保育士の離職率が高いことは世間でも多く知られています。
実際に保育士として働いている人の中でも「仕事辞めたい」と思いながら働いている人も多いでしょう。
悩んでいるときに「保育士っていつ辞めるのがベストなんだろう」「辞めたいけど園長に対して伝え方がわからない」など考えているうちにだんだんとタイミングを失っていませんか。
本記事では保育士の辞め時はいつなのかそして保育士のみんなが辞めたいと思う理由など紹介していきます。
保育士の辞める時期はいつがいいか
辞める時に揉めたり、残る職員に何か文句を言われるのは面倒くさいですよね。
そして「辞める」と決めた本人であっても、いつ頃やめるのが良いか心の準備や段取りをまず整理したいところです。
保育士の辞め時はいつなのでしょうか。
理想は3月末
円満にやめるのであれば三月末、年度末です。一般的にもこの時期に多くの保育士が辞めています。
もしクラスの担任をしているなら、成長記録やクラスのまとめの仕事が3月いっぱいまでありますよね。年度途中に辞めてしまうと誰かが変わりをしなくてはいけません。
3月末なら保育園側に最も迷惑がかからない時期です。
他にも、1~3月は求人数が多く有効求人倍率も高いのでベストタイミングと言えます。
そして園長に言うのタイミングとして、年明けの3月に辞めるとしても11月~年末には園長に伝えておくとトラブルが起きません。
※有効求人倍率とは・・・企業からの求人数(有効求人数)をハローワークに登録している求職者(有効求職者数)で割った値。高いと転職者にとって有利。
年末(12月末)でも可
年末はイベントごとが一通り終わっていること、そして有効求人倍率もそれなりに高いので辞め時としては良い時期です。
ただし保育園側としては若干迷惑で、年度末までは働いて欲しいと引き止められる場合もあります。
1年間の総まとめをしなくてはいけないので2、3が月は、1年の中でも最も忙しい時期です。
保育園側も職員が一人足りない状態で最も忙しい時期を迎えることは避けたいと考えるでしょう。
「3月まで待てない」「今年中に辞めたい」という人はこの年末に辞める保育士も少なくないのです。
その他の時期でも辞めても大丈夫
人間関係や身体の不調の理由で、このまま続けていたら自分がダメになってしまうと感じるのであれば思い切って辞めてしまいましょう。
厚生労働省平成29年度「保育士の有効求人倍率の推移」の表を見ると、保育士の有効求人倍率は1年中高いのです。最も低い4月でも1.5倍以上あります。
大きなストレスを抱えたまま無理して、年度末までと頑張ってしまうと体を壊すかもしれません。
「もう無理」と思ったらどんな時期でも辞めていいのです。保育園側の都合ではなく自分の都合を優先しても良いのですよ。
そもそも仕事を辞めることは労働者の権利であり、時期が悪いからと言って引き止める権利は保育園側にはないのですから身体を壊すくらいなら辞めたい時に辞めるべきです。
他業種への転職について
もう保育士自体やめちゃいたいんだよなー。
他業種の転職もありだよね。一つの業種に縛られることはない!
もう保育園自体を辞めて他業種への転職を考える場合、時期による転職のしやすさは大きく変わらないので気にする必要はありません。
求人自体は4月入社に向け1~3月に増えるが、その分求職者も増えます。1年通して有効求人倍率はそれほど変わらないのです。
自分の理想の職場を求めて、保育士ではない違う仕事をしてみるのも良いですよね。
辞めるタイミングはいつ?
保育士1年目、2年目・・・「辞めたい」と思うタイミングは人それぞれです。
「私は〇年目だから転職には不利かも」と感じる必要はありません。皆自分のタイミングで転職をしています。
それでも「辞めるタイミングはこれくらい。」という指標があれば計画しやすいですよね。以下、理由別の辞めるタイミングをまとめています。
保育士の転職適齢期について
保育士に限りませんが、やはり転職するなら若いうちが良いでしょう。
20代のうちに生涯続けていく仕事を決めた方が後々の苦労を考えた時に、リスクが少ないです。
たとえば保育士であれば腰痛などの職業病があります。腰痛というのは出産や子育てに際に身体に対して大きな負担になります。
長く続ければそれだけ悪化する可能性も高くなります。そのため身体の負担を考えると早い方が良いですね。
30代や40代で転職してしまうと、先輩にあたる人が自分よりも年下・・・なんてことがあります。
そして30代で理想の職場を見つけられたら良いですが、見つけられない場合、30代になってもキャリアもつめずに職場を転々とすることになります。
30~40代であっても仕事はありますし、成功する人もいるのは事実です。
しかし現実的に考えると友人や同年代の人達との収入の差が開いてしまい、精神的にきついかもしれません。
入社1~3年目の保育士が辞めても問題はない?
保育士への転職の場合は若さは有利に働くことが多く、たとえ経験が浅くても転職は可能です。
保育士から他業種への転職でも特に大きな問題は生じません。今は新卒入社1~3年目を対象にした第二新卒転職の需要が非常に高くなってきています。
劣悪な職場でも長年続けている強靭な精神の持ち主もいますが、そんなに頑張る必要もありません。
「今は辛いけどここで頑張れる」という見込みや気持ちの面で余裕があるなら良いですが、不満がある職場で働き続けることはかなりのストレスになってしまうのです。
ストレスを抱え続けて働くなら入社1年目、2年目などの年数は辞めることに問題ありません。
理由別の仕事を辞めるタイミング
保育士を辞めたい理由によってもタイミングは変わってきます。
いつ頃辞めたいか、というのも大切ですが勿論理由によっては「今すぐにでも辞めた方が良い」こともあるのです。
以下、辞めたい理由に応じた辞めるタイミングを紹介します。
結婚
円満に辞めたいなら3月末、引っ越しが必要等でやむを得ない場合は年度途中でも仕方がありません。
しかしその場合は事情をしっかり説明するすることで円満に退職することができます。
せっかく結婚という喜ばしい人生のイベントの思い出なのですから、嫌な思いはしたくないですよね。
妊娠
出産前に辞めると、育休手当等が貰えなくなってしまいます。
自分の体力と相談して辞めるタイミングを検討しましょう。
まずは自分の健康を一番に考え、保育園の都合等は全く気にしなくても良いのです。産休育休後に復帰しようかどうか迷っているのであれば保育園側ともよく相談してください。
体力、精神的な限界
「限界だな」と感じているなら、すぐ辞めることを視野に入れましょう。
体を壊すくらいなら辞めるべきなのです。人への迷惑などを気にするよりも自分のことを優先してくださいね。
一度落ち込んでしまったら身体も精神面も回復に時間がかかるので、自分で見極めて「やばい」と感じる前に辞めてしまいましょう。
他の保育園へ転職したい
どうしても働きたい保育園があって、もしそこが求人を募集しているならすぐに応募することをおすすめします。
なぜなら求人は時間が経つとなくなってしまうからです。さらに人気の保育園、条件の良い保育園なら尚更すぐに人が集まってきますのでチャンスを逃してしまうのは嫌ですよね。
他にも漠然と違う保育園に転職したいと考えているなら、3月末まで仕事を続けるのがやはりベストになります。
保育園側に最も迷惑がかからず円満退職できること、先ほど触れたように求人数も多いことが理由です。
保育士の辞め時、こんなことを思ったら辞めることも考える
辞める時期は別途検討するとして、こんなことを考えたら今の保育園はすでに辞め時かもしれません。
給料や休みに不満があって他の保育園に比べても悪いと感じる時
「うちの保育園は他に比べて給料み低いし、有給も取れない」と感じた時、条件の良い職場は探せばあるのですから思い切って辞めることも考えた方が良いです。
たとえば給料の手取り20万円の保育園と、16万円の保育園で働いた場合を収入の差を比較してみます。
まずは毎月4万円の差がある時点で損をしていますが、長く働くとその差はさらに広がってしまうのです。
手取り20万円の保育園で5年働いた場合の合計収入1,200万円に対して、手取り16万円の保育園で5年働いた場合の合計収入960万円になります。
その収入金額の差は240万円です。給料が低い保育園で働いていたら5年間で240万円も損をしているのです。
給料の他にも有給を自由に使える保育園があるなら、そこで働きたいはずですよね。
最近では有給消化率100%となっている保育園も少なくありません。
5年後、10年後に後悔しないためにも職場や雇用条件によって改善する問題に悩んでいるなら、辞めて違う保育園や企業に勤めた方が良いです。
保育士自体を辞めたい、保育士以外の仕事をやってみたいと思った時
若ければ他の仕事にチャレンジすることも可能です。
「保育士したいけど今はもう子どもと向き合う自信がない」と思ってやめてしまった人や「子どもは好きだけど職員の人間関係が苦痛」という理由で辞めてしまった人も、いつでも戻れるのです。
もしも保育士をやりたいと思ったら、また戻ってこれるのが保育士という仕事の良いところですよね。
少子高齢化とはいえ、保育士の仕事はなくなりません。そして子どもと関わる仕事がやっぱりやりたいと思ったらパートなどで戻ってこられるのです。
若いうちは自分に何の仕事が向いているのかどんどん挑戦できます。
保育士以外の興味がある仕事、「私もこんな風に働いてみたいな」という職業を経験しても良いのではないでしょうか。
体力的、精神的に限界を感じた時
健康第一!健康の他に優先するべきことなんて他にない!身体も心も健康が一番。そうじゃなきゃ仕事なんてやってられないっす!
そうだね。健康でなくちゃ何やっても楽しくないよね。
先ほども触れましたが限界を感じてまで働く必要はありません。
転職して環境が変わることが面倒だったり、不安に感じることもあるかもしれませんがすぐに慣れます。
仕事、職場のためにあなた自身を犠牲にすることはないのです。そして転職したあとに「もっと早く辞めれば良かった」と思う人も多いですよ。
人間関係が上手くいかずストレスを感じた時
一度うまくいかなかった人間関係を良くしていくのは至難の業です。
それなら転職して一旦リセットした方が心機一転となり、良いのはないでしょうか。
人間ですから相性は多少ありますが、たまたまそこの保育園の雰囲気、価値観などがあなたに合わなかっただけかもしれません。
せっかく1日8時間、年間160時間、一緒に過ごす仕事仲間なのですから楽しく、仲良い職場で働きたいものです。
まとめ
自分を守ることができるのは自分だけなのですから、非常事態の時は周りに迷惑がかかってしまったとしても自分の身体や自分の人生を1番に考えて決断していきましょう。
辞め時は一つの目安なので、自分とよく向き合って「いつ辞めるか」「このまま続けるか」決めてくださいね。
辞める理由にもよりますが辞め時をおさえて、円満に退職することで気持ちよく新しい仕事ができると良いですね。
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