幼児教育が性格面に与える影響。やる気、自信、協調性、忍耐力を育む。

幼児教育について

幼児教育は、教育そのものだけでなく、性格面にも影響を与えます。

ここでいう性格とは、子供のやる気、自信、協調性や忍耐力を意味します。

このような、子供の将来にとって前向きな要素がどのように幼児教育で育まれるのでしょうか。

本記事では、「遺伝によって性格がどの程度決定づけられるのか」「幼児教育によってどのような性格的要素を培うことができるのか」幼児教育が性格面に与える影響について、詳しく紹介します。

性格面における幼児教育の重要性、性格は遺伝が半分、環境が半分

公益社団法人日本心理学会を参考に、慶応義塾大学で行動遺伝学や教育心理学を専門としている安藤寿康教授の研究によると、性格面での遺伝はおよそ半分の割合で、残りは環境によるということが分かりました。

また、性格を形成する遺伝子は父親と母親からランダムに構成されると言われています。

つまり、几帳面な母親からは几帳面な子供が生まれるのかというと、父親の性格や育つ環境によって、そうとは限らないということです。

ただし、生まれてからともに過ごす時間が圧倒的に長いのは母親です。

特に乳幼児期は、人格の基礎を形成するといわれている時期。

母親の気質や行動を子供は常に目にしているため、母親と子供の性格に共通する部分が多くなると言えるかもしれません。

それを踏まえて、性格を形成するために重要な要素である環境は、どのように構成されるのでしょうか。

幼児教育で育むことができる前向きな性格面

幼児教育は、子供の性格にどのような影響を与えるでしょうか。

子供にとって適切な学びの場を提供すると、自己肯定感、やる気、自信、協調性、忍耐力などを培うことができるといわれます。

では、幼児期からの習い事として人気のあるピアノを例にとって考えてみましょう。

自己肯定感

自己肯定感とは、自らの存在や価値を肯定できる感情を意味します。

具体的な感情としては、「自分はやればできる」「自分は大切な存在だ」「自分の存在は認め受け入れられている」などです。

たとえば、ピアノを習うと、どのように自己肯定感が高められるのか考えてみましょう。

ピアノのレッスンを重ねると、リズムを理解し、音階を耳で判別できるようになります。

そして楽譜を読めるようになり、だんだんとピアノで弾けるようになっていきます。

これらの目に見えた成長に加え、曲の難易度が上がっても、繰り返し練習すればできるようになることを経験できるでしょう。

このことは、進学後や就職後にも貴重な経験となります。

なぜなら、困難に直面してもそこから逃げることなく頑張ればきっと解決できるという思考ができるからです。

また、解決できない課題があっても、課題に直面している自分を支え励ましてくれる家族や先生が存在するという事実は、「自分は見守られている」という安心感を生み出します。

そういった周囲からの支えや励ましが、「自分は大切な人間である」という肯定感につながのです。

 やる気

やる気とは、「与えられた課題に対して頑張ろうとする力」と、「自ら課題を発見して解決しようとする力」に分けることができます。

たとえば、ピアノを習っていると、次回までの課題または宿題が先生から与えられますよね。

その課題は、現状よりも少し、難易度が高いレベルに設定されることがほとんどです。

その課題を解決すると、先生から褒めてもらえ、次の課題に進むことができます。

この「課題をクリアする」という経験が、子供のやる気につながります。

また、与えられた課題を解決するためにピアノ練習をしていると、自らの苦手な部分が見つかります。

具体的には左手が苦手であったり、速いテンポの曲が苦手であったりということです。

すると出来るようになるまで繰り返し練習し、課題を解決できるようにします。

これが「自ら課題を発見して解決しようとする力」なのです。

やる気は、努力とも言い換えることができます。

困難な課題であっても途中で投げ出すことなく、こつこつと頑張り続ける力です。

勉強も仕事も努力なくしては成功しないということは、誰しもが体験していることでしょう。

努力できる能力は、自分にとって難しいと思える課題、困難に出会った時、繰り返し取り組むことで培うことができるのです。

自信

自尊感情のひとつに、 「自分は目標を達成できた」 という達成感があります。

これが成長過程における「自信」につながるといえます。

達成感を得るためには、課題が不可欠。

たとえば、ピアノを習っていると、上述したように課題に対して努力を重ね、できることが増えていくため、それ自体が自信につながります。

加えて、多くのピアノ教室では発表会が定期的に開催されます。

大勢の前でピアノを弾くことは、大人であっても緊張しますよね。

しかし、発表会に向けて繰り返し練習し、発表会で曲目を披露することは、子供にとって大きな自信に繋がるのです。

また、発表会で先生や家族、友達から褒めてもらえることも子供の自信を高めてくれます。

このように、習い事を通して達成感を得たり、特別な経験をしたりということが、子供に自信をつけさせてくれるのです。

協調性

協調性とは、「他の人と物事をうまくやってゆける傾向や性質」。(大辞林第三版)

幼児期においては、「ルールを守れる」「勝手な行動をしない」「みんなと一緒に物事に取り組める」などが協調性として捉えられます。

たとえばピアノ教室では、集団レッスンの場合には友達の演奏に合わせたり、順番を待ったりする場面があります。

個人レッスンの場合も同様。

先生のお手本をじっと聴いたり、先生との連弾をしたりすることがあるでしょう。

こういったことが子供は協調性の重要性、必要性を学ぶのです。

また、ピアノ教室でのルールも協調性を育む上で、重要な役割を果たしています。

具体的には、他の楽器には触らない、ピアノを弾く前には手を洗う、時間を守る、といったことです。

このように、日常生活とは別の空間や環境を敢えて作ることで、新たな約束事や手順を学び身につけることができます。

忍耐力

忍耐力とは、つらいことや苦しみなどをたえしのぶ力。辛抱する力。(デジタル大辞泉)

これまで見てきたように、子供たちは幼児教育を通して課題を設定し、その課題を解決するために繰り返し練習を重ねます。そしてこの過程こそが、子供の忍耐力を培ってくれます。

ここで重要になるのは、子供の忍耐力を鍛えるためには家族や先生の忍耐も必要だということです。

たとえば、難しい課題に挑戦するとき、子供は途中で投げ出したくなってしまうこともあります。

その際に、家族や先生が諦めてしまっては子供の忍耐力は高まりません。

逆に「やはり自分にはできなかったのだ」と子供の自信を喪失させてしまう可能性もあります。

子供が困難に直面した時こそ、家族や先生は適切な言葉かけで子供を励まし支え、子供に寄り添うことが重要。

そうすることで子供は、「自分はひとりではない。自分を信じて応援し、見守ってくれる人がいる。」と安心し、また頑張ることができるようになるのです。

幼児教育によって子どもに性格(やる気や協調性)は伸びていく

近年の研究で、脳の80%が3歳までに完成することがわかってきました。

脳の成長著しいこの時期に、子供の自尊感情を高めるための働きかけをできるだけ多くすることが、子供の可能性を最大限に引き出すことに繋がります。

それは家族だけではなく、幼児教育という場を通して、より多くの人からの関わりが好ましいと言えるでしょう。

なぜなら、前向きな言葉がけも励ましも、多ければ多い方が子供にとって大きな安心感と自信になるからです。

そして、それがより良い成果を出そうとする原動力に繋がるのです。

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