保育士が2歳児の担任になったら知っておきたい2歳児の基本的な知識や色々な悩み

保育士の悩み

2歳児は赤ちゃんに比べると活発的で、自分の思いもある程度伝えることができます。

3歳児に比べるとやはり幼くて、まだまだ自分のことを一人で出来ない場面もあるのですが、大人が手を出すと怒って見せたり、対応に悩む保育士も多いでしょう。

2歳児は赤ちゃんでもなく、幼児でもなく・・・という扱いにくさがあるので、担任は結構大変ですよね。

本記事では2歳児クラスの担任になった時の注意点や悩みついて紹介します。

2歳児の担任なら知っておきたい2歳児の基本

2歳児は心や身体、言葉の発達が成長します。

赤ちゃんから段々と幼児になっていく時期です。

「〇〇ちゃんのいたいいたいのとんでけ~」など友達に対して思いやりを持って接する姿があったり、走ったりジャンプしたり、外の鉄棒にぶら下がってみたり身体能力もあがります。

そして子ども達と関わっていく中で、一人一人に合う接し方を見つけていきましょう。

2歳児の保育士の配置基準は何人?

保育士の配置人数は児童福祉法第45条の規定(児童福祉施設最低基準)で決められているのを皆さんはご存知でしょうか。

年少さんにあたる2歳児クラスまでは複数担任となっていますよね。

規定によると1~2歳児の子ども6人に対して保育士おおむね1人、3歳児には20人に対して保育士おおむね一人となっています。

子どもが18人いた場合は保育士3人ということになりますが、たとえば月齢が高い子が多いクラスだと春や夏の時点で3歳児の子が、クラス内の半数を占めている時もあります。

そういう時は春までは主任が入って、夏以降主任が抜けては担任2人で回すなど、保育園によって体制は様々です。

2歳児の保育のねらい

2歳児の子どもの保育にはどういうことに重きをおくのかということは厚生労働省の保育所保育指針に明記されています。

保育園の保育方針や月目標などは、この厚生労働省が定めている保育所保育指針に沿って決められているのです。

保育所保育指針の乳児保育・2歳児に関わる箇所、基本的な基準の抜粋が以下の通りです。

  • 健康
  • 人間関係
  • 環境
  • 言葉
  • 表現

この上記の5つの観点から自分で創意工夫し、日々の保育内容を考えたり、日誌を記入していきます。

五領域ねらいについては以下の通りです。

五領域 ねらい
健康 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
人間関係 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる。
環境 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
言葉 人の言葉や話などを聞き、自分でも思ったことを伝えようとする。
表現 身体の諸感覚の経験を豊かにし、様々な感覚を味わう。

【引用】厚生労働省の保育所保育指針

ねらいは上記の他にもあります。

また上記のねらいの内容は1歳~3歳未満児の保育に関わる基本的な基準となります。

2歳児の担任を受け持つ保育士の役割とは

2歳児は「なんでもやってみたい」という好奇心が強く出てきます。

そして実際にできることも増えてきますよね。

「じぶんで」という気持ちがでてきたとき、その時期を逃さず励ますのが重要です。

たとえばハサミやセロハンテープなど「ちょっと危なっかしいな・・・」と思っても禁止にするのではなく、保育士が見守る中で体験させてあげましょう。

他にも衣服の着脱です。

2歳になるとTシャツの前と後、表と裏があることを教えてあげながら、子どもが自分で着脱するという気持ちを育てていきます。

子どもが可能な範囲で「自分で」「これやってみたいな」という気持ちや体験ができるように環境を整えたり、準備をすること。

そして時間がかかっても見守る、困った時は助ける、できた時は十分に褒めてあげるのは保育士の役割です。

保育士は子どもの好奇心の芽をつむことがないように、ゆとりを持って接しましょう。

そして設定保育を考える時に子どもの反応を予測しながら、時間にゆとりが持てるような遊びの内容を考えることを心がけると良いですね。

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2歳児の成長や特徴、保育士の関わり

2歳頃には表象能力※が発達して、自己意識が芽生えます。

※表象能力とは・・・目の前にない物事を頭の中でイメージする能力のこと

自分本位の行動が目立つようになり、かんしゃくや頑固な行動することがあります。

それは発達上のステップなので、保育士は感情的に対応しないように心がけましょう。

他にも、子どもは自分が他者にどう映っているのか、どう評価されているのか、何を期待されているのか意識し始めるようです。

たとえば「触ってみたいけど怒られるかな」「〇〇ちゃんに玩具貸したら褒められるかな」など良いこと悪いことの区別や社会的なルールの基準を理解しはじめます。

家庭や保育園で大人が褒めたり「だめだよ」と注意する、そんなやりとりの中からやっていいことと悪いことを自分の心の中に取り入れていくのです。

そして1993年発達心理学のルイス博士の研究によると、3歳頃までには人間がもっているほとんどの情緒が芽生えます。

たとえば以下のような情緒です。

【参考】繁多進編「乳児発達心理学」1999年福村出版

2歳になると情緒の部分が揃ってくるため友達の前で転んだら「恥ずかしい」、友達を泣かせたら罪悪感を感じているようです。

情緒が複雑になる分「いけないこと」を説得したり、するべきこの対応とを促す時に保育士も試行錯誤で子どもが納得できるような関わりや説明をする必要があるのですね。

2歳児の食事風景や保育士の関わり方

1歳の頃に比べ咀嚼が上手になったり、スプーンの使い方が上手になります。

上手に食べることができる子なら、エプロンをしなくても食べることもあるでしょう。

食事の例として、たとえば以下のような姿があります。

  • スプーンやフォークを使いながら食事をする
  • 2歳児後半になると箸を使える子もいる
  • たまにこぼすこともあるが服や顔があまり汚れなくなる
  • 自分のおしぼりで顔を拭けるようになる
  • 苦手な物でも一口食べる、保育士に促されると食べることもある
  • 食事をしながら友達とお話をする

多少保育士が大きな肉を食べやすく切ってあげることもありますが、自分でなんとかしようとする姿の見られます。

保育園によって異なりますが2歳を過ぎると食事で使ったおしぼりや持参のスプーンやフォークを自分のリュックにしまうなど食事に繋がる動きを取り入れることもあるでしょう。

2歳児は走る・跳ぶなどの運動機能が発達

走る・跳ぶなどの運動機能が発達します。

運動遊具を使ってのぼる・すべるなども上手に遊ぶこともできるので明日部内容も広がり、子ども達も活発に動いて楽しそうです。

散歩で公園に行くと鉄棒にぶらさがってみたり、あれこれと公園内を探索しますよね。

体を動かすの例として、たとえば以下のような姿があります。

  • 全身運動が大胆になる
  • 「さん にー いち ジャンプ」と大人の掛け声で高い位置からジャンプする
  • 保育士の動きをマネしてダンスをしたり、体を動かす
  • 階段を何も捕まらずに少しずつ登ったり下りたりする
  • ぶらんこも大人が少し支えるだけで上手にこぐ
  • 低い平均台の上を歩く
  • ボールを投げたり蹴ったり、ボールを「まてまて」と追いかける
  • マットの上では体を回転させて目が回る感覚を楽しむ

1歳児の頃に比べて活動量も活発になり、野外の散歩も結構歩くことができます。

室内でも走ったり、ジャンプしたり危ない場面が多いので保育士もハラハラしながら見守り、時には注意することが多くなるでしょう。

2歳児は周りにあるものなんでも触ってみたい、やってみたい。

2歳になるとなんでも触ってみたい、やってみたいと目に入るもの全てに興味を示します。

「自分で」という気持ちが強くなり、2歳は自我も芽生えて「自分でやってみたい」「大人の言う通りには動きたくない」などという気持ちがでてきます。

  • ままごとの玩具を使って遊ぶ、人形のお世話をする
  • クレヨンではグルグルと曲線を描きます
  • ひも通しなど手先や指先を使う遊びの興味をもつ、やりたがる
  • 粘土を誓って遊ぶ、何か作っては保育士に見せる
  • 大人が援助しなくても一人でシールを貼ることができる

保育中が時間がなくて自分でやりたいという子どもの姿を、ゆっくり見守ってあげられない状況もあるでしょう。

時間がある時は危ないこと以外は、子どもの興味や好奇心で夢中になっていることを見守ってあげる、満足するまでやらせてあげると良いです。

2歳児の保育士や友達との関わりはどんな感じ?

「「〇〇ちゃんのTシャツ可愛い」など友達に興味を持ちます。

目が合うとニコっとしたり、柱を使っていないいないばぁをしたり友達と一緒に何かをすることの楽しさを味わう姿が見られるでしょう。

人との関わりの例として、たとえば以下のような姿があります。

  • 友達を追いかけたり、追いかけられたり一緒の遊ぶことができる
  • いつも一緒に遊ぶ子の名前を覚えて呼ぶ
  • 何かしたいけど自分でできない時は「やって」と言葉で大人に伝える
  • クラス内の子が休むと「〇〇ちゃん いないね」など話す
  • 遊具や手洗いの時に順番を守ろうとする
  • 割り込む子にも注意ができる
  • 友達が泣いていると「だいじょうぶ?」など慰める

友達との関わりが増え、「かして」「いいよ」「やだよ」という玩具を巡ったやりとりもできます。

1歳の時は自分が使っていた玩具を取られても別の玩具でも良かったのに対し、2歳は自分と他者の区別ができるようになるので、今まで使っていた玩具を取られると取り返そうとしたり、友達に玩具を見られると「自分の」物と所有の意識があるのです。

まだまだ友達とのトラブルも多いですが、一緒に遊ぶことが楽しいと思いはじめる時期なので保育士が仲介に入りながら「皆で」「友達と一緒に」という遊びを取り入れると良いですね。

2歳児との会話 どんなことを伝えられるの?

2歳を過ぎると語彙も増え、家での出来事や自分の好きなものを教えてくれることもあります。

しかしまだ記憶力もなく、たとえば「バナナ食べた」と言ってもそれは何日も前の話だったり、本当は食べていなかったりするのです。

印象深い体験をしたり、非日常的なことをすると数日経っても覚えているようですよ。

子どもとの会話例

2歳児同士の会話は聞いていると面白いです。

自分のやりたいこと、共有した気持ちや出来事を自分が知っている言葉をつばぎ合わせて話したり、時には自分で言葉を作り出して話します。

お母さんや保育士の声色を真似たりするので、2歳児なのに「あら~、〇〇なんだわぁ!」「ちょっとやめなさいよ」などと言うので愉快ですよね。

2歳前半 男の子の場合

保育士「昨日はお母さんとお父さんとおでかけしたの?」

こうたろうくん「どーぶつえんいった うさぎさん にんじんたべてたよ」

保育士「そうなんだ!うさぎさん可愛かった?」

こうたろうくん「かわいかった ふわふわ!」・・・

と保育士の会話からヒントを得て、昨日の出来事を思いだすことができます。

2歳後半 女の子の場合

さわちゃんとこうたろうくんが玩具の取り合いをしています。

さわちゃん「これ さわの」

こうたろうくん「かして」

さわちゃん「だめ こうくん こっち(違う玩具)にしたら」

こうたろうくん「やだ これがいーい」

さわちゃん「せんせー こうくん、さわのとった かえしてくれないの」・・・

上記のように「こうくん、こっちも玩具にしたら」と自分が保育士に以前された対応を友達にもします。

直前にあった困った出来事や誰に嫌なことをされたのかなど言えるので、トラブルを解決しやすくなるので保育士としては助かりますね。

まだまだ語彙力は未熟ですが、子どもなりに工夫して伝えてきてくれるので会話をしていても楽しいですよ。

保育士の子どもへの働きかけ

2歳になるとトイレトレーニング、排泄の自立に向けた援助をしていきます。

誘う時期の例は以下の通りです。

  • 排尿感覚があいてきた、オムツ交換の時にぬれていないことが多くなった
  • 排尿の直前にそぶりやサインを出す(ものの影に隠れる、股をおさえる)
  • オムツの中に排尿・排便することを気にしはじめた

上記項目に「オムツの中に排尿・排便することを気にしはじめた」とありますが、子どもの中には「ちっちでたよ」「うんち でた」と教えてくれる子もいます。

排泄を教えてくれた時は「教えてくれてありがとう」と子どもを安心させてあげましょう。

これは〇歳〇か月から~と大人が強要するものではありませんが、タイミングよくトイレに誘うことでスムーズにオムツからパンツに移行できます。

2歳児の遊びについて、どんなことができる?

2歳児は、友達同士でのごっこ遊びが盛んになったり、気に入った玩具でじっくり遊ぶという姿が多くなります。

他にも、リズム遊びやボール遊び、ビニールトンネルをくぐるのも好きですね。

そして、2歳児後半になると粘土や砂で何かを作りだしたり、ハサミや鉛筆などの道具を使うことも上手になってきます。

たとえば、2歳児の子どもが「大好きな電話遊び」。

「もしもし はい うーん・・・ばいばい」と保育士や友達から少し距離を開けて、相手と目を合わせながら玩具で電話をして楽しそうに話します。

他にも「お母さんごっこ」が大好きです。

友達やぬいぐるみを寝かせて「いいこ いいこ ねんねだよ」と話しかけ、ぬいぐるみの布団をかけます。

トントンとお母さんや保育士のマネをして遊ぶので、可愛いですよ。

保育士が2歳児担任になると抱える悩みやQ&A

乳児保育は幼児に比べると、子どもに対して保育士からの養護的な働きが多いです。

0~2歳児は着脱やオムツ、トイレなどまだまだ大人の手を借りなくては生活できません。

保育中、保育士に余裕がなくなると、子どもの世話をする時にイライラしてしまったり、保育中に自分の感情のやり場に困ってしまいます。

そのため、計画性のない保育をしてしまうと「子どもをせかす・やらせる」ということが生じ、子どもも保育士も嫌な思いするのです。

設定保育を考える時から、時間的に無理のないように計画をする必要があります。

【参考】厚生労働省「お母さんと子どものコミュニケーションのため」

【参考】萌文書林「見る・考える・創りだす乳児保育―養成校と保育室をつなぐ理論と実践 」乳児保育・保育実習テキスト

散歩中いちいち立ち止まって進まない

散歩中、急に立ち止まると自転車や歩行者が来た場合に危ないですし、後ろの子どももつまってしまうので保育士にとっては「辞めてほしいな」と思ってしまいます。

本来は子どもの好奇心の芽をつまないことが大切。

しかし、散歩の道中は危険なので、子どもが納得できるような声掛けが必要になります。

散歩中は子どもにとって沢山の刺激があり、「これはなんだろう」と好奇心で立ち止まってアリや花を見てしまいます。

それを保育士が「立ち止まらないでね」「早く歩いて」と言ってしまうと「もっと見たかったのに」と子どもは機嫌を悪くしたり満足感が得られません。

そういう時は「ここは自転車がきてぶつかると怪我をするし、危ないから、公園でアリさん探してみよう」「公園のアリさんはどこに帰るのかな」「公園のお花は咲いたかな、チューリップあるかな」と興味を到着する保育園に向けるようにしてみましょう。

そして実際に公園についた時には「ここにアリさんのおうちがあるみたいだよ」と一声かけてあげると子どもも「散歩道ではだめだけど公園ではゆっくり見ても良いんだ」満足します。

メモ散歩の道中では立ち止まってアリや花を見続けることは危険だからできない。でも公園ではできる。目的地についた時の楽しみを沢山教えてあげて。そして公園では時間の限り、子どもが満足するまで探索行動をさせてあげる。

イヤイヤ期ってなに?

イヤイヤ期ってなに?私もイヤイヤしたくなってくる・・・。

子どもはいいけど、あなたは大人でしょ・・・。

イヤイヤ期は乳児保育の観点からいうと、第一反抗期と言います。

2~3歳前後になると自分の意志や欲求を、身近な大人に強くぶつけるようになるのです。

そして自分の欲求を妨げられると「やだ!」「自分でやりたい!」と激しく反抗したり、自己主張して譲らない姿を世間的には「イヤイヤ期」と言います。

どうしてイヤイヤするの?

この第一反抗期は、子どもの心の中に自我が芽生えてきたことの表れです。

2~3歳頃は身体の発育や運動能力が発達して自由に行動できるようになります。

認知能力が増して、言葉も上手に使えるようになってくると、子どもは自分に自信がついて自分の意志で主体的に行動しようとするのです。

「自分でやりたい」「自分はできるはず」という意欲をもっていろいろなことに挑戦しているのですね。

そして自分でやり遂げることができたり、周囲の人から褒められる・認められる経験から自分は価値のある存在だと感じることができます。

また、自己肯定感や自尊感情が高まるのです。

イヤイヤ期は、それまで親や保育士に十分に依存し、信頼関係を築いてきたことを土台にして、依存状態から自立していこうとする子どもの姿です。

我慢は子どもにとって難しい・・・いい子って大変。

小学生や中学生なら「これくらい我慢しなきゃ」と我慢することもできます。

2歳児にとって「触ってみたい」「大きい声をだしてみたい」という欲求を我慢するということはとても難しいことなのです。

そしてやってみたいことを「だめよ」と言われた時、泣いたりだだをこねるのは、どうしてなのでしょう。

2歳児の子どもは、まだ感情を上手にコントロールすることができないからです。

保育士が「そうだね、これ面白そうだもんね、触ってみたいよね」「こんな大きなお部屋に来たら大きい声だしてみたいよね」と気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。

欲求がかなわなくても、自分の気持ちをわかってもらえれば落ち着く場合もあります。

メモ>イヤイヤ期は成長の過程。周囲の人が子どもの挑戦を褒め、認めることで自尊心や自己肯定感を育てる。「やってみたい」という気持ちを我慢するのは子どもにとっても難しい。できない理由を伝え、やってみたいという気持ちを受け入れてあげる。

イヤイヤ期の対応が難しい・・・イライラしてしまう

もう何しても大声で「あっちいけ」「先生嫌い」って言われてメンタルがボロボロ・・・。

こっちは大人だし、仕事だから。と思ってもイライラしちゃうよね。

イヤイヤ期の子どもと接する場面は保育中、数えきれないほどあります。

担任であれば1日中20人近くのイヤイヤ期の対応をしているのですから、イライラしたり、疲れたりしてちょっとつらいですよね。

たとえば保育中、こんな場面があります。

子どもが靴下を一人で履こうとしています。なかなかうまくいかず、時間がかかっているので保育士が手を貸そうとしました。

すると子どもは激しく反抗し、保育士から離れてまた一人で靴下を履こうとしています。

保育士はどうしたらよいのでしょう。

・・・

子どもの反抗に対して「もう散歩行くから貸して」と一方的に押さえつけたり、「あれもこれも自分でやりたいの」という子どもの要求をなんでも聞き入れていませんか。

イヤイヤ期で大切なのは、子どもの主体性を大人が尊重する姿勢です。

子供自身を否定したり、拒否しているのではなく、その行為が認められないということを子供に伝えていくことで信頼関係は保たれます。

保育士が手助けしようとして子どもが拒否するのは「自分はできる」という自尊心が傷つけられたように感じるからです。

上記のような場面があったときはさりげなく手を添えて手伝ってあげたり、十分に子どもが物事に向き合ってから「すごい!ここまでできたんだ!もう少しで履けるね、先生にもちょっと手伝わせてくれる?」と自尊心を傷つけない対応をしましょう。

他にも子どもがどうしても危険なこと、たとえば高いところからひとりでジャンプするなど言い出して利かない場合があります。

そういう時は「ここから一人で飛ぶのは危ないからできないけど、先生と手を繋いでジャンプするならいいよ」など代替え案を出してあげるのも効果的です。

メモ>「それしちゃだめ」と子どもを一方的に押さえつけいない、「はいはい」と要求をなんでも受け入れない。子どもの自尊心を傷つけない。子どもの欲求を叶えてあげられないときは代替え案を出して子どもに決めさせてあげる。

子どもに好かれるためにはどうすれば良い?抱っこしていれば良いの?

先生大好きって言われたいから、求められるがままにいつでもずっと抱っこする。

子どもを抱っこしてあげたり、甘えさせてあげることも大事だけど、それじゃあ大好きな先生にはなれないよ。

子どもの大好きな人になる条件というものがあります。

乳児は生理的欲求を満たしてくれる人ということの他にも、いつも側にいてくれる人というのが条件のようです。

具体的な対応は以下のようになります。

場面 対応
嬉しい時 一緒に喜んでくれる
遊んでほしい時 楽しい遊びを提供、好きな遊びを知ってくれている
自分でしようとしている時 自立を励まし、喜んでくれる
不安な時 目を合わせ、体に触れ、声をかけてくれる
困った時 寄り添って助けてくれる

【参考】見る・考える・創りだす乳児保育―養成校と保育室をつなぐ理論と実践 (乳児保育・保育実習テキスト)

いつもべったり抱っこしてくれる大人ではありません。

メモ>いつも側にいて自分の心情を理解してくれる、気持ちに寄り添ってくれる大人のことを好きになる。

子どもが服を履いてくれない、用意した服を投げる

2歳になると好きなキャラクターがあったり、好きな色がありますよね。

服が汚れて保育士が着替えを出すと「やだ」と言って全然着てくれない、優しく誘っても全く聞かずに部屋の中を逃げるのです。

そういう時はその子のタンスの前に言って「どれにする?」と自分で決めさせてあげるとスムーズにいくことがあります。

たとえばタンスからズボンを2本か3本出して並べてあげましょう。

「どれが可愛いかな~好きかな~」など言って見守っていると、子どもが自分で選んで履いてくれるのです。

先ほども触れましたが、2歳は自我が芽生える時期なので「自分で決める」ことで納得してくれます。

メモ保育士が選ぶのではなく、子ども自身に着る服を選ばせてみる。自分で決めるとスムーズに受け入れてくれることがある。

まとめ

1歳児と接する時は「1歳児って難しいな」と感じ、2歳児と接する時は「2歳児が1番難しい」と感じます。

そして3歳、4歳・・・年齢それぞれの対応の難しさがあり、保育士としての自信をなくしたり、悩みを抱えたりするでしょう。

おそらく長年勤めていても、悩むことがあると思います。

参考書や先輩に指導を受けてそのまま実践してもうまくいかないこともありますが、日々の保育の中からヒントを得て、自分にあった改善策を見出していくしかありません。

子どもと接するのは時に難しいこともありますが、保育士という仕事は子供の成長を身近でみられる素敵な仕事なので、最善を尽くして日々子どもと向き合っていきましょう。

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