「キッズリー」とは?保育園向けの写真・連絡帳共有アプリで口コミも中々良さげのサービス

保育士の豆知識

最近は「キッズリー」というサービスを導入している保育園、結構多いですよね。

保育士友達と話をしていて「キッズリーって何?うちの保育園では導入していないんだけど・・」という状況を経験した保育士もいるかもしれません。

本記事では、保育士に関わるサービス「キッズリー」について紹介します。

キッズリーとは

キッズリーは、2016年3月からサービスが開始。

2019年時点、全国の1000園の保育園などの施設がキッズリーのサービスを導入しています。

全国1000園ですから、それだけ「信頼がある・使いやすい」ということなのではないでしょうか。

キッズリー公式サイトでは、キッズリーのサービスについて以下のように説明しています。

キッズリーは、保育にかかわる様々な業務を支援しながら、保育園と保護者のコミュニケーションを深めるサービスです。

【引用】キッズリー公式サイト

キッズリーは保育士、そして保護者が使うサービスです。

キッズリーの具体的なサービス内容

キッズリーの公式サイトを参考にすると、サービスは以下の通りです。

キッズリーのサービス内容・・・

  • 出欠・お迎え管理
  • 連絡帳フォト
  • 個別連絡
  • 保育者ケア
  • 行政監査などに必要なレポートも簡単に作成

サービスの内容としては、キッズリーに契約した後、無料アプリをインストールすること上記のサービス機能を利用することが出来ます。

保育士は専用タブレット、保護者はキッズリーアプリで登降園時刻を管理することができます。

上記の内容を全てウェブ上で管理出来るので、保育士の負担はかなり減るでしょう。

出欠・お迎え管理

「出欠・お迎え管理」は従来、保育士が管理をしていました。

キッズリーの場合は、保護者が行います。保護者はスマホで簡単な操作をするだけです。

休む連絡の際も、スマホで簡単に休みの連絡を入れることが出来ます。

連絡帳フォト・個別連絡

「連絡帳」の役割を果たす「連絡帳フォト」。

保護者は、子どもの体温、便の回数、機嫌、睡眠時間をウェブ上で記録することが出来ます。

従来は紙の連絡帳に記入していた内容ですね。

また、ウェブ上で保育士と保護者が、連絡帳を写真付きで共有することが出来ます。

リアルタイムで自分の子どもの様子を知ることが出来る、写真を見ることが出来るというのは保護者にとっても嬉しいポイントです。

他にも「個別連絡」では、チャットのように保育士が保護者と連絡できる機能。

たとえば「〇〇くん熱を出してしまったので、お迎え来られますか」等の緊急連絡も出来ます。

仕事中になかなか電話には出られない保護者からすると、助かる機能です。

保育者ケア

保育園で働く保育士のための「保育者ケア」というサービスでは、保育士が仕事で感じている不安点や悩みをアプリ内で診断し、分析レポートとして残ります。

保育園は、働く保育士の状況を把握することも出来るのです。

保育園は、その分析レポートを参考に保育士と面談、保育士の声を聞いて職場の改善点を明確にすることで、働きやすい職場にしていくことが出来るでしょう。

そして、分析レポートによって保育士の不安点や悩みを知ることが出来るため、適切にサポートすることで離職を防ぐことが出来るかもしれません。

行政監査などに必要なレポートも簡単に作成

行政監査などに必要なレポートも簡単に作成することが出来る他、保護者への請求書(延長保育利用料)などもExcelで簡単に出力できるオプション機能もあるので、主任や保育園にとっても助かるサービスです。

キッズリーにかかる料金

契約期間は、利用開始月から24か月。(2年間)

25か月以降の解約なら、契約解除料はかかりません。

以下、料金についてキッズリーからの公式サイトからの引用です。

端末代、通信費など利用に必要なものを全て含めて、月額20,000円(税別)でご提供いたします。

【引用】キッズリー公式サイト

端末代や通信費など、利用に必要なものを全て含めて月額2万円ということは、年間24万円。

また、令和元年10月時点では初期費用のみ無料と記載があります。

保育園によって予算の関係がありますが、保育士の仕事の負担を減らし、保護者とのやり取りも効率的になるため、導入を考えてみる価値はあるのではないでしょうか。

とはいえ、保育園で働く保育士の意志では導入することは出来ないので、主任や園長に相談する必要がありますね。

また、上記の金額に含まれているサービスは以下の通りです。(キッズリー公式参考)

  • 登降園管理システムアプリケーション
  • 日次・月次レポート出力機能(エクセル形式)
  • 専用タブレット端末レンタル
  • 専用タブレット端末キッティング
  • 通信回線
  • 端末保証サービス
  • 端末遠隔制御サービス

専用タブレットの端末はレンタルなのですね。

公式サイトにもある通り、キッズリーは厚生労働省「保育所等におけるICT化推進等における補助金」に対応しているため、申請をすれば補助金が受けられます。

ICT化の補助金は東京都だけでなく、全国の認可保育園、認定こども園を対象としているので、これを機に保育園のICT化を進める検討をしても良いかもしれません。

キッズリーの運営会社概要

キッズリーサービスの運営会社「ユニファ」の会社概要は以下の通りです。

ユニファの会社概要

社名 ユニファ株式会社
公式サイト https://unifa-e.com/
代表者 土岐 泰之
設立 2013年5月
資本金 44億1,577万円(資本準備金含む)※2019年9月現在
所在地

【東京オフィス】

〒100-0011 東京都千代⽥区内幸町1-1-6 NTT⽇⽐⾕ビル8F TEL:03-6284-2666

事業内容
  • 乳幼児の安全な午睡(お昼寝)を見守る医療機器によるヘルスケアサービス「ルクミー午睡チェック」
  • 保育施設における子どもの自然な表情や成長を記録し、保護者がオンライン上で購入することができる写真/動画提供サービス「ルクミーフォト」
  • 検温・記録が数秒でできるスマート体温計サービス「ルクミー体温計」
  • 電子連絡帳や登降園管理サービス「キッズリー」
  • 保育園向け組織診断サービス「キッズリー保育者ケア」
対応エリア 全国

上記の表にあるユニファの事業内容をみると、キッズリーの他にも保育に関わるサービスをしていることが分かります。

ユニファの公式サイトにいくと、サービスの内容が詳しく紹介されていて、たとえばルクミーの体温計や午睡チェックを使った「スマート保育園」の動画を見ることができるのですが、かなり画期的で未来的な保育園像です。(既に商品を取り入れいてる保育園もあります)

動画を観ると「ICTの力を活用すると将来保育士の負担がこんなに減るんだ」「便利な医療機器がもうあるんだなぁ」と感じます。

サービスを導入する、しないに関わらず、将来の保育園を想像できる興味深い動画ですよ。

キッズルーの使い方、保護者の登録方法

保育園が導入を始めたり、働き始めた保育園でキッズリーのサービスを利用していた場合、保育士も知っておいて、保護者に説明しなければならない場面も出てくるでしょう。

キッズリーの登録方法は簡単です。

アカウント登録方法・・・

  1. 新規アカウント登録でメールアドレスを入力
  2. 4桁のPINコードがメールで届くので、アカウント登録ページで入力
  3. パスワードを登録(英数字混合9文字衣以上のパスワードを自分で考える)
  4. ログイン画面で登録したメールアドレスとパスワードを入力
  5. ログイン完了

情報登録方法・・・

  1. キッズリーのアプリ(もしくはブラウザ)にログイン
  2. クラスコード入力(保育園から配布される)
  3. 子どもの情報と保護者の情報を登録
  4. 保育園へ申請
  5. 保育園から許諾後、キッズリーが利用可能
  6. 完了

スマホユーザーなら「アプリをダウンロードする」という時点で「気軽さ」「操作のしやすさ」など、イメージできるのではないでしょうか。

アプリは全体的にシンプルで見やすく、そして可愛いらしいデザインになっています。

キッズリーを利用するメリット・デメリットや口コミについて

「うちにもキッズリーを導入して欲しい」という保育士、保護者の声も沢山あるようですが、キッズリーを導入する前に、メリット・デメリットを確認しておきましょう。

キッズリーを利用するメリット

キッズリーに利用するメリットは以下の通りです。

  • 保育士の事務仕事の負担がかなり減る
  • 出欠や連絡の伝え忘れを防止できる
  • スマホやタブレットで撮った写真を気軽の保護者に見せることができる
  • 保護者の家族にも写真を共有することが出来る

1番のメリットは、やはり「保育士の事務仕事の負担が減る」という点。

連絡帳に記入する際、1担任の場合クラスの人数分、複数担任であっても5~6人分、保護者に伝えたい出来事があるとしても、沢山字を書くので指や手が痛くなったり、記入にも時間がかかります。

事務や休憩の間、連絡帳に1番時間を取られているということも珍しくはありません。

そのため、タブレットやスマホで入力できることで指が痛くなることなく、入力の時短にもなります。

キッズリーを利用するデメリット

便利な機能が沢山あるキッズリーですが、利用するにあたってデメリットも存在します。

キッズリーを利用するデメリットは以下の通りです。

  • 2年契約の為、2年以内に解約をしてしまうと違約金を支払う必要がある
  • 導入するにあたり、数週間は操作方法や使い方などに慣れなければならない
  • 保育士がスマホからアクセスできる為、個人情報管理が難しい(流出する可能性が0ではない)
  • 手書きの連絡帳が手元に残らない

保育園の職場で働く保育士の年齢層は様々、それは保護者も同様です。

スマホやタブレットに慣れていない人の場合、慣れるまで時間がかかったり、サービスを充分に活かすことが出来ない可能性があります。

「便利だと思って導入してみたものの使いこなせる人の方が少ない」という状況になってしまう保育園もあるかもしれません。

キッズリーを実際に利用している人の口コミ

以下、実際にキッズリーを利用している人の口コミです。

保育士(認可外保育園)キッズリー利用歴1年目

かなり便利です。パートの私も個人のスマホにアプリをダウンロードして、子どもの健康管理や子どもの写真を気軽に保護者と共有できるので、行事だけでなく、普段の様子を保護者にリアルタイムで見てもらうことが出来ます。ただ、スマホを落とした時は個人情報が沢山入っているので、そこだけは緊張します。

保育士(小規模保育園)キッズリー利用歴1年目

私の知らない間に、今時の保育園はこんな風になっていたんだと、現場に復帰して初日からびっくりです。(2年程、保育士以外の仕事をしていました)はじめは操作方法に苦戦しましたが、慣れてきてからは便利だなーの一言につきますね。とはいえ、連絡帳に記入などは結局、紙の方が楽なんじゃないかな~。(たまに操作ミスで消してしまうんですよね)

保護者(認可保育園)キッズリー利用歴2年目

最初の頃よりもだいぶ使いやすくなった気がしますが、結構使いづらいです。デザインは好きなのですが。紙の連絡帳の方が扱いやすいです。気軽に手にとって、読み返したりもできるし、将来子どもにも見せてあげたいです。でも保育士さんが大変なら仕方ないのかな、と思って我慢しています。

保護者(認可保育園)キッズリー利用歴1年目

Twitterなどで便利と騒がれていたので、気になっていたら自分の保育園にも導入されました。結構便利です。親側も手書きだと負担に感じるけど、キッズリーはスマホあれば良いので。保育園で熱が出た時とか、電話には出られないことがあるので、こうしてメッセージ機能があると有難いです。

以下、Twitter上のキッズリーに対する反応です。

Twitterなどでは「便利」と言っている人が多い印象です。

しかし「便利」という声とは反対に「ログインが出来ない」「保護者からの発信できる機能が少なすぎる」という声や「退園した場合に記録が見れなくなってしまう(送迎者登録の否認)」「手元に記録を残そうとキッズリーのプリント機能を使おうと思ったら、料金が高すぎる」などの声も見られます。

これから、使いやすいように改良されていく可能性は高いですが、まだまだ完全なサービスではないようです。

キッズリーに関するQ&A

スマホやタブレットを利用して、「出欠・お迎え管理」「連絡帳」「フォト」「個別連絡」を管理するなんて、かなり近代的ですよね。

しかし、今までの使用とは異なるため、キッズリーに関する様々な疑問が浮かんでくるはずです。

以下、キッズリー公式サイトのよくある質問を参考に、キッズリーに関する疑問を解決します。

キッズリーに契約する前に、タブレットを用意しておいた方が良い?

契約時に支払う代金の中に、端末代も含まれています。

つまり、タブレットを事前に用意する必要はありません。

キッズリーに契約し、タブレットが一つあるだけでは使いづらい可能性もあります。(一人が使っていると他の人が使えない等)

そういう場合には、用意する必要があるかもしれませんね。

キッズリーをお試しすることは可能?

公式サイトを参考にすると、キッズリーをお試しすることは出来ません。

今後、お試しが出来るようになる可能性もありますが、現時点で対応は、説明を受ける際に、実際の端末や操作画面を確認することは出来ます。

たとえば「数日試してみたけど、やっぱり辞めた」と端末を返した際に、保育園の保護者や保育士の個人情報を消し忘れて流出・・・など、そういった万が一のトラブルの可能性を避けるためかもしれません。

スマホを持っていない保護者の対応方法は?

公式サイトを参考にすると、キッズリーのサービスは、ガラケーに対応していません。

そのため、保護者がスマホを持っていない場合、導入する前の対応をするしかないでしょう。

たとえば、全体的にはキッズリーで統一し、ガラケーの保護者には連絡帳などで対応することになります。

キッズリーを導入している保育園の中には、紙の連絡帳とキッズリーを併用している保育園もあるそうです。(キッズリー公式サイト参考)

保育園によって「運営しやすい方法」で利用すると良いでしょう。

保育士が私用携帯でキッズリーを利用することは出来る?

保育士は私用携帯(スマホ)で、キッズリーを利用することが出来ます。

「落としたとしても画面にロックあるから大丈夫」と思っていても、万が一の事も起こりかねません。

先ほどの口コミにもあった通り、保育園に関わる個人情報が入っているので、取り扱いには充分に気をつける必要がありますね。

まとめ

キッズリーのサービス内容をみると、かなり便利ということがわかります。

ちなみに、実際に筆者の保育士友達も保育園で利用していますが「便利」「使いやすい」「楽」と言っていました。

便利なサービスを利用することで保育士の仕事に対する負担が減れば、日々の保育に余裕をもつことができ、保育士も子どもとの時間を充実することが出来ます。

しかし、保護者の声を聞くと「使いづらい」など、まだまだサービスは完全ではないようです。

先ほど触れた通り、キッズリーの運営会社のユニファは2013年に設立され、キッズリーは2016年から開設されたサービスですから、まだまだこれから発展する会社。

サービス内容もこれから改良をして、さらに使いやすく、信頼できるものになっていくでしょう。

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