以前から保育士として働いている方は処遇改善手当(※)の説明をうけ、実際にコツコツの研修に入っている保育士も多いでしょう。
※正式には処遇改善加算
最近保育士として働いている人や、説明がわかりずらくイマイチ研修に行く意味がわからない保育士の方もいます。
実はキャリアアップのため、給料アップのために研修に行くことはかなり重要なことなのです。
本記事では処遇改善加算の取り組みの一つ、キャリアアップ研修のねらいや内容について詳しく紹介します。
キャリアアップの必要性
保育士って園長・主任・副主任の他には役職ってないよね。長く働いたとしても、主任になるまでは何を目指して仕事を続ければ良いんだろう。
以前まではそうだったよね。でも今は専門リーダーとか職務分野別リーダーっていうのが新しくできたんだよ。給与にも関わってくるから、知っておかないとね。
キャリアアップとは、保育士でいう保育の分野での専門知識や能力を向上させることや経歴を高めることを言います。
経歴を高めるという点で、保育士は一般の会社のような役職、たとえば〇〇部の課長・部長・係長などの役職が少ないのです。
園長・副園長は基本的になれる可能性もありますが道のりがかなり長く、主任になるにも大抵は20年以上保育士経験があるといったようないずれもベテランにしか務まらない役職です。
そうなると20代や30代の保育士は役職もないまま、5年後10年後の目標にすべきものがありません。
そんな保育士の働き方を改善すべく、厚生労働省の調査研修協力者会議では保育士のキャリアパスを構築するために研修実施体制の検討をし、平成28年12月「保育士のキャリアパスに係る研修体系等の構築について」発表しました。
そして保育士の待遇改善のために平成25年から平成29年までの4年間で月額2万千円の給与増額を目指して「処遇改善等加算」という制度がスタートしたのです。
目的としては保育士の給与改善とキャリアアップです。
冒頭でも触れましたが給料アップのために、キャリアップすることが必要となります。
キャリアアップ研修とは
では実際、キャリアアップのために何をするのかと言うとキャリアアップ研修を受けます。
キャリアアップ研修とは、一言でいうと研修を受けることによって技能向上や専門的な知識を高まり、それに応じた役職につくことができるという仕組みです。
厚生労働省の「キャリアアップ研修の実施について」からの引用が以下通りです。
近年、子どもや子育てを取り巻く環境が変化し、保育所に求められる役割も多様化・複雑化する中で、保育士には、より高度な専門性が求められるようになっており、日々の保育士としての業務に加え、各種の研修機会の充実によって、その専門性を向上させていくことが重要となっています。
引用:厚生労働省「保育士等のキャリアアップ研修の実施について」
研修に参加することで知識をつけ、保育士としての専門性を高めることが重要ということですね。
今般、公示を行った保育所保育指針(平成 29 年厚生労働省告示第 117号)では、「保育所においては、当該保育所における保育の課題や各職員のキャリアパス等も見据えて、初任者から管理職員までの職位や職務内容等を踏まえた体系的な研修計画を作成しなければならない」ことが盛り込まれたところです。
引用:厚生労働省「保育士等のキャリアアップ研修の実施について」
保育の現場では園長、主任保育士の下で初めて中堅の保育士様々な課題への対応や若手保育士の指導等を行うリーダー的な役割を与えられて職務にあたっています。
今まではたとえ通常の仕事にプラスして新人指導をしていても給料が加算されるということはなく、指導にあたる保育士は負担が増えるだけでした。
しかし上記の引用文内にも「職位や職務内容等を踏まえた」とあるように、指導をする上での適切な助言や能力向上のために研修を受ける必要があるとされています。
先ほども触れたとおり研修によって知識や能力が向上し、それに応じて役職につけるようにするため、さらには給与の加算を受けられるようにするためということがこのキャリアアップ研修の目的です。
職務内容に応じた専門性の向上を図るために、研修機会を充実させることが重要ということでつくられたものになります。
キャリアアップ研修のメリット
キャリアップ研修を受けるメリットは大きく分けて2つあります。
- 役職がもらえる
- 役職に応じて給料が上がる
以下それぞれについて詳しく説明します。
役職がもらえる
年数に応じて少しずつ給与は上がりますが、長年勤めていても役職をもらえない保育士も沢山います。
たとえば20年ベテラン保育士が4人いる保育園があったと仮定します。1人は主任になったとしても、あとの3人は役職がないという状況です。
同じ年数働いて、知識も能力も殆ど同じだったといても1人しか役職をもらえないとしたら、不公平ですよね。
他にも20代、30代にも役職というものがないのです。
そこで先ほど触れたとおり厚生労働省による処遇改善加算により、新たな役職がプラスされました。
副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダー(※現在の時点では仮称)という役職です。
施設の職員数の概ね1/3が対象となる副主任保育士の要件は以下の通りです。
- 経験年数概ね7年以上
- 職務分野別リーダーを経験
- マネジメント、3つ以上の分野の研修を修了
- 副主任保育士としての発令
公定価格上の職員数全体(園長等の管理職を除く)の概ね1/3を対象とする仕組みになります。
施設の職員数の概ね1/5が対象となる専門リーダーの要件は以下の通りです。
- 経験年数7年以上
- 職務分野別リーダーを経験
- 4つ以上の分野の研修を修了
- 専門リーダーとしての発令
職務分野別リーダーの要件は以下の通りです。
- 経験年数3年以下
- 担当する職務分野の研修を修了
- 修了した研修分野にかかる職務分野リーダーとしての発令
この職務分野別リーダーは同じ分野について複数の職員に発令してもよいものです。
給料が上がる
給料が上がることは、仕事をする上でモチベーションにも繋がりますし、生活に関わってくるので大切ですよね。
副主任保育士と専門リーダーの役職についた保育士は月額4万円の処遇改善があります。
職務分野別リーダーの役職についた保育士は月額5千円の処遇改善があります。
ちなみに先ほど紹介したこの処遇改善手当によって、保育園で働く全ての人を対象に月額5千円以上4万円以下処遇改善されました。
どんな研修を受けるのか
以下の分野について研修を受けます。
- 乳児保育
- 幼児保育
- 障害児保育
- 保健衛生・安全対策
- マネジメント
- 保育実践
1分野15時間以上の研修を受けることで、習得したということになります。
保育士資格を持っている人は、保育士になる前に大学や専門学校、それぞれの参考書等でも「乳児保育」や「障害児保育」などは学んだことがありますよね。
しかしその知識や情報も時代が進むにつれて、常識とされていたことも変わります。
そのため、保育士になった後も研修で知識の再確認をしたり、新しい知識を身に付けることが大切です。
講師はどのように選ばれるのか
厚生労働省の「保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要」によると、指定保育士養成施設の教員または研修内容に関して、十分な知識及び経験を有すると都道府県知事が認める者と記されています。
ちなみに筆者が研修に行った時には保育関係の大学教授や助産師、保育園の園長先生が講師をしていました。
研修後、試験の有無
えー試験あったら無理~。なんか緊張する。
研修修了後、試験はありません。
その代わり研修の受講を確認するために、研修の受講後にレポートを自園の園長に提出する必要があります。
そして研修に参加した保育士が研修内容に関する知識や技能、それを実践する際の基本的な考え方や心得をどのように認識したかを確認します。
研修終了証
研修修了したことを証拠とするものが研修終了証です。
研修修了後、保育士に都道府県・研修実施機関から研修終了証が交付されます。
そして都道府県・研修修了機関は研修修了者の保育士登録番号や氏名、生年月日、住所等を記載した研修修了者名簿を作成し、管理します。
研修終了証を持っていれば、違う都道府県で保育士をしても研修が完了したことが有効となります。
たとえば認定こども園などを対象に「キャリアパス制度」というものが設けられています。
キャリパス制度とは、一定の勤続年数があり、キャリアアップ研修を受講しているなどの条件を満たしていると、園内に新設する役職に就いた場合、最大4万円が月収に上乗せされるという制度です。
キャリアアップ研修の流れ
キャリアアップ研修の流れをまとめると以下の通りです。
- 研修に参加する(各分野15時間以上)
- 研修終了証が交付される
- 役職の発令
- 給料に役職手当が加算される
各分野15時間以上となっていますが、15時間受講するのは容易ではありません。
この研修は平日や土日、関係なく行われます。
平日であれば1日休むことになりますが、人が少ない保育園だと保育士配置のためになかなか受講できないという保育士もいるかもしれません。
また研修の応募が殺到している時にも、あふれてしまった保育士は受けられないことがあります。
キャリアアップ研修の分野と分野別具体的な内容
それぞれの分野のねらいや内容はどのようなものを学べるのでしょうか。
厚生労働省の「保育士等キャリアアップ研修の実施について」を参考に、以下まとめていきます。
乳児保育
乳児保育とは主に0歳児~3歳未満児向けの保育に関する内容を受講します。
最近は乳児保育の重要性について注目されています。
3歳までの経験や性格が土台となり、3歳以降の成長を支えるのですから、そこに関わる保育士の役割もしっかり果たさなければいけませんよね。
ちなみに筆者も乳児保育の研修を受けましたが、助産師さんの話しで赤ちゃんの泣き止ませ方や泣き続ける赤ちゃんに対して自分が苛立ってしまった時にどのように対応したら良いか、などかなり実践的な講義が聞けて、日々の保育にかなり役に立ちました。
ねらい
乳児保育のねらいは以下の通りです。
- 乳児保育に関する理解を深め、適切な環境を構成する
- 個々の子どもの発達の状況に応じた保育を行う力を養う
- 他の保育士等に乳児保育に関する適切な助言や指導ができるように実践的な能力を身に着ける
赤ちゃんにとってどんな保育が心地よいか、赤ちゃんとの信頼関係をどう築くかなど保育の基礎となることを学べます。
内容
乳児保育の内容は以下の通りです。
- 乳児保育の意義
- 乳児保育の環境
- 乳児への適切な関わり
- 乳児の発達に応じた保育内容
- 乳児保育の指導計画、記録及び評価
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 乳児保育の役割と機能
- 乳児保育の現状と課題
- 乳児保育における安全な環境
- 乳児保育における個々の発達を促す生活と遊びの環境
- 乳児保育における生活習慣の援助や関わり
たとえば新卒で赤ちゃんと接したことがないのに乳児クラスの担当になり、毎日困惑しているといった保育士にもこういった研修を受けることで知識がつき、保育が楽になるでしょう。
幼児教育
主に3歳以上児向けの保育や教育に関する内容を受講します。
最近ではこども園が増えていることもあり、保育士でも幼稚園教諭のような教育的な役割を求められることがあります。
そういったときに就学前の子どもに関する知識を学ぶ機会があるのは、とてもためになりますよね。
ねらい
幼児教育のねらいは以下の通りです。
- 幼児教育に関する理解を深め、適切な環境を構成する
- 個々の子どもの発達の状況に応じた幼児教育を行う力を養う
- 他の保育士等に幼児教育に関する適切な助言や指導ができるように、実践的な応力を身に付ける
幼児期の成長について、どんな遊びをすることが子どもの社会性を育てるのか、幼児期にどのような体験をすることが子どもの可能性を広げることができるのかということを学びます。
内容
幼児教育の研修内容は以下の通りです。
- 幼児教育の意義
- 幼児教育の環境
- 幼児の発達に応じた保育内容
- 幼児教育の指導計画、記録及び評価
- 小学校との接続
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 幼児教育の役割と機能
- 幼児期にふさわしい生活
- 一人一人の発達の特性に応じた指導
- 脂質と能力を育むためび保育内容
- 小学校のカリキュラムの理解
たとえば研修会場に来ている保育士同士で実際に対応に困っている子どもの対応についてケース検討などをして、より実践的な問題の解決方法を探すこともあります。
研修の会場には、それぞれの保育園から来た保育士の方がいるのでどんな遊びが流行っているか、どんな設備や玩具があるのか、など新しい発見やためになる話を聞けるチャンスでもあります。
障害児保育
保育士として働いていると「この子もしかしたらグレーかもしれない」と不安に思ったり、子どもの対応について悩むことって意外と多いですよね。
※グレーとは・・・発達障害があるかもしれない
しかしなかなかそれ保護者に話すことも難しく、個人の判断で動くことはできません。
日々の保育で自分の対応が適切なのか不安で専門的な人に助言をしてもらいたくてもそういった機関を利用するにはまた保護者の許可が必要だったりします。
保育士がもっと専門的な知識があれば、スムーズな保育や保護者との連携ができますよね。
ねらい
障害児保育のねらいは以下の通りです。
- 障害児保育に関する理解を深め、適切な環境を構成する
- 個々の子どもの発達の状況に応じた障害児保育を行う力を養う
- 他の保育士等に障害児保育に関する適切な助言や指導ができるように、実践的な応力を身に付ける
まずは障害児保育に対する知識がないと、子どもの気持ちに寄り添うことも難しくなってしまいます。
そのため子どもの発達や状況に応じた保育の配慮を身に付ける必要があります。
内容
障害児保育の内容は以下の通りです。
- 障害の理解
- 障害児保育の環境
- 障害児の発達の援助
- 家庭及び関係機関との連携
- 障害児保育の指導計画、記録及び評価
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 障害のある子どもの理解
- 医療的ケア児の理解
- 合理的配慮に関する理解
- 障害児保育における個々の発達を促す生活と遊びの環境
- 保護者や家庭に対する理解と支援
発達障害の子がどのような環境があれば、パニックを起こした時に落ち着くことができるのか、どのような遊びをすることで楽しいと感じ他の子ども達と人間関係を築けるのかなど、具体的で専門的な知識を学べます。
食育・アレルギー対応
食育やアレルギー対応に関して、保育士の知識だけでは不十分でした。
たとえばアレルギーに対応もアレルギーは命に関わることですが、保育士にとっては不明点が多いのです。
アレルギー疾患のある子どもの親がかかりつけの医師と相談し、保育園に報告し、食事方法を決めるといった流れだったので調整の時間や手間がかかります。
保育士がアレルギー対応の知識がしっかりあれば、スムーズになりますよね。
ねらい
食育・アレルギー対応のねらいは以下の通りです。
- 食育に関する理解を深め、適切に食育計画の作成と活用ができる力を養う
- アレルギー対応に関する理解を深め、適切にアレルギーに対応を行うことができる力を養う
- 他の保育士等に食育・アレルギー対応に関する適切な助言や指導ができるように、実践的な能力を身に付ける
アレルギーに関しての知識がないと、アレルギーの子の食事の介助をするのも不安ですよね。
最近はアレルギーをもっている子も多くなっています。そのため実践的な能力を身に付ける必要があります。
内容
食育・アレルギー対応の内容は以下の通りです。
- 栄養に関する基礎知識
- 食育計画の作成と活用
- アレルギー疾患の理解
- 保育所における食事の提供ガイドライン
- 保育所におけるアレルギー対応のガイドライン
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 栄養の基本的概念と栄養素の種類と機能
- 衛生管理の理科うと対応
- アレルギー疾患の理解
- 食事の提供における質の向上
- アナフィラキシーショック(エピペンの使用方法を含む)の理解と対応
アナフィラキシーショックというのはアレルゲン物質が体内に入り、臓器や全身に症状が起こり、命に危険が及ぶ過敏反応のことです。
その中でも意識障害(意識不明など)、血圧低下を伴う状態をアナフィラキシーショックと言います。
たとえどんなに気を付けていても、こういった事故は起こる可能性もあります。
もしかしたら看護師が不在の土曜日の昼に起こった場合、保育士が緊急に対応することもあるでしょう。
もしもの時の正確な対応を学ぶのは大切ですよね。
保健衛生・安全対策
保育園では消毒液を作ったり、管理しています。それは玩具の消毒や、食事の際にテーブルを拭くときなども使いますよね。
他にもそれは子どもが嘔吐した時にも使います。
正確な吐物処理を行わないと、流行り病はすぐにクラス全体の子ども達や職員にも広まってしまいます。
そのために保健衛生、また環境整備のために安全対策を学ぶ必要があります。
ねらい
保健衛生・安全対策のねらいは以下の通りです。
- 保健衛生に関する理解を深め、適切に保健計画を作成と活用ができる力を養う
- 安全対策に関する理解を深め、適切な対策を講じることができる力を養う
- 他の保育士等に保健衛生・安全対策に関する適切な助言や指導ができるように、実践的な応力を身に付ける
子どもにとって保育園、保育室は安全な場所でなければいけません。
保育園が古かったり、狭かったりすると子どもの怪我に繋がることもありますよね。
そういったことをどのように補い、どのような環境作りをしたら良いのかを学びます。
内容
保健衛生・安全対策の内容は以下の通りです。
- 保護者支援・子育て支援の意義
- 保護者に対する相談援助
- 地域における子育て支援
- 虐待防止
- 関係機関との連携・地域資源の活用
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 個別的な配慮を必要とする子どもへの対応(慢性疾患等)
- 事故防止及び健康安全管理に関する組織的取り組み
- 体調不良や障害が発生した場合の対応
- 災害への備えと危機管理
- 保育所における感染症対策ガイドラインの理解
たとえば医療関係の大学の教授や、医師の人が講師をしてくれます。
胃腸炎について、ノロウイルスについて、インフルエンザについてなど子どもの身近な病気についてなど詳しく説明してくれます。
保育園内にいても病気に対しての知識は曖昧な保育士も結構います。
身体のどこにブツブツができたら、手足口病なのか、それとも溶連菌なのか正しい知識があれば正しい対処ができます。
マネジメント
マネジメントの研修を受ける対象者は、各分野におけるリーダー的な役割をに担う者としての経験があり、主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う者となっています。
※当該役割を担うことが見込まれるものを含む
ねらい
マネジメントのねらいは以下の通りです。
- 保育士の下でミドルリーダーの役割を担う立場に求められる役割と知識を理解する
- 自園の円滑な運営と保育の質を高めるために必要なマネジメント・リーダーシップの能力を身に付ける
主任保育士の仕事量はかなり多いです。保育園によってはシフト作成や保育園見学者への対応、行事の現場監督等の全てを主任一人でやっているところもあります。
主任の負担を軽減するためにも、すぐ下にリーダーがいてくれると良いですよね。
内容
マネジメントの内容は以下の通りです。
- マネジメントの理解
- リーダーシップ
- 組織の目標の設定
- 人材育成
- 働きやすい環境づくり
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 組織マネジメントの理解
- 関係法令、制度及び保育指針等についての理解
- 保育実習への対応
- 雇用管理
- ICTの活用
最近では保育士の業務の負担を軽減するためにICTを活用している保育園があります。
導入するには資金が必要なので、全ての保育園で導入ということは難しいですが、保育士としては業務の負担が減るのは有難いですよね。
※ICTとは・・・コンピューター技術を使って情報や知識の共有することができるシステム
保育実践
「保育士は給与が低いから」「長年勤めても給与が上がる仕組みもなくて将来性がない。と思って保育士を辞めた人もこれなら保育士に戻ろうと思ってくれるかもね。
そうそう、それでも現場から長年離れてると感覚も忘れてしまって不安だけど、研修があるならいいよね。
保育実践の研修を受ける対象者は、保育所等の保育現場における実習経験の少ない者(保育士試験の合格者等)、長期機関、保育所等の保育現場で保育を行っていない者(潜在保育士等)です。
たとえば潜在保育士の場合、3年や5年現場から離れていると保育の知識を忘れていたり、保育士として働くことに不安を感じているかもしれません。
研修をうけて子どもの姿を見たり、関わることで子どもへの理解が深まり、自分の自信にも繋がっていきます。
ねらい
保育実践のねらいは以下の通りです。
- 子どもに対する理解を深める
- 保育者が主体的に様々な遊びと環境を通じた保育の展開を行うために必要な能力を身に付ける
子どもと遊ぶ経験が少ないと、どのように接したら良いのかわからないですよね。
内容
保育実践の内容は以下の通りです。
- 保育における環境構成
- 子どもとの関わり方
- 身体を使った遊び
- 言葉・音楽を使った遊び
- 物を使った遊び
具体的な研修内容は以下のようなものが考えられます。
- 子どもの感性を養うための環境構成と保育の展開
- 子どもの発達に応じた援助方法に関する実践方法
- 身体を使った遊びに関する実践方法
- 言葉・音楽を使った遊びに関する実践方法
- 物を使った遊びに関する実践方法
たとえば子ども同士の喧嘩の仲裁に入る時のケース検討や、子どもが楽しいと思える遊びの展開について学べます。
まとめ
たとえば新人保育士が先輩保育士に保育に関する疑問を聞いても「適当にやってれば大丈夫」と言われてしまうなど、せっかく保育士になっても現場によっては学ぶことができないこともあります。
後輩としては適切な知識、適切な指導が欲しいです。
そして先輩保育士に適当なことを言われても困りますが、持論で語られても果たしてそれが本当に適切なのかわかりません。
保育の経験を積んでいることと、指導力とはまた違います。
とはいえ、先輩保育士が悪いのではなく、今まではそれを学ぶ機関や研修がなかったのですから仕方ありません。
そのため研修で専門的な知識を学び、指導に関する技能を学ぶことによって人材育成も改善・向上していくと良いですよね。
普段の仕事の他にも研修を受けるのは容易ではありませんが、役職取得、給料アップのためにコツコツ研修を受けましょう。
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