保育士なのに子どもが嫌いになりそう。原因は子ども?それとも環境?

保育士の悩み

一般的に保育士になる動機として「子どもが好きだから」が多いでしょう。

しかし保育士として、沢山子どもと関わる中で「この子ども苦手・・・」「子どもにイライラする」と今まで感じたことのない子どもへの感情に、自分自身が戸惑い、疲れることがあります。

保育士になってから「子どもが嫌いになってしまったかも」と感じていても、なかなか他人に打ち明けることに勇気がいるので、悩んでいる人もいるかもしれません。

ちなみに筆者も保育士の頃に、「子どもと一緒にいるのが楽しくない」「子どもと居るとに苦痛を感じる」と悩んだ時期がありました。

本記事では、子どもが嫌いになってしまう原因や嫌いになってしまった時の、対処法を紹介します。

保育士が子どもが嫌いになりそう・・・と感じる原因

子育てをしていない人は特に、日常の中で「子どもにイライラする」「子どもに嫌悪感を抱く」機会は、あまり少ないですよね。

たとえば電車やスーパーの中で騒ぐ子どもを見て「うるさいな」とその場で感じることがあっても、「嫌い」という感情に至ることはないでしょう。

しかし保育士の仕事をしていると当然、子どもと関わる時間が長いです。

子どもと長い時間を過ごしていると「機嫌が良い時の子ども」だけでなく、「機嫌が悪い時の子ども」「泣いた時の子ども」など、子どもの様々な面を見て、対処します。

そして、子どものマイナスな面ばかりが積み重なると「保育士になる前は子どものこと、好きだったはず」なのに、保育士になってから子どものことを嫌いになることもあるでしょう。

とはいえ以前は好きだったのですから、何か嫌いになるキッカケや原因があるはずです。

以下、保育士が子どもが嫌いになる原因を挙げて説明します。

保育士によって態度が変わる子どもを見た時

子どもは0歳の頃から「この人の事は好き」「この人は怖い」「この人はこれをしても怒らないかな」など、大人のことをよく見ています。

それが幼児に近づくと、更にわかりやすく保育士によって態度が変わるので、場合によっては「子どもを嫌いになるキッカケ」となるのです。

たとえば「ベテラン先生の言うことは聞くのに、私の言うことは聞かない」、そんな体験をしたことがある保育士は沢山いるのではないでしょうか。

それぞれの保育士の印象があるので、仕方ないことだと頭でわかっていても感情的になり、どうしても子どもに対して苛立ちを感じてしまうのです。

子どもは保育士同士の会話や雰囲気、態度も敏感に感じ取ります。

保育士が、ベテラン保育士に「〇〇して良いですか」と確認しているのを見て、「〇〇先生に聞けば良いんだ」「〇〇先生が決めれるから偉いんだ」と単純に子どもは大人の真似をするのです。

他にもたとえば子どもの前で、複数の保育士がいつも特定の保育士をいじると、子どもも一緒になってその保育士を馬鹿にしたり、甘く見て言うことを聞かなくなることがあるのです。

それによって保育中にも支障がでるので、先輩からも子どもからもいじられることで悩んでいる新人保育士もいるかもしれません。

「〇〇先生、嫌い」と直接、子どもから言われた

子どもは「嫌い」という感情を、直接「言葉」で伝えてくることもあれば、絶対に近づかない・避けるなど「態度」で示してくることもあります。

よく乳児クラスの場合、子どもが特定の保育士に抱っこされて笑ったり、保育士が替わると泣いて叫ぶことがあります。

たとえば自分が抱っこした時に、どんなにあやしても子どもが泣いていると「可愛い」と思えず、辛いですよね。

他にも幼児の場合は、直接言葉で「嫌い」「先生のTシャツ可愛くない」など失礼でショックな言葉を平気で言ってくるので、心にグサッときます。

そして自分が子どもに歩みよろうとしているのに、拒絶されると「仲良くしたいと思ってるだけなのに、私のどこが嫌なの?」と悲しみと怒りの感情がこみあげて、結果「子どものことが嫌い」と思ってしまうのです。

子どもの親が原因で、子どものことも可愛く思えない

以前、子どもの意見を尊重する「怒らない保育」というのが流行ってから、子どもに怒れない親、子どもの言いなりになる親が多く見られます。

保育園では親子の関係がよく見えるので「今時の親、どうなってるの。自分の子どもの躾もできないの?」と思ってしまうことが多々ありますよね。

クラスの中に一人二人だけでなく、今はそういう親が多いこともあり、保育をしていて「嫌」と思うことがあるでしょう。

たとえば「保育園の廊下を走り回って危ないのに注意しない親」「子ども同士のトラブルを見ても何もしない親」、注意する時も「〇〇先生に叱られるよ~」と他人を悪者にしたり、鬼に頼る親。

大きな声で怒鳴ったり、叩いたり、怖がらせる必要はありません。

いけないことをした時は、子どもと向き合って「何がいけなかったのか、どうした方が良かったのか」を大人が教えてあげないと、子どもは分からないのです。

また子どもに対して善悪をしっかり教えてあげる、責任を持って社会のルールを教えてあげるのは、親の役割ではないでしょうか。

そして親が躾をしない結果、その子どもは他の子とトラブルも多くなる等、保育士は対応に頭を悩ませるため子どものこと自体も嫌いになるのです。

上記の場合、子どもではなく躾をしない親に原因があるのですが、子どもに対しても嫌悪感を抱いてしまいます。

保育中に余裕がなく、子どもにイライラしてしまう

保育園では「活動時間は〇時」「食事開始時間は〇時」と時間の中で集団の子どもを保育するので、常に時間に追われながら仕事をしています。

時間に追われながら集団の子どもをまとめるのは、かなり大変です。

たとえば2~3歳児のトイレの時間。

「トイレ行ってきてね」と言っても「行きたくない」と言われます。

「もうオムツじゃなくてパンツなのに」「パンツだからおしっこしたらズボン取り換えて、床拭いて、友達の服にかかったら保育園が弁償することもあるし・・・」と様々な仕事の手間と不安があるので、子どもがトイレに行かないだけで物凄くイライラしてしまいます。

  • 時間内にクラス全員の子どもの用事(食事や遊び、トイレ)を済ませる
  • 個人の気持ちに寄り添う
  • 声をかけてやる気を出させる

決められた時間の中で、上記をこなすのはかなりの体力を消費します。

自分の心に余裕がないので、子どもがふざけたり思い通りにいかないとイライラして「子どもなんてもう嫌い」と思ってしまうこともあるでしょう。

子どもが嫌いな理由

子どもはとっても可愛い存在。

素直に思ったことを言って笑わせてくれて、一緒に過ごす大人を温かな気持ちにしてくれます。

一般的に「子どもが嫌い」というと「冷たい人」と軽蔑されることもあるので、なかなか言いづらいですよね。

しかし、世の中には「子どもが嫌い」な人も沢山います。

ではなぜ、子どものことが嫌いなのでしょうか。

以下、子どもが嫌いな理由について紹介します。

泣き声がうるさい

たとえば乳児の場合は「泣く」以外、自分の欲求を訴える術がないので、自分の欲求が満たされるまで泣き続けます。

泣かずにいると命に危険があるので、仕方がないことですが、大きな声で泣くのでそれがまた「うるさい」と感じてしまうのです。

幼児になると更に体も大きくなり、声も大きく、甲高い声を出して泣く子もいるので「勘弁してくれ」と思ってしまいます。

ただ単純に「子どもはうるさいから嫌い」になることもあるのです。

接し方がわからない

子どもと一括りに言っても、子どもによって性格も様々です。

人見知りで声をかけても無視をする子、落ち着きが無く走りまわる子、こちらが仲良くしようしても上手くいかないこともあります。

普段、子どもと関わらない人は尚更、どう接して良いかわからないでしょう。

「自分は上手に子どもをあやせる」「自分は子どもの相手が得意だ」と思っていると、接し方が上手くいかなくても苦ではありません。

しかし元々子どもの興味がなく、子どもの接し方が分からないと子どもが苦手・嫌いになってしまいます。

自分の話を聞いてくれない、言うことを聞かない

子どもは大人の言うことを全て聞いてくれる訳でもなく、また大人の思い通りになる訳でもありません。

子どもは悪気もなく、自分のことに夢中、自分の世界に入りこんで大人の話を聞いていない事も多いです。

たとえばお店で静かにしてほしい時、「勝手に使わないでね」と言っても好奇心に負けて使ってしまうなど約束を破ってしまうこともあります。

「子どもだから仕方ない」と思える人もいますが、「自分の言うことを聞かないから嫌い」となる人も実際にいるのです。

赤ちゃんの鼻水やよだれ、便等で汚れるのが嫌

子どもと関わる上で、汚れることは避けられません。

赤ちゃんの場合は鼻水やよだれが、抱っこしているだけでも自分の肌や服についてしまいます。

幼児の場合は、どこでも・なんでも触る、手を洗ってもすぐに手を汚します。

潔癖症まではいかなくても汚れるのが嫌な人は、子どもと関わることで自分も汚れてしまうため、「子どもが嫌」と思う人もいるでしょう。

よく「子どもの鼻水やよだれなんて汚いと思わない」という人もいますが、筆者はそう思えませんでした。

これは「子どもが嫌い」というよりは「汚れるのが嫌い」ということではないでしょうか。

子どもが嫌いになってしまった時の対処方法

「自分、子どもが好きだと思ってたけど、子ども無理かも」と一度、思ってしまうと仕事が辛く感じますよね。

しかしそれは誰にでもある、自然なことかもしれません。

たとえば子どもを育てる母親を想像してください。

我が子が可愛くても憎たらしい時、怒りたくなる時、気持ちが分からなくなる、離れたい等・・・自分が産んだ我が子であってもそんな風に感じてしまうことがあるのです。

日中の子どもが1番活発な時間帯に子どもと接する保育士は、母親に共通する思いがあるでしょう。

また「特定の子どもを嫌いに思っているのか・集団・年齢」など、自分が子どもを嫌と感じる時の原因をしっかり把握しておくと対応しやすいですね。

自分の考え方を改める

「子どもが好きだから良い先生」という訳ではありません。

保育士の仕事は「好きだから務まる仕事」という訳でもないのです。

子どもが嫌いであっても「仕事だから」と冷静に割り切って、子どもと接しているなら立派なのではないでしょうか。

「子どものこと、嫌いって思うなんて保育士失格かも」と自分のことを自己嫌悪してしまいますよね。

「子どもが大好き」「何してても可愛い」と本気で思っている保育士もいれば、口で言わないだけで「素直な子は可愛くて好き、手のかかる子は嫌い」と本音では思っている人もいるはずです。

「自分だけではなく、皆抱く感情だ」と思ってもう少し、気持ちを楽にして保育をするようにしましょう。

他にも保育園に通う子の年齢は、0歳~就学前(6歳)なので、幼いです。

筆者も子どもにイライラしてしまった時や子どもに対して優しくできない時は、「まだ生まれてから〇年しか経ってないのだから」と自分に言い聞かせていました。

幼い子どもは自分を客観視したり、自制することができません。

それは当然なことです。

たとえば対応が苦手で嫌いな子どもがいても、子どもが悪いのではなく「子どもを育てた親、そのような環境を作ってしまった自分や保育園の作りに原因があるんだ」と思うとこの子が嫌いと思わなくなりました。

先輩保育士の相談する

「子どものことが嫌い」と他人に言うと、厳しい言葉を言われたり、「保育士なのに何言っているの」と軽蔑されてしまうかも・・・・と不安になるかもしれません。

相談する相手を間違えると、悩んでいる上に自分が傷つくような言葉を言われてしまう可能性があるので、相手を見極めて相談しましょう。

同じ職場で働いている人の方が、保育園の環境や子どもの特徴を理解できるため、先輩保育士に相談するのが1番良いです。

「保育中の私、どんな風に映っているでしょうか」と客観的な意見をもらうと、参考になりますよ。

「以前までは子どもを好きだったのに」「保育士になってから嫌いになってしまったようなんです」と嫌いになってしまったキッカケや経緯を説明しましょう。

しかし先輩保育士に相談しづらい場合は、保育士友達や自分の親にアドバイスをもらうと良いですね。

「保育士」ではなく一人の大人として関わってみる

「保育士だから〇〇でなくちゃ」と思っていると、責任感を感じて疲れてしまいます。

「完璧な保育士、デキる先生でなくても良い」と自分に言い聞かせて、「もしここが保育園じゃなかったら」と考えてみましょう。

「普段の私ならどうやって接してたのかな」と考えると、「もっと子どものことを許せる、もっと子どもと素直に関われるかも」と保育士になる前に感覚を思い出せるかもしれません。

原因は子ども?それとも環境?冷静に分析してみる

「子どもが嫌い」と思う原因は、子どもにあるのか、それとも保育園の環境にあるのか、もう一度考えてみましょう。

「子どもが可愛い」「大切にしたい」と思える時が一瞬でもあるなら、子どもが嫌いな訳ではなく他に要因があるのかもしれません。

たとえば「泣いている子どもが嫌」なら、「なぜ子どもが泣いているのか」を考えます。

「誰かに怒られて泣いている」なら、その怒っている親や保育士の叱り方、他にも子どもを怒らせてしまうような環境にも問題があるのかもしれません。

「良い悪い」で物事を決めつけるのは良くありませんが、泣く子が悪いのか、泣かせる叱り方をしている大人が悪いのか、と考えた時には大人に問題があるのではないでしょうか。

子どもを叱る時は泣く程の怖い顔や声で怒らなければいけないのか、しっかり何がいけないのか静かに説明すれば子どもも大声で泣かずに、大人の言うことを聞けるのではないか等、冷静に分析していれば、何を改善すれば良いのか見えてきます。

「子ども」ではなく、「子どもを取り巻く環境」について、考えてみましょう。

どうしたら自分が気持ちよく、子どもに関われるかを見つけて、実践していくことで「子どもが嫌い」という感情を克服できるかもしれません。

対処法を試しても仕事が辛いなら、転職を考えよう

保育士になる以前と後では、子どもに関わる時間数、子どもと過ごす状況が全く異なります。

保育士になると、子どもの可愛い面だけではなく、子どもを注意する、泣いている子をあやすなど、より子どもに寄り添った関わりをするので、保育士になる前では経験しなかったこと、今までにはない感情になる時があるのです。

たとえばプライベートで子どもと関わる場合、友人の子どもや家族と仮定すると、あなたと関わる間、子どもの近くに常に親がいます。

そして自宅という安心できる環境だったり、スーパーなどの子どもの気分がわくわくする状況で「機嫌の良い子ども」しか知らなかったのでしょう。

家庭と保育園で、それぞれの子どもの姿は変わります。

子どもが嫌いなのではなく、環境に原因があった場合。

たとえば「今の保育園では子どもにゆったり関わることが出来ない」と思ったら、小規模保育園など子どもの人数が少ない保育園だと問題が解決するかもしれません。

自分に無理なく、気持ちよく子どもと関われる保育士の仕事を探してみましょう。

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