保育士の職業病「腰痛」の対策や予防法、労災への適用条件等を解説

保育士の豆知識

「腰痛い」「私も~」というのは保育士の日常会話です。

腰痛以外にも肩こりや膝痛で悩む人もいますが、腰痛で悩んでいる人の方が多いでしょう。

腰痛は気づかないうちに悪化するので、病院に通ったり身体に無理をかけないことが大切です。

本記事では保育士の腰痛に労災が降りるのか、腰痛対処法など紹介します。

保育士の職業病、これって労災になる?休んでも大丈夫?

保育士で腰痛に悩んでいる人は沢山います。

保育士の腰痛は最早職業病で、1年に1度健康診断とともに腰痛検査があるくらいです。

しかし腰痛検査も名ばかりで何もしてくれません。

そして保育士は仕事柄子どもを抱っこしたり重たい物を持つ機会が多いので気を付けていても、気を付けていないと尚更、腰痛になりやすいです。

腰痛が急にひどくなったら仕事を休むのも全然あり!痛みが強い時は病院で見てもらおう

腰痛いまま仕事しても周りに気を使わせてしまうか、悪化するだけ。

そういう時のための有給。無理しても良いことない。

たとえば運動会の後の会場の片付けを張り切ってしまった後日やいつもより子どもを抱っこしすぎた翌日に腰を痛めてしまいます。

そんな時は有給を使いしっかり休んで、立ち上がれるのであれば病院に行きましょう。

この場合にまず行くべきは整骨院ではなく、整形外科ですね。

レントゲンを撮ってもらい、お医者さんに病気の名前を教えてもらってください。

保育士になってから腰痛が発症。労災はおりる?

保育士になる前は腰痛なんてなかった!

でも労災に適応されないんだよね。悲しみ。

厚生労働省の腰痛の労災認定で労災が降りる基準が表記されています。

労災の対象に認定されるためには以下の条件を満たしていなければいけません。

  1. 腰の負傷またはその負傷の原因となった急激な力の作用が仕事中の突発的な出来事によって生じたと明らかに認められること
  2. 腰に作用した力が腰痛を発症させ、または腰痛の既往症・基礎疾患を著しく悪化させたと医学的に認められること

厚生労働省の具体例が以下を参考にした具体例が以下の通りです。

  1. 保育中に子どもを抱っこしたまま転倒した場合や、重量物を2人で運んでいてる時に1人が滑って手を放してしまう。そのためもう片方の人に対して急激な強い力が腰にかかったことで生じた腰痛
  2. 抱っこする際に持ち上げた子どもが予想に反して重かったり、逆に軽かったりする場合、不適当な姿勢で持ち上げた場合のように、突発的で急激な強い力が腰に異常に作用したことにより生じた腰痛

保育士なら誰にでも起こりうること。労災にもなりうるんだということはしっかり覚えておきましょう。

ただしぎっくり腰では労災の保証対象とは認められない

先ほどの厚生労働省のリーフレットを参考にすると、仕事中にぎっくり腰(病名は急性腰痛症)は、日常的な動作の中でも生じるものなので、たとえ仕事中に発症しても労災の補償対象とは認められません。

ただし発症時の動作や姿勢の異常性、腰への強い力の作用があった場合は業務上と認められることもあるようです。

筆者も保育士の頃、現場でぎっこり腰になった人を見たことが数回あります。

ぎっくり腰になるとひどい時は動けなくなってしまうようで、見ているだけでも辛いことが伝わってきました。

歳をとればくしゃみや咳をしただけでぎっくり腰になることもありますが、保育中のぎっくり腰は重たい物をもった時や子どもともふれあい中に起こります。

他にも保育士がぎっくり腰になりやすい状況例が以下の通りです。

  • 子どもを抱っこした時
  • 座っていて急に立ち上がった時
  • 重たい玩具箱を持った時
  • 床が濡れていて滑ってしまった時

また日々の仕事内容、仕事中の業務が腰への負担となり、それが蓄積されて腰痛になったという人が殆どですが、それでは労災はおりないのでかなり残念です。

日頃から注意していないと簡単にぎっくり腰になってしまいますから、気をつけてくださいね。

腰痛対策は大切!腰痛になりたくないならポイントを押さえよう

保育士悩みの中で膝の黒ずみと並ぶくらい、むしろ膝の黒ずみよりも幅広い年齢層で沢山の保育士を悩ませているのが腰痛です。

最初のうちは痛くなくてもジワジワと身体に負担が蓄積され、ある日突然「痛っ!」と激痛が走ります。

そうなる前に腰への負担をなるべくかけないようにするのが大切です。

物をもつとき、拾うときは必ずしゃがむ

立って作業をしている時に、物がポンっと下に落ちました。

そんな時、横着して立ったまま拾っていませんか。

それをすると落ちた物を手にもって体制を起こした時に腰にかなりの負担がかかり、最悪の場合はぎっくり腰になります。

そうならないためにも、小さな物や紙1枚落ちしたときでも必ず座って物を拾う癖をつけましょう。

40代や50代などの年齢に限らず、20代からその癖をつけることで将来あなたを腰痛から遠ざけてくれます。

子どもを持ち上げるときはしゃがんで、そして身体に寄せて抱っこする

子どもを抱っこするときに立った状態でいきなり抱っこしてしまうと、腰を痛める可能性が高いです。

他にも玩具が沢山入った箱を持ち上げる時も必ずしゃがんでから、立ち上がるという順番で持ちましょう。

ベストは重たいものを持たないことなのですが、保育士をしてる以上、子どもを抱っこしない・重たい玩具を運ばないなんてことはできません。

だからこそ腰を痛めないように子どもを抱っこする工夫が大切です。

同じ体制を15分以上とらない

例えば保育中、ずっと座ったまま子ども達と遊んでいませんか。

逆にずっと立ったままで子ども達の様子を見ていても、腰に負担がかかってしまうのです。

15分計って自分の体制を変えるというのは非現実的で、仕事の都合上難しいかもしれません。

しかしできるだけ同じ体制でいることは避けましょう。

他にもドライブの時に長時間座りっぱなしではなく、30分程経ったらコンビニや道の駅によって伸びをしたり歩いたりして体勢を変えるタイミングを作ると良いです。

保育中など座るときは正座がベスト。あぐらは腰に悪い

保育中にあぐらをかく人はいないと思いますが、正座が1番腰には負担がかからないそうです。

あぐらをかくと骨盤も歪みますし、他の座り方よりは正座の方が腰への負担を軽減することができます。

正座をすると次は足へ負担がかかりますが、そこは自分の健康状態に合わせてくださいね。

台所仕事をするときは、小さな椅子に片足を載せるだけで腰の負担を軽減

女性は時に台所仕事が多いのではないでしょうか。

長い時間立ちっぱなしでいると腰へ負担がかかり、それは腰痛に繋がってしまいます。

上記項目と似ていますが、台所仕事をするときに100均で売っているようなちょっとした段差の椅子はあれば、その台に片足を乗せて料理をしましょう。

湯船に20秒以上浸からない、腰痛ある人はシャワーが1番

湯船に浸かって身体を温めるのは腰にも良いこと勘違いしている人も多いでしょう。

身体全体を温めるのではなく、腰のみを温めるのは良いのです。

身体全体を温めてしまうとかえって身体の痛みが出やすいので、腰痛がある人はシャワーを心がけると良いですね。

といってもたまには湯船に浸かりたいので、湯船に浸かるときは長時間入るのではなく、こまめに休憩を入れることをおススメします。

寝る体制仰向けはだめ。必ず横向きになって背中を丸めて寝よう

寝る時くらい好きな体制で寝たいと思いますが、腰痛を予防する・軽減するといった観点から言うと、横向きが良いです。

腰を丸めて、膝を曲げる体制ですね。

抱き枕を抱えた状態、背中を丸めた状態が良いとされています。

確かに筆者も仰向けで長時間寝ていると腰が痛くて起きるのですが、横向きになってなるべく丸まって寝ていると朝まで痛くありません。

他にも腰痛持ちも人が寝る時に工夫している点は抱き枕を抱くことです。

枕やクッションを抱くことで自然と背中が丸くなり、寝る時の腰痛を軽減してくれます。

敷布団よりはベッドを、ベッドから起き上がる時も注意

朝目覚ましが鳴って、目を覚まします。

目を覚ましてから身体の状態を起こす時、注意しなければなりません。

たとえば仰向けの体勢から身体を起こそうとすると、腰へ負担がかかってしまうのです。

そのため横向きの体勢で肘や手を使いながら、上半身を徐々に起き上がらせてください。

そうすると起き上がる時に体重のかかる部分が分散されて負担が軽くなります。

アニメの寝坊した主人公のように、起きていきなりバッと身体を起こすと、腰を悪くしますから気をつけてください。

顔を洗う時は上半身と下半身が直角にならないように、膝を曲げる

洗面台で顔を洗うとき、足をピンっと伸ばして洗顔してませんか。

上半身が前かがみになり、下半身がまっすぐになっている状態を続けることは腰への負担となっています。

そのため少しだけでいいので、膝を曲げましょう。少し体制を落とすイメージです。

掃除機をかける時も体勢を低くしないように心がける

「掃除機をかける時まで注意しなきゃいけないの」と思うかもしれませんが、そうなのです。

家事をしている時こそ意識することを忘れがちなので、腰への負担を考えた方が良いのではないでしょうか。

掃除機をかける時はなるべく自分の体から離さないようにして、かがまないようにして掃除機をかけましょう。

コルセットがなくても腹筋と背筋をつけるだけでも違う

コルセットを購入しようとお店に見に行っても3千円、5千円など金額差があります。

高いものなら1万円するものもありますよね。

結局どれが良いかわからず買えなかったという方も多いのではないでしょうか。

腹筋と背筋をつけると腰を支えてくれるようです。

これは腰痛に悩む人なら、周りの人にも言われたことがあるかもしれませんね。

ちなみに筆者は筋トレが苦手なのですぐに諦めてしまいますが、得意な人にはお勧めします。

コルセットがあればさらに腰痛予防になる

コルセットをしていると腰痛予防になります。

市販のコルセットはおなかが苦しくなったり、やけにバンドが太くて動きづらかったりするのですが整形外科にいくとコルセットを作る専門の人がいて、個人に合わせたコルセットを作ってくれるところもありますよ。

保険が適応してくれる場合があるので、3割負担で購入することができます。

ちなみに筆者は整骨院で買った腰のバンド(S・M・Lサイズなど)を使った時もありますが、それよりも自分に合ったコルセットの方が良かったです。

まとめ

保育士をしていると腰痛は避けられませんが、日頃から意識することで悪化を軽減できます。

ちなみに筆者は腰痛が悩みで腰椎椎間板障害になってしまったので、毎日仕事をしている時に腰をかばうことが疲れてしまい転職しました。

腰が痛いと本当に切ないですよね。

保育士を続ける方は一生使っていく腰なので、自分だけの力でなんとかなると思わずに「ちょっと最近疲れてるな」と思ったら病院に行きましょう。

上記で紹介した他にも子どもに背後を取られないようにする、重たい物を持つ時は一人で持たないなど意識して仕事をすることをおすすめします。

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