転職を決めても、何から手を出して良いかわからないとつまずいている人もいるでしょう。
転職を成功させるためには、闇雲に転職活動するのではなく、流れや心構えをしっかり知っておくことが重要です。
以下、「今の保育園は自分に合わない、でも保育士は続けたいから転職してみようかな」と悩んでいる保育士がスムーズに転職ができるように、転職の流れや準備について紹介します。
保育士が転職前に知っておきたい転職の流れ
保育士が他の保育園へと転職するまでの流れは以下の通りです。
- 転職の条件を決める
- 転職サイトを利用して転職先を探し始める
- (退職する意向を園長に伝える)
- 気になる保育園があれば積極的に見学に行く
- 書類選考に応募し、面接を受ける
- 採用の合否が確定したら園長に伝える
- 現在の仕事をやり終え、退職する
- 転職先に勤める
転職する上での条件決め、優先順位の決定
転職する上での条件とは「こんな保育園に勤めたい」という希望です。
たとえば「年間休日120日以上」「月収〇万円以上」「家賃補助はあった方がよい」「勤務地は○○がいい」など、自分が転職先も求める条件を決めましょう。
ただし、あまりにも希望が多すぎると、転職先も限られてしまうので、自分はどういった項目を最も重視するのか、どれなら多少妥協してもよいのかというなどあらかじめ優先順位を決めておきましょう。
ここで決めた条件が、今後の転職先選びの軸となり、転職における目標にもなります。
転職サイトを利用して転職先を選ぶ
転職活動って孤独だけど、サポートしていくれる機関があれば心強いよね。
転職先を探す手段には、保育士向け転職サイトやハローワーク、保育園のHPなどがあります。
ただその中でおすすめするのは、保育士向け転職サイト。質の良い求人が揃っているとともにたくさんの中から自分に合った保育園を探せる点に加え、転職全般のサポートを行ってくれるからです。
転職サイトに登録すると、電話やメールなどで担当者から連絡があります。その担当者に自分の希望条件を伝えると、希望に合わせた保育園の求人を複数、用意してくれるので、気に入ったものがあれば見学に行くと良いでしょう。
またスマホで転職サイト内の求人をいつでも見ることができるので、時間がある時に自分でも気になる保育園を探すことができます。
※転職先が決まる前に園長に退職する意向を伝えるかの是非
注意点として、「現在勤めている保育園の園長に退職意向を伝える」タイミングは、最初である必要はありません。
先に退職以降を伝えると、「やっぱり転職はやめた」というときに後戻りできなくなるリスクがあります。
「転職したい気持ちもあるけど、まだわかない」という場合は、とりあえず転職先を探して気になる保育園があったら見学に行き、転職先を決めて「絶対に辞める」と決断した時に園長に伝えましょう。
気になる保育園があれば積極的に見学に行く
保育園見学は保育園の雰囲気を知る上で重要です。
職場の雰囲気、人間関係、労働環境などは求人票だけでは中々わかりませんからね。
実際に働く環境や一緒に働く人の雰囲気を見る機会ですから、積極的に見学に行くことをおすすめします。
応募前に直接連絡して見学の依頼をすることもできますが、保育士向け転職サイトの担当者を通じてアポをとることも可能です。
書類選考への応募、そして面接
保育園を見学して「ここなら働いてみたい」と思ったら、まずやらなければいけないのが履歴書や職務経歴書を作成して応募することです。
それによって選考が始まります。
一つの保育園に対する倍率は少ないところだと1倍をきるところもありますが、人気があるところだと10倍以上になることもあり、書類選考だけの通過率は3~5割程度です。
ですから、応募する際には一つの保育園のみに絞るのではなく、いくつかを同時に応募し同時並行で進めていくことが転職活動期間を短くするコツとなります。
書類選考に通過するといよいよ面接です。
書類選考に通過した時点で、すでに合格する可能性はぐっとあがっています。あとは面接次第。
どんな質問が来ても答えることができるように、しっかり準備して臨まなければなりません。
ちなみに面接の日にちは、希望日を転職サイトの担当者に伝えるだけで、転職サイトが保育園と連絡をして都合を調整してくれます。
合否決定後に上司に退職する旨を伝える
合格決定後、上司に退職の旨を伝えます。
退職を告げるというのは、気まずかったり何を言われるか怖かったりでつい先延ばししたくなりがちですが、相手にとっては早ければ早い方が助かるので、転職が決まったらすぐに言うように心がけてください。
すでに転職活動を進め、しかも他の保育園から内定がでていることがわかれば、余計に引き止められることはないでしょう。
ただしトラブルにならないためにも、誠実な態度で退職する日にちなどを詳しく話し合うことが大切です。
現在の仕事をやり終え、退職する
自分の仕事は全てやり終えてから、退職します。
一般的にも「転職者は自分の仕事を残さない」ことが常識とされています。
仕事を中途半端にしてしまうと、残された人の負担になってしまうからです。
そしてあなた自身も自分が仕事を辞めたことによって、誰かに迷惑をかけてしまうと気持ちよく転職できません。
そして退職するまでバタバタですから、この時に体調を崩さないように、しっかり身体を休める意識もしてくださいね。
転職先で働き始める
転職先で働き始めます。
転職サイトを利用した場合は、転職後も「どうですか」と話を聞いてくれることがあるでしょう。
転職先で働き始める頃には、転職して良かったと思いたいですね。
また転職する時に気をつけておいた方が良いことを以下の参考リンクの記事で詳しく紹介しています。
【参考】保育士の転職に関する不安・疑問を解決!保育士転職の注意点をあらかじめ確認しておこう。
他にも退職時に気になる「退職金の相場」について、以下の参考リンクを読んでみてくださいね。
保育士の一般的な転職活動期間及びスケジュール
新卒の場合は1年間で就職を決めることが多いですが、社会人の場合は少し事なります。
一般的に求人を出す保育園は、すぐに働ける人を求めていることが多いです。
そのため1年間の転職活動となると、保育業界の場合は少し長いかもしれません。
平均的には転職活動開始から入社まで3か月で決まります。
たとえば「4月から新しい職場に勤めたい」と思った場合は、大体1月に転職活動を始めると丁度良いでしょう。
転職活動を始めてから、転職先に勤めるまでのスケジュールは大体以下の通りです。
【転職活動期間3か月の場合】
【転職活動期間6か月の場合】
上記の図の事前準備とは「転職するための理由や目的を明確にする」等です。
転職活動をする際には転職したい先の保育園の「応募期間終了期日」も必ずチェックしてくださいね。
他にも「働きはじめは〇月希望」関する記載等も載っているので確認した方が良いですね。
保育士が転職する時の心構え
仕事は自分の人生や生活を左右します。
転職中の指針になるので、保育士の転職する時の心構えを意識しましょう。
- 年度途中、年度末で辞める場合も仕事には責任を持つ
- なぜ転職するのか理由を明確にしておく
- 面倒くさがらずに自分の希望に合う転職先を見つける
- 転職することがゴールではない、実は入社後が一番大切
「転職する時の心構え」と言うと大袈裟かもしれませんが、転職は人生の中でも大きな転機となります。
せっかく仕事を新しく決めるのですから、しっかり心の準備をして、気持ちよく転職したいですよね。
以下、それぞれの項目について詳しく紹介していきます。
年度途中、年度末で辞める場合も仕事には責任を持つ
転職活動は大変ですが「自分は転職活動もしながら、自分の仕事を全部終わらせた」ということが、自信にもなります。
他にも勤めていた園と転職先の保育園同士の交流がある場合、意外なところで保育士が繋がっていることもあるので「自分の仕事を沢山残して辞めた無責任な人」と噂を広められては困りますよね。
自分の仕事をしっかり終わらせてから、心機一転、新しい仕事を始めましょう。
なぜ転職するのか理由・目的を明確にしておく
「どうして自分は転職をしたいんだろう」と考え、仕事を辞めたい理由を明確にしましょう。
その内容が「これから探す転職先に求める条件」にも繋がります。
たとえば、他の保育士の転職理由としては以下の点がきっかけになっている人が多いです。
- 給料が安い
- 職場の人間関係
- 仕事量が多い
- 労働時間が長い
たとえば「次に勤める時は月収〇万円以上」「残業があるのは良いけど、サービス残業は嫌」など細かい理由があると探す時も絞りやすいでしょう。
そして新しい職場でも必ず聞かれるのが、転職した理由です。
注意点は、上記の保育士が転職した理由の中に、自分が当てはまるものがあったとしても「給料が安かったので」などそのままの言葉で言うのは避けましょう。
たとえば「前の保育園はブラック保育園で・・・」という内容よりも「前の職場では〇〇はできませんでした、今回の転職を機に〇〇を意識していきたいです」など前向きで返答の方が、好感が持てます。
以下の参考リンクでは保育士の離職について詳しく紹介しています。
他にも転職する時に知っておきたい「福利厚生」のついて、「家賃補助」についても知っておくと良いでしょう。
【参考】保育園を選ぶ上で重要な福利厚生とは?あるかないかでかなりの損をしてしまうかも
【参考】保育士の家賃補助。住宅手当や寮・社宅・宿舎借り上げ制度について詳しく解説
面倒くさがらずに自分の希望に合う転職先を見つける
転職って疲れる。けど何回も転職を繰り返したくない。
ちなみに筆者も転職経験が2回あります。
転職する時は「早く決めなきゃ」という不安があったり、「もう探し疲れた」と投げ出したくなることがありますよね。
そんな時、探すことが面倒くさくなって、適当に転職先を決めるのは良くありません。
転職時に提示されている情報の中から、自分の希望に合った職場を見つけるのは苦労もありますが、手を抜かなった分、自分が納得できる職場を見つけることができます。
もう転職活動を2度としないと決めて「この時期だけは頑張る」と転職と向き合いましょう。
【参考】ブラック保育園の特徴や見分け方、残業代はしっかり出てる?有給休暇はとれる?
前に勤めていた保育園の悪口を新しい職場で言わない
世間は狭いから気をつけないとね。
前に勤めていた保育園の悪口を新しい職場で言うのは辞めましょう。
採用する保育園側に「この人を採用したら自園の悪口も言うのではないか」と思われ、自分の評価を落とすことになります。
悪口を言っても転職活動において良い作用はありません。
「自分のイメージを悪くする」行為、そして「信頼をなくす可能性がある」行為です。
転職することがゴールではない、実は入社後が一番大切
転職がゴールではありません。
入社後は保育園の施設に慣れたり、物のある場所や子ども達の名前も1から覚える、他にも保育園によって細かなルールや保育士の保育観も違います。
たとえば前の保育園で許されていたことが、転職先の保育園では禁止されていたりするので、それに慣れることも結構大変ですよね。
他にも新しい環境に体調も崩れがちなので、健康管理をしっかりして、毎日元気に出勤できるようにしましょう。
保育士が転職する時に必要な準備
転職するまでは仕事と転職活動を同時並行で進めていきます。
この時期はバタバタしまい、心にも余裕がないので、本格的に動き始める前に準備できるものは用意しておくと良いでしょう。
転職活動及び転職に向けて必要なもの
保育士が転職の際に必要なもの一覧は以下の通りです。
- スーツ・靴・鞄
- 履歴書
- 証明写真
- 年金手帳
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
4~6の書類関係は退職後に直前に勤めていた職場から受取ります。退職者に対して提出するのは義務なので、基本的には何も言わずに郵送されてきますが、いつまでたっても送られてこない場合には直接連絡して催促する必要があります。
面接では保育園によっては「私服」で面接する場合と「スーツ」で面接する場合もありますが、念のためスーツの状態を確認しておきましょう。
スーツに汚れがある場合は、一度クリーニングをして準備します。
たとえば短大や大学から就職活動する時は基本、スーツで面接に行きますが、保育園の面接は、普段の雰囲気を見るために「私服で来てください」と言われることも多いです。
私服の場合「清潔感のある格好」を心がけてください。
必要なお金の計算も必要
転職活動や転職後というのは何かとお金がかかります。
たとえば転職活動では交通費。1回分はたいしたことがなくても、いくつかの保育園を受けていると職場見学や数回の面接で積もっていき、それなりに大きな金額となってしまうケースも少なくありません。
また現在住んでいるところが保育園の社宅や寮の場合や、新しい保育園が遠く通勤が困難な倍だと、転職時には引っ越ししなければいけません。
そうなると、引っ越し代や敷金・礼金といったお金も必要となります。
さらに退職から次の保育園で働くまでの期間が空く人は、その期間の生活費も考えておかなければなりません。
ですので、自分が転職するにあたりどれくらいのお金がかかるのか、貯金はどれくらいあり、退職金はどれくらい入るのか、あらかじめしっかり確認し、お金で困らないように準備しておきましょう。
転職準備を万全にして転職成功者になろう
転職活動を始めると、余裕がなくなってしまいます。
転職活動をしていると不安になることもありますが、いつまでも不満を持って働くよりも自分に合った職場を見つけて、自分らしく働く方がずっと良いですよね。
本記事の重要ポイントのまとめが以下の通りです。
本記事の重要ポイント
- 退職するとハッキリ決断してから、園長へ退職意向を伝える
- 転職する理由について明確にしてから転職活動を始める
- 自分のために面倒くさがらず、転職先を見つける
- 転職活動と仕事を同時並行で進めていくので、事前に準備をすると良い
他にも余裕があれば、次の2点についても気を付けると良いでしょう。
- 面接対策をする
- 見出しなみやマナー
面接対策は家族や友人に面接官役をしてもらい、話し方の印象などについてアドバイスをもらうと良いですね。
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