12.0%

【引用】平成27年度厚生労働省社会保障審議会児童部会・遊びのプログラム等に関する専門委員会 「地域の児童館で行われている活動プログラムの実践状況調査結果」

児童館を利用する事で子ども達に「遊ぶ事が楽しくなった」「行事等に積極的に参加するようになった」等、良い影響があるのですね。

そして上記のアンケート調査結果を見ると分かる通り、児童館を利用する頻度が高い子ども程、上記の影響が高い事が分かります。

児童館を利用する子どもの年齢実態状況

児童館と言えば、小学生が行く場所と認知している人も多いでしょう。

たとえば、中学生や高校生は児童館が利用しづらそうですが、実際中学生や高校生はどれくらい、児童館を使用しているのでしょうか。

平成29年東京都福祉保健局少子社会対策部「東京都の児童館・学童クラブの事業実態状況」を参考にすると、1館当たり1日平均利用人数は以下の通りです。

1館当たり1日平均利用人数
幼児 小学生 中学生 高校生 その他 合計
区部 25人 57人 5人 2人 28人 117人
市町村 16人 59人 7人 1人 17人 106人

イメージ通り、児童館を利用しているのは小学生が多いですね。

中学生や高校生は少数しかいません。

そのため、児童館によっては、もっと中学生や高校生も児童館を利用しやすいように、「小学生は〇時まで」と小学生の帰宅時間を設け、17時や18時以降は中高生がスポーツをして遊べるように施設を開放するなど、児童館側が配慮しています。(大型児童館の場合は、体育館がある)

他にも、0~6歳の子どもをもつ保護者も、子どもと遊び場を求めて利用する事もありますが、利用人数は他に比べて少ないです。

乳幼児の場合は、あえて児童館を利用することもなく、違う商業施設や遊び場で過ごすのでしょう。

児童館を利用する子ども達は、何して過ごしている?

児童館の設備は、集会室、遊戯室、図書室、トイレ。(中には体育館が施設内にある児童館もある)

施設内で子ども達は、遊戯室で身体を動かして遊んだり、カードゲーム等、他の子ども達と関わりながら遊ぶ事ができます。

兄弟のいない子どもにとっては、児童館が「異年齢の友達とか関わる場」となり、児童館に通う事で学年が違う友達が出来たり、違うき学校の友達と出会う機会になりますね。

しかし、学年に違う子ども同士のトラブルも珍しくはありません。

たとえば、学年の違う子達が遊んだ場合、体の大きさや力に差があるため怪我やトラブルも珍しくはないのです。

その為、児童厚生員は子ども達の安全を、十分に配慮する必要があります。

児童館で働く保育士の仕事の特徴

先ほど紹介した通り、児童館で働く職員また保育士は、児童厚生員と呼びます。

児童館を利用する子ども達は、大人が相手をしなくても自分から友達を見つけて、楽しく遊ぶ事が出来る歳の子達です。

そのため、児童厚生員は子ども達と一緒に遊ぶ事が仕事のメインではなく、施設内で遊ぶ子ども達が安全に遊んでいるかどうか見守り、遊びについて指導をします。(一緒に遊ぶ事もあります)

たとえば、子ども達が遊戯室を使って遊ぶ時、何か危険な事やルール違反をした場合、児童厚生員が注意しなければいけません。

他にも、放課後児童館を利用する子ども達は宿題を持ってくるので、小学生や中学生の宿題をサポートするのも児童厚生員の仕事です。

児童館で働くための条件

先ほど触れた通り、児童館で働く場合に特に資格がなくても、働く事はできますが、児童厚生員の応募要項には条件があります。

一般社団法人児童健全育成推進財団のサイトを参考にすると、児童厚生員になるための具体的な条件は以下の通りです。

児童厚生員として働くための条件

  1. 保育士資格・社会福祉士の有資格者
  2. 高卒で2年以上児童福祉の仕事をした者
  3. 教育職員免許法(昭和24年法律第147号)第4条に規定する免許状を有する者※
  4. 大学で心理・教育・社会・芸術・体育の学科を卒業したもので、その施設の設置者(都道府県知事、もしくは市町村長)が認めた者
※幼稚園・小学校・中学校・高等学校等の免許状

上記に該当しない人は、児童館で働く事が出来ません。

そのため保育士資格や幼稚園教諭の免許状を持っている保育士は、求人応募の際に優遇されるのです。

児童館で働く事に興味がある保育士は、既に条件を満たしている為(保育士資格保有者)、児童指導員への転職を視野に入れても良いですね。

児童館で働く保育士の勤務時間や休みはどんな感じ?

児童厚生員(保育士)の勤務体制は、固定制(シフト固定制)が多いです。

雇用形態によって、勤務時間帯を分けている場合もあります。

次に、児童厚生員(保育士)の勤務時間です。

求人を見たところ、「土日祝日も営業」「朝の8時~20時まで開館」している施設の場合、「週休2日制」で週5出勤等。

その場合の勤務時間は、7時~21時までの間の8時間勤務。(社員・非正規社員の場合)

施設によっては、3交代等のシフトが組まれている場合もあるかもしれません。

土日祝日関係なく児童館が営業している場合は、児童厚生員(保育士)の休みも変則的である可能性が高いでしょう。

他にも、子どもが学校の終わる時間帯に合わせて「月曜~金曜13:00~18:00開館」「土日祝日休み」としている児童館もあります。

その場合11時出勤~19時退勤等の固定制です。

年間休日数については、たとえば求人「週休2日制」「祝日休み」と求人票に記載がある場合、年間休日数が120日程度になります。

お盆休みや年末年始の休みを含めると125日以上だとすると、大手並みに休みが多いです。

児童館で働く保育士の給料や年収はどれくらい?

児童厚生員でも、施設によって給料に差があります。

先ほど紹介した通り、「子どもの放課後の時間帯に開館している」児童館も多い為、雇用形態もアルバイトやパート等の非正規雇用で働く人も多いです。

そのため、時給1,000円~1,650円のところが多いですね。

求人を見たところ、東京都で「月収18万5千円~」と記載している所が多いので、児童厚生員(保育士)と、保育園で働く保育士の給料はあまり変わりありません。

児童館で働く保育士の1日の流れ

児童館では、1日のスケジュールが決められている所もあります。

児童館で働く児童厚生員(保育士)の1日の流れは以下の通りです。

児童館で働く保育士の1日の流れ
10:00~12:00 出勤
12:00 環境整備、子ども水分補給用のお茶準備
13:00以降 子ども達が来館
13:00~15:00 自由時間及び宿題学習
15:00 子ども達のおやつ準備、片付け※既製品等
15:30以降 自由時間(近場の公園に行く事もある)
17:00 子ども帰宅(保護者が迎えに来る又は職員が自宅まで送る)
18:00 清掃、記録等
19:00 退勤

全ての児童館が上記のような流れではありません。

外部からのゲストを呼んで開催するイベントが無い限り、年間通して1日の流れは変わらないでしょう。

児童館で保育士が働くメリット・デメリット

「児童館の職員として働いてみたい」と考えいている保育士もいるかもしれませんね。

まずは、児童館で保育士が働くメリットとデメリットを確認して自分に合っているかどうか確認してみましょう。

児童館で保育士が働くメリット

児童館で保育士が働くメリットです。

  • 保育士資格や幼稚園教諭の免許を活かせる(優遇される)
  • 主に小学生の相手なので、会話や遊びの展開も多くて楽しい
  • クラスなどがない為、様々な子どもと関わる事が出来る
  • 持ち帰りの仕事が殆ど無い

児童館では、保育園のようにクラスがある訳ではないので、毎月子ども達の制作に追われたり、壁面制作に追われる事はないでしょう。

そのため、持ち帰りの仕事殆ど無いです。

他にも、児童館に来る子どもは小学生が多いので、小学生との会話や遊びなどが楽しく感じられる事もあります。

児童館で働く児童指導員(保育士)は「先生」ではなく「職員」なので、子ども達にとっても「児童館の〇〇さん」となり、「身近な大人」に感じてもらえるでしょう。

児童館で保育士が働くデメリット

児童館で保育士が働くデメリットは、以下の通りです。

  • 施設によってはアルバイトやパートの雇用しかない可能性もある
  • 子どもの活動量が多い為、体力的にしんどい
  • 子どもとの関係性は保育園で子どもと関わる程に密ではない(年齢的、支援に仕方の違い)
  • 保育士と給料はあまり変わらない事が多い

保育士が、児童厚生員への転職を考えた時に「保育士よりも労働環境や給料が良い」訳ではないので、立地などの問題で適していないと感じる事があるかもしれません。(労働条件や給料があまり変わらないのに、転職・引っ越ししてまで転職する?等)

児童館で働く保育士と保育士の違い

上記でも説明してきた通り、学童保育施設と保育園は全く違います。

まずは、違いをまとめると以下の通りです。

保育士 学童保育士
子どもの年齢 0~未就学児 0~18歳の子ども
子どもとの関わり方 子どもの身の回りの世話、一緒に遊ぶ 子どもの遊びを見守り、指導する
勤務 シフト制 固定制が多い

子どもとの関係性は自分の関わり次第ですが、保育士が関わる子どもの年齢よりも上の子ども達なので、支援の仕方も当然変わります。

たとえば保育園では、保育士が子どもの食事や着替え、排泄など、より親的な役割を果たしますが、児童館では「一緒に遊ぶ」「指導する」のが仕事なので「子どものお世話がしたい」と思っている保育士には向かないかもしれません。

保育園で子ども達が「先生!」と求めてくる程の関係性になる事は難しい事でしょう。

児童館の他にも、子どもと関わる仕事はあります。

気になる記事があれば、以下の参考リンク先の記事を読んでみてくださいね。

【参考】乳児院で働く保育士の仕事は?一般的な保育園と違う点を紹介。

【参考】保育士が託児所で働く場合の仕事内容や給料、休み、勤務時間など労働条件面の特徴

【参考】保育士とベビーシッターの違い。給料や業務内容、働くメリットは?

保育士資格を活かして児童館で働こう

児童館で働く条件として「保育士資格が必須」という訳ではありません。

しかし、資格を持っていると優遇される事があるため、保育士資格が活かされます。

そして、乳幼児の場合は手がかかる事も多いので、保育士として働いていると「小学生と関わってみたい」と思う人もいるでしょう。

当然、小学生は乳幼児よりも成長段階が上なので、相談を聞いたり、関わりが深まる中で仕事へのやりがいを感じられます。

「子どもにとって母親のような役割ではなく、子どもと関わる仕事に就きたい」と思っている人にとっては、児童厚生員の仕事の方が子どもとの関わり方が丁度良いと感じられるかもしれませんね。

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