保育士と保護者とやり取りをするための連絡帳。
家庭での様子や連絡事項を知るために、必要な連絡帳ですが、毎日「連絡帳に買う事が思い浮かばない・・・」と悩んでいる保育士も多いのではないでしょうか。
本記事では、連絡帳の記入が苦手な保育士のための連絡帳の記入例文を紹介します。
保育士が書かなくてはいけない連絡帳の役割とは
冒頭でも述べた通り、家庭との連絡・必要事項のやり取りに使うのが連絡帳です。
保育園で保護者と会える朝夕の時間帯は保育士も保護者も忙しく、子どもの様子や必要連絡事項についてやり取りするのは難しいですよね。
特に朝、早番保育士はそれぞれ家庭からの連絡事項を覚え、記入する時間もありません。
たとえば、「今日は昼にお迎えに来ます」「昨晩37度ありました、様子みてください」など、お迎えの時間帯や子どもの体調に関する情報を連絡帳で共有してもらえると、保育士も助かります。
他にも、連絡帳は子どもの成長記録です。
保護者は、日中は仕事なので、子どもの姿が見られない・近くで成長を見守ることが出来ません。
自分が見ていない間「保育園で今日はどんなことしているかな」「楽しく遊んでいるかな」など、保育園で過ごす我が子のことが心配です。
そのため、傍で見ている保育士に連絡帳で子どもの様子を伝えてもらえると保護者は「私が仕事中、こんな楽しいことをして遊んでいたんだ」「友達と喧嘩したから元気がないのね」等、子どもの状況を把握できたり、保育園で過ごす子どもの姿を想像したり、成長を感じられます。
上記のように、連絡帳には、仕事をしながら保育園に子どもを預ける保護者の心も支える役割があるのではないでしょうか。
めんどくさい連絡帳、苦手な人も多いはず、でも適当に書くのは絶対NG
上記で触れた通り、保護者によって連絡帳は我が子の成長記録。
保育園に子どもを預ける保護者は「子どもは保育園で大きくなった」「子どもの成長を家庭で見守ることができなかった」など、子どもに対して申し訳なく思う傾向があるので、成長の証を残せる連絡帳を、子どもと自分の為に大切にする保護者が多いです。
実際に、子どもとの思い出を残す、子どもの成長を大切にする保護者、沢山見かけますよね。(行事の時は特に写真を撮ったり、ビデオを回したり、保護者は忙しそう・・・)
写真やビデオの中でも、連絡帳は将来ずっと家庭で大切に保管される可能性が高いです。
適当に書いてしまうと、保護者から信頼を失ってしまったり、将来連絡帳を読めるようになった子どもにも失望されかねません。
保護者との数少ないコミュニケーションツールだからこそ、信頼を左右する
たとえば、クラスが変わり春の頃。
保護者は担任に対して「〇〇先生と全然話したことない」「どんな先生か知らない」と思っていても、連絡帳をしっかり記入してくれる担任には信頼度が増します。
単純に、自分の子どもを良く見てくれているという嬉しさと感謝の気持ちから、担任保育士に好感を持つのです。
上記でも触れた通り、保護者と保育士がコミュニケーションを取る時間は限られているからこそ、連絡帳は大切。
連絡帳の内容が適当な文章であれば、適当な先生。
内容が薄ければ、子どものことをあまり見ていない先生・・・。
大げさではなく、実際に連絡帳に対する印象が、そのまま保育士の印象になる事もあります。
それ程、連絡帳は保育士の信頼を左右するため、重要視すべきものなのです。
大事なことを書かない、直接言うべきことを書いてトラブルになることも
子どもの怪我や大切な連絡事項など、大事なことは書くべきではありません。
たとえば、子どもの怪我。
「子どもを朝の状態のまま家庭へ帰す」という保育士の責任を果たせなかったときは、直接口頭で丁寧に謝罪をしなければ、保護者からの信頼を失います。
他にも「明日は遠足です。〇時に保育園集合です」「明日は行事なので、主食はいりません」等の重要連絡事項は「口頭でも伝え、連絡帳にも書く」ならOKですが「連絡帳記入」だけではNGなのです。
重要な連絡事項を連絡帳のみに記入して、口頭で伝えていない場合。
保護者から「毎日、連絡帳に目を通すようにはしていますが、たまたま忙しくて連絡帳を見れませんでした。大事な連絡なら口頭で言うべきではないですか?」と苦情を言われ、大きなトラブルに発展してしまう事も・・・。
その為、大体の保育園では「大切な連絡事項は口頭で伝えるように」という決まりがあります。
保育士が連絡帳を記入する際の書き方や注意事項
「就職したばかりで連絡帳をどうやって書けば良いか分からない」「連絡帳の記入が苦手、改善したい」という保育士は、以下の連絡帳の書き方を参考にしてみてください。
連絡帳の書き方
以下、連絡帳「子どもの様子」例文です。
今日は、散歩(なにを)に行きました。〇〇ちゃん(誰が)はシャボン玉(なにを)を見ていました。
上記の文章だけでは、少し「冷たい」「状況が良く分からない」という印象を受けませんか。
保育士の連絡帳を記入する時の書き方、書く時の抑えるべきポイントは以下の通りです。
- 誰が
- いつ
- どこで
- なにを
- なぜ
- どのように
上記を5W1Hも言いますが、全てを満たしていなくても良いでしょう。
今日は、××公園(どこで)に散歩(なにを)へ行きました。〇〇ちゃん(誰が)は、保育士のシャボン玉を見て(なぜ)「わあきれい」(どのように)と大喜びでした。
短い文ですが、子どもの姿が想像できますよね。
連絡帳記入の際の注意事項
以下、保育士が連絡帳を記入する際の注意事項です。
連絡帳を記入する際の注意事項
- 丁寧な言葉使い(話言葉はNG)
- 絵文字は基本的に使わない(保育園による)
- トラブルは口頭で伝える為、ノートには書かない
- 子どもの悪い所、保護者が心配になる内容は避ける
以下、それぞれの項目について詳しく説明します。
丁寧な言葉使い
保育園によっては保護者との距離が近く、連絡帳を記入する際も話言葉で書くのが許されている保育園もあるかもしれませんね。
たとえば・・・「〇〇ちゃん、ほんと凄いんだから!」「めっちゃ可愛い~」等。
上記ような内容の方が感情が伝わるというメリットもありますが、保護者と保育士は友達ではありません。
なるべくなら、丁寧な言葉使い、最低でも書き言葉で連絡帳を記入した方が良いです。
絵文字は基本的に使わない
「キラキラ」や「スマイル」などの絵文字、(涙)や(笑)などの感情表現も出来るだけ避けた方が無難でしょう。
保護者が使用していても、保育士が使用するのは控えた方が良いです。(現場では使う人もいる・・・)
たとえば、祖父母などの他者に見られた時、不快も思う可能性があります。
トラブルは口頭で伝える為、ノートには書かない
上記でも触れた通り、トラブルは口頭で伝えるため、ノートには書きません。
たとえば、「子ども同士の喧嘩」。
例外的に、喧嘩をしたあと仲直りをしたり、子どもの成長など、喧嘩によって子どもの良い部分が見られる出来事の場合は記入しても大丈夫です。(相手の名前を書くのは個人情報の為、避ける)
子どもの姿だからと言って、なんでも連絡帳に書いてしまうと、証拠として残ってしまいます。(ずっと残りますし、保護者間でトラブルになる事も・・・)
子どもの悪い所、保護者が心配になる内容は避ける
これは保護者の気持ちになって考えると、連絡帳に書く内容ではないとわかるでしょう。
保護者が自宅で連絡帳を読む場面を想像してみてください。
嬉しくない連絡帳の例
「今日はどんな事していたのかな」と連絡帳をあけ、内容を読むと・・・
「今日は~をして遊びました。〇〇ちゃんは友達の輪に入れず、泣いていました。その後も仲間外れにされ、教室の隅で一人、絵本を読む〇〇ちゃん。絵本を読むことに集中しているようでした。
昼食では、隣の友達を叩いて、友達が泣いてしまいました。友達が誤ってほしいと言うと、友達の身体を押して拒否する〇〇ちゃん。その後も、足で友達を蹴飛ばしたりと機嫌が悪いようでした。」
上記のような内容を保護者が見ると「保育園で自分の子どもは迷惑をかけているんだ」「自分の子どもは友達に嫌われているんだ」など、マイナスな一面しか知ることが出来ません。
嘘を書く必要はないですが、上記の例文のような連絡帳をもらって嬉しい保護者はいないですよね。
どうせなら、「もらって嬉しい」「保育士は子どもの良い部分をちゃんとわかってくれている」という内容の連絡帳を心がけたいものです。
上記で説明した連絡帳の書き方や注意事項は、一般的な保育園に多い内容となっていますが、連絡帳の形式的な部分(記入内容など)は保育園によって異なるので、自園のルールに従いましょう。
連絡帳苦手な人必見。連絡帳を書くコツと例文
保護者は保育園で過ごす子どもの様子に関心があります。
たとえば、友達と一緒に遊んでいるのか、どんな事で泣いて、どんな風に立ち直っているのか、家ではトイレ嫌いだけど保育園ではどうなのか、食事は食べているのか・・・等。
上記の連絡帳の書き方や注意事項を参考にしながら、自分が親だったら「保育園の様子、どこが知りたいか」「どこが心配か」などを考えながら、子どもの1日の中の一部分を切り取り、連絡帳に記入すると良いでしょう。」
とにかく子どもの可愛い姿、成長を感じたエピソード
「子どもが可愛い」と感じた出来事を連絡帳に書くのが1番簡単かもしれません。
以下、例文です。
純粋に可愛い姿:例文(乳児編)
今日は、室内でボールプールやビニールトンネルを出して遊びました。〇〇ちゃんは、ビニールトンネルを気に入ったようで、何度も挑戦していましたよ。出口の方で保育士が待っていると、ビニールトンネルの中で、「待っててね」という表情をしながら、ハイハイをする〇〇ちゃん。やっとで出口まで行くと「できた」と楽しそうにハイタッチをしてくれました。ビニールトンネルをくぐれた達成感で笑顔があふれる、可愛い〇〇ちゃんでした。
面白くて可愛い姿(ちょっと笑っちゃうような):例文(幼児編)
今日は、××公園に散歩へ行きました。とても天気が良く、〇〇くんは鼻歌を歌いながら歩いて、気持ちよさそうでしたよ。公園内では、友達と声をかけながら、ジャングルジムにも挑戦して、元気に遊ぶ〇〇くんです。公園の帰りに、保育士のことを大きな声で「お母さん!」と呼んでしまい、保育士が「先生、お母さんなの?」と聞くと「うん・・間違えちゃった」と答える可愛い〇〇くんでした。
上記の「保育士のことをお母さんと呼んでしまう」のはあるあるなので、活用できるかもしれませんね。
ネタが思いつかない時は「今日」じゃなくて「最近」の子どもの様子を書く
日中、全員を見ているつもりでも「〇〇ちゃんが何していたか全然思い出せない」「他の保育士に聞いても何も情報が無い」・・・そんな時もあります。
連絡帳のネタが書けない時は、今日ではなく「最近の子どもの様子」を書くと良いです。
普段から、子どもの印象的な場面を軽くメモしておくと、こういう時に便利。
以下、例文です。
最近の様子:例文(乳児編)
今日はクラスの皆でホールへ行って遊びました。最近、〇〇ちゃんは保育士のエプロンのキャラクターが気になる様子。保育士が××のキャラのエプロンを着ていると、朝、必ず来てくれます。保育士が「××好き?」と聞くと「ん、ちゅき」と答えてくれますよ。それが〇〇ちゃんと保育士の恒例になっています。
最近の様子:例文2(幼児編)
今日はクラス全員で××公園に行きました。子ども達は元気いっぱい外で体を動かしましたよ。最近〇〇くんは、絵本の「ミッケ」にハマっているようです。保育士が聞くと「おうちにもあるんだ」と自慢げに言うので可愛いですよ。他の友達が見ていない時は、必ずミッケを選んで20分、30分と長い間集中して見ているので、保育士も関心してしまいます。
1日の出来事も嬉しいですが「最近、保育園では〇〇にハマっている」など、家庭ではしない・分からないけど、保育園では恒例になっている事を知ると、保護者も面白いと感じてくれるでしょう。
1日の全体の様子ではなく、印象に残る場面を選んで書く
1日で考えると、文章が長くなってしまったり、一つ一つの内容が薄くなってしまい、本来伝えたい事が伝えられなかったなんてこともあります。
そういう場合は、1日の中の1場面を具体的に書くと良いですね。
以下、例文です。
印象に残る場面を書く:例文(乳児編)
今日は、雨が降っていたので、室内で自由遊びでした。〇〇くんは外に行きたかったようで、少しご機嫌ななめの様子でした。気分転換に保育士が「今日はカレーだよ」と給食について触れると、いつもの〇〇くんに戻り「きょう、カレー?」と目を輝かせていました。給食がカレーと分かると、気分も良くなり、友達と笑い合ったり、保育士に給食の確認を何度もする〇〇くんでした。
印象に残る場面を書く:例文(幼児編)
今日は、クラス全員で七夕の制作をしました。〇〇ちゃんも上手に絵を描いていましたよ。昼寝の前、私がトントンをしていると「七夕ってなにするの?」「なにたべるの?」と七夕が気になる〇〇ちゃん。一つ一つ答えていると「楽しみだね」と言って七夕行事を楽しみにしている様子が印象的でした。
子どもの言葉、保育士との会話(子ども同士の会話も〇)を入れると読みやすく、想像もしやすいですね。
印象の薄い子、特段何もしていない子の表現の仕方
クラスの中に、一人や二人は「どうしても印象が薄い子」「特に何も興味がなくリアクションが薄く子」など、連絡帳が書きづらい子がいます。
以下、例文です。
印象の薄い子例文(乳児)
今日は園庭でシャボン玉をして遊びました。他の子ども達がシャボン玉を見て、集まっている様子を遠くから見ている〇〇くん。保育士が「シャボン玉のところ行く?」と言っても首を振っています。そのまま、ビニールシートの上で、のんびり過ごしていました。きっと、外へ出るだけで気持ちが良い天気だったので、のんびり日向ぼっこがしたかったのかもしれません。
印象の薄い子:例文(幼児編)
今日は、室内でコーナー遊びをしました。〇〇ちゃんは「したいのない」と言って、保育士の傍にいました。「一緒に折り紙コーナー行く?」と言っても「行かない」という〇〇ちゃん。「じゃあ先生と一緒にいよっか」と、保育士と一緒に行動してもらいました。保育士が室内清掃や給食準備をするのをじーっと興味深そうに見て、時々、皆の遊ぶ様子を見ています。夕方は何して遊びたいか、〇〇ちゃんのリクエストを聞いてみたいと思います。
印象が薄くても、何かを見ていたり、何かをしています。
そこに着目して、上記の例文のように保育士の考察を書いても良いでしょう。
おそらく、子どもの性格は保護者が1番良く分かっています。
無理に「元気に友達と遊ぶ子ども」を書かなくても、ありのままの子どもを書くのが1番です。
連絡帳記入挨拶例文(初日・年末・最終日)
以下、場面に合わせた連絡帳の挨拶例文です。
例文:連絡帳記入初日
はじめまして。担任の〇〇です。お迎え時間や休み、体調などの連絡事項がありましたら、連絡帳にも記入してもらえると助かります。他にも些細なことで構いません、子どもとの関わりや家庭での様子を記入していただけたら嬉しいです。今日からよろしくお願いします。
例文:年末
今年もありがとうございました。今年は〇〇ちゃんの沢山の成長が見られましたね。年末年始のお休み中、お母さんお父さんと過ごすのを楽しみにしていましたよ。来年もよろしくお願いします。よいお年をお迎えください。
例文:クラス登園最終日
1年間ありがとうございました。△△クラスの子ども達は、とても可愛くて毎日楽しく過ごす事ができました。〇〇ちゃんは4月当初、保育士と一緒に行動することが多かったですが、最近では仲良しの友達ができ、楽しそうに遊ぶ姿に成長を感じます。今後も、同じ保育園内にいるので、何かありましたら声をかけてくださると嬉しいです。
必ずしも上記の例文通りでなくても大丈夫です。
「書く内容が分からない」という時は、上記の例文を参考にしてみてくださいね。
ずっと形として残る連絡帳。子どもの大切な日々の記録を残そう
上記でも触れた通り、連絡帳は保護者と保育士の数少ないコミュニケーションツールです。
担任からの連絡帳を楽しみにしている保護者も多いですから、保育園でのイキイキとした子どもの姿を連絡帳で伝えてあげましょう。
番外編として、インスタで有名な「連絡帳で子どもの様子をイラストで描く」たきれいさん(@ttakirei2)※ゆまままさん(@ansn)の画像です。
【引用】ゆまままさん(@ansn)
読んでみると、面白い内容の中にも参考にある点があるので、読んでみてはいかがでしょうか。
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