保育士2年目で辞めたいと思った人が今後に向けて考えておきたいこと

保育士の悩み

「頑張って1年は保育士を続けてきたけど、辞めたいという気持ちもあり、やもやしている」という2年目保育士の方は実は多いのです。

周りの人に相談しても「とりあえず3年やってみたら?」と言われるかもしれませんが、3年続けることが今の自分に合っているのかどうか見極めなければいけません。

本記事では2年目保育士の退職する見極めポイント、悩みの解決策を紹介します。

保育士2年目は辛い。辞めたいは甘え?

「仕事するのが嫌、めんどくさい」という理由で退職したいというのは甘えです。

「いじめやパワハラで毎日仕事に行くのが辛い」「サービス残業が多くて、給料が他の保育園に比べて少ない」などの理由で退職を考えているなら、それは甘えではありません。

親や先輩保育士に相談しても「誰でも就職して1、2年目の時は辛いよ」という言葉をかけられているかもしれません。

他にも「ここで2年で辞めるなら次も続かない」「違うところに行っても改善されるとは限らない」など厳しいことを言われることもあるでしょう。

実際に劣悪な労働条件の中でも10年、20年と長く働いている人もいます。

確かに忍耐力をつけるという意味では、我慢して働き続けることも大切なことですよね。

働き続けられるのなら、それに越したことはありません。

しかし今の悩みを「甘えかもしれない」と思い、頑張って続けた結果「あの時転職しておけばよかった、今更辞めるなんてできない・・・」ということにならないように、慎重な判断が必要です。

2年目で辞めるべき判断基準

2年目は他の1年目や3年目と比べて中途半端ということもあり、退職するべきか否か悩んでしまいますよね。

保育士も他業種も含めて言えることですが、自分に合うのか合わないのかというのは実際に働らいてみないとわかりません。

そのため実際に1年働いてみて、自分の将来設計と照らし合わせた時に「ここは適した環境じゃない」と思うのであれば、思い切って退職しても良いでしょう。

給料面では少しずつ上がっていきますが、長く続けたからといって保育園の雰囲気や待遇が改善される可能性は低いです。

まずは3つの判断基準を挙げます。

下の項目に当てはまる人は退職を決意して良いでしょう。

  • 自分の将来設計が明確で、ここで働き続けても将来性がない
  • 心身ともに疲れ果ててしまった
  • 労働と対価が釣り合っていないよ感じている

以下、詳しく上記の3項目について紹介します。

自分の将来設計が明確で、働き続けても将来性がない

将来性を感じない保育園とはどのような保育園でしょうか。

たとえば将来性のない保育園の例は以下の通りです。

  • 退職金制度を導入していない
  • 年間休日日数が少ない
  • 正社員になれる見込みがない

などが挙げられます。

上記の中でも「正社員になれる見込みがない」という点を挙げて説明します。

最近は正社員で雇ってくれるところが少なくなっているとはいえ、それでも正社員保育士として働いている人はいるのですから無理な話ではないはずです。

たとえば福利厚生の家賃手当を挙げても、正社員のみとなっている場合があります。

他の保育園で働いている友人は正社員で家賃手当がでているのに、保育園が違っただけで自分は正社員にもなれず、一人暮らしするのが難しいという状況が続いてしまうと辛いですよね。

仕事を辞めたい理由としてこういった悩みを抱えている場合は、働き続ければ続けるほど、時間が勿体ないです。

見極めポイント保育のスキルを身に付けたい、保育園の待遇に不満があるのが悩みという場合は、条件の良い職場を選ぶことで解決することができるので、退職することを進めます。

心身ともに疲れはててしまった

心身ともに疲れ果ててしまう原因は以下の点が考えられます。

  • いじめやパワハラが酷い
  • 子どもの命を守るという緊張感ある状態に疲れた
  • 毎日激務で体調を崩している
  • ストレスを感じ、毎日無理をしている

社会人は皆、それぞれ多少のストレスと付き合いながら、毎日働いています。

悩みやストレスが全くないという人は逆に珍しいかもしれません。

しかし大抵の場合は上手にストレス発散をして、なんだかんだ仕事も乗り切ることができます。

しかし上手に発散できず、ストレスが体調に現れてきたら、それは身体からのサインです。

たとえば以下のような症状はストレスが原因かもしれません。

  • 食欲がわかない
  • 何もしてなくても涙がでる
  • 毎日のように頭痛がする
  • 毎日のように吐き気がする

乗り越えられそうなストレスや身体の疲れなら良いのですが、一度体調を崩してしまうとなかなか元の健康な状態に戻るには時間がかかってしまう場合があります。

見極めポイントストレスが体調に現れ始めたら、退職に踏み切った方が良いでしょう。まずはゆっくり休むことを進めます。そして自分の雰囲気に合う職場を探しましょう。

労働と対価が釣り合っていないと感じる

保育士は普段の保育にプラスして、事務仕事の量もかなり多いです。

たとえば休憩時間というのも名前だけで、実際は存在しません。

子ども達が寝ている時間は必死に連絡ノートを記入して、壁面制作をして、個人記録を書いて・・・と空いた時間を活用して事務仕事をこなしています。

それでも終わらないものはサービス残業、それでも終わらなければ自宅に持ち帰って仕事をする保育士も珍しくはありません。

そんな生活を繰り返していたらゆっくり休む暇もなく、仕事へのやる気がでなくなってしまったという2年目保育士もいるのではないでしょうか。

そしてこんなに頑張っているのに、給料をもらうと「これだけ・・・・」と思うと切ないです。

たとえば元々基本給が高い保育園にいけば問題は解決します。

他にも勤務時間中に事務時間をくれたり、サービス残業ではなく、残業手当がでれば納得できますよね。

見極めポイント休憩ないのは変わらないかもしれないけど、残業や働き方は条件の良い職場を選ぶことで解決することができるので、退職することを進めます。

2年目保育士が辞めたいと思うきっかけ、改善策

上記に当てはまる保育士の方は退職を進めます。

上記に当てはまらない保育士の方でも「仕事辞めたい」と思い、悩んでいる人はいますよね。

2年目保育士が退職したい、辛いと思う理由はなんでしょうか。

以下、悩みの解決策を紹介します。

保育力を高めたいのに、身近に目指すべき保育士像がない

たとえばやる気や向上心があり、保育に熱心な人が多い保育園もあれば、保育の内容が適当で業務的に仕事をこなしている人が多い保育園もあります。

  • 保育士としての魅力を高めたい
  • 子どもが夢中になって遊べるような保育のネタが欲しい
  • 先輩保育士から保育の技を学びたい

上記のような向上心のある保育士の方からすると、やる気がない保育士が多い保育園にいても正直学ぶことが少ないですよね。

せっかく保育士としてのスキルを身に付けたいと思っていても、先輩保育士はダラダラと保育するだけ・・・というのは辛いです。

先輩保育士がいきなり向上心をもって、質の高い保育をするというような奇跡は起きないでしょう。

解決策先輩から学ぶことは難しいかもしれませんが、セミナー等でスキルアップすることはできます。先輩の他にもパート職員がどのように子どもと関わっているかなど、アンテナを張って保育のヒントを掴みましょう。

2年目保育士に後輩指導はキツイ

2年目で後輩指導を任されている人もいるかもしれません。

主任やベテラン保育士が大事な説明だけをして、日常で指導するのは2年目がするということがあります。

確かに去年まではあなたも1年目。何がわからないのか、他の誰よりも新人の気持ちに寄り添うことができるでしょう。

2年目保育士が後輩指導につくことも珍しいことではないですが、2年目保育士はまだまだ自分の仕事のことで精いっぱいで、自分にも余裕がありません。

正直「まだ教えられる状況にないよ」と思ってしまいますよね。

たとえば感情的に新人に怒ってしまい、自己嫌悪になることはありませんか。

最初は優しい先輩になろうと決め、後輩と仲良くしたかったのに自分でも「こんな先輩嫌だ」と思ってしまう先輩に自分がなってしまっていると感じた時、悲しくなってきますよね。

実際はあなたが悪いのではなく、2年目の保育士を指導係にする保育園側に問題があるかもしれません。

解決策自分を責めずに、素直に後輩に「怒ってばかりでごめんね」と打ち明けるだけで心が軽くなります。「私もまだ2年目だから、一緒に学んでいこう」というスタイルで良いのです。荷が重すぎると感じるなら主任に相談するのもアリでしょう。

保育士向いてないのかもと不安になる

1年保育士としてやってみて「私って保育士に向いていないかも」と自信をなくしてしまう時ってありますよね。

おそらく3年目、5年目になってもこれを理由に悩む時期がくるでしょう。

はじめから自分が思い描く保育はできないのです。

誰かに「あなた保育士向いてないよ」と言われても、自分が「保育士をしたい」と思うなら、保育士として働き続けて良いのです。

他にも保育園によって保育士の在り方は様々で、しっかりとた指導のもとで真面目なプロセスを経て保育をするところもあれば、「先生の好きなようにしてごらん」というのびのび保育ができるところもあります。

自分のやりたい保育、保育園の雰囲気が合わないということもよくあるのです。

そういう時は転職を考えるのも良いかもしれませんね。

解決策子どもが好き、保育士を続けたいと思えるなら、経験を積むことで自信がついてくるはずです。保育方針が合わないのなら、転職を考えるのも良いでしょう。

2年目で辞めることのメリット・デメリット

2年目で辞める、続けると決意する前に、それぞれのメリットデメリットを確認しておきましょう。

そして自分の状況、性格に合った選択をすれば後悔もしません。

自分の将来を考えながら、辞めるか辞めないかの決断をしましょう。

メリット

2年目で辞めることのメリットは以下の通りです。

  • 第二新卒を欲しがる企業は割と多い
  • ストレスの原因となるものから解放される
  • 新しい職場で経験を積める

辞めることに躊躇してたら、ずるずるとチャンスを逃すかもしれません。

今辞めて、転職して新しい職場でキャリアアップすることもできるのです。

もし現在の職場でもう1年働くのなら、その分新しい職場の経験は積めずに遅れてしまいます。

ちなみに筆者なら「もうここ(職場)は違うな」と思ったら、1年目でも2年目でも辞めます。

「違うな」と思いながら、1年働き続けるのは「なんのために働いているのかわからない」と感じてしまうからです。

もちろんその人次第で意味のある時間になりますが、そこは自分の性格を踏まえながら考える必要があるかもしれません。

「辞めたい」と思いながら働き続けることが苦痛、自分の求める条件の職場をは早く探してそこで経験を積みたい人にとっては2年で辞めることはメリットになります。

デメリット

石の上にも三年って誰が考えたんだろう。もう古くない?3年勿体ないわぁ。とか言ったらゆとりとか言われるんだろうな。

でも現実、そういう考えの人も多いのも現実だろうね。

2年目で辞めることのデメリットとしては以下の通りです。

  • すぐ辞めるという印象がついてしまう
  • 転職しても改善されない問題もある

転職しても改善されない問題とは、たとえば保育士として再就職をするとしたら事務仕事の多さや休憩時間がない、などの問題は保育士の職業柄解決するのは難しいかもしれません。

この場合、自分は何が理由で辞めたいのか、という点が重要になります。

そして3年以内に辞める人に対して、世間は「すぐに仕事を辞める人」という印象を持ちます。

やはり3年、5年という数字にはその人の忍耐力や責任感を示す上で判断材料になるのです。

もしかしたら「辞めたい」という感情も一時のもので、続けていたらやりがいや職場の良い部分に気づき、勤め続けられる可能性もあります。

現在の職場に対する不満が漠然な人、続けていける気持ちがある人にとっては2年で辞めるのは勿体ないです。

いずれ辞めたい気持ちはあるけど続けていける気持ちがあるなら、長く働けることに越したことはないのですから辞めずに3年4年と働ける方が良いのです。

「あと1年頑張れば3年で退職って職歴に書ける」と思って頑張るのか、新しい職場で1年経験積むのか、この1年の使い方はあなた次第ですね。

年度途中で辞めるのはあり?1年の使い方はあなた次第

「このまま働いていても無駄だ」と思ったとしても、それが年度途中なら年度末に辞めることが1番良いです。

保育士として1年働いたあなたならわかると思いますが、年度途中で保育士が1人でも減ると残された保育士に迷惑がかかってしまいます。

先ほど触れた退職するべき判断基準を例に挙げると、心身ともに疲れてしまったなどの体調不良の理由以外は、職歴にも残ってしまうので年度途中で辞めるのはオススメしません。

しかし職歴よりも大事なのは自分の身体ですから「年度末まで続けていたらダメになりそう」と思うなら思い切って辞めましょう。

退職を考えている保育士の方は以下のリンク記事がおススメです。

参考:保育士にとっての辞めるタイミング、時期や辞め時はいつがいい?

年度途中で辞めたい保育士の方は以下のリンク記事を読んでみてくださいね。

参考:保育士が突然辞めるのはNG?退職届の有無や退職の手続きについて

まとめ

上記でも触れた通り、長く続けられるならそれに越したことはありません。

実際、長く続けることで解決する悩みも多いのです。

しかし2年で辞めることが悪いということでもないので、「違うな」という自分の感覚を信じて転職することも良いでしょう。

3年、5年という言葉に縛られずに、大切なのは自分の将来設計をしっかりすることです。

最終的には自分が決めるのですから、自分が後悔しな選択をしてくださいね。

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