保育士として働いている人の中には「プライベートの時間がない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
プライベートの時間がないと感じるのは「保護者との付き合い方」や「保育士の勤務形態」に、問題があるのかもしれません。
「なんか保護者との距離感がうまくいかないな」「プライベートの時間がないように感じる」という人は、まずは、なぜ自分がそう感じているのか理由を見つけましょう。
本記事では、保育士がプライベートがないと感じる理由や保護者との上手な付き合い方について紹介します。
保育士はプライベートがないと感じる主な理由は保護者の存在
保育士だけでなく、教育関係の仕事に就いている人は「プライベートがない」と感じている人が多いです。
プライベートがないと感じるシチュエーションは様々ですが、理由の一つとして「保護者からの評価」があります。
たとえば斜め横断をしたという些細なことでも「あの人先生なのに斜め横断!?」「子どもに教える立場の人が・・・」など「先生」と呼ばれる業種に対して、世間の目は厳しいですよね。
仕事を真面目にしていても、プライベートでいる所を見られてしまい、それが原因で信頼を失うこともあります。
「仕事は仕事、プライベートはプライベート」と割り切れる人、保護者からの評価をあまり意識していない人は気にしないかもしれません。
しかし責任感がある人・真面目に働いている人こそ職場だけでなく、外出時も「保育士である自分」を気にしてしまい、「仕事とプライベートの切り替えがうまくいかない」と悩んでしまうでしょう。
以下、保護者が保育士のプライベートに影響する理由について紹介します。
プライベートで保護者に遭遇してしまう率が高い
プライベートでは根暗なので誰とも話したくない。
自宅から遠い保育園に勤めてしまうと通勤が大変なので、自分の住んでいる場所に近い保育園または保育園の近くに一人暮らしをしている保育士もいるでしょう。
そして地域にもよりますが、保育園に子どもを通わせている保護者も同様、保育園の近郊に住んでいる・働いていることがあります。
自宅と保育園から離れている場合は、保護者と遭遇する確率は少ないのですが、上記のような場合、プライベートでスーパーや出かけた先で保護者に遭遇してしまうことってありますよね。
仕事終わりにスーパーで買い物をしている時、急に保護者に声をかけられるとプライベートでも「保育士としての対応」をしなければいけないので、余計に疲れてしまいます。
他にも外出時、友達とはしゃいでいる時、彼氏とデートの時も「もし保護者がいたら嫌だな」「見られていたら保育園で会った時に気まづい」と保護者の存在が気になって心から楽しめないのです。
プライベートで保護者と遭遇したくない保育士は多いのしょう。
職場以外でも常に「先生である自分」を意識するのは、社会人としてある意味では当然のことなのですが、結構疲れしまいますよね。
保護者との関係性、距離が近すぎる
仲良くしてくれるのは嬉しいけど・・・。
保育士と保護者は、家族や友達とは違う「特別な存在」として仲良くなることがあります。
保護者にとって「家族でもない、友達でもない存在、適度な距離にいる保育士」だから、相談しやすい雰囲気があるのかもしれません。
保育士は保護者の子育ての悩みを聞くのは日常的にもよくありますし、更に個人的な悩みを聞くこともあるでしょう。
たとえば退勤後、よく挨拶を交わす保護者に保育園付近や玄関で会った時。
特に担任している子どもの保護者は勿論、他にも以前担任をしていたクラスの保護者は、「先生、お仕事お疲れ様です」と声をかけてくれますよね。
そして挨拶だけでは終わらず、何気なく交わした会話から近況報告や相談が始まってしまいます。
本当は「早く帰りたい」と思っていても、保護者が楽しそうに話していると「今は話す時間がなくて・・・」と伝えることが難しいです。
仲良くしてくれるのは嬉しい、こちらも話を聞いてあげたいという気持ちがあっても、プライベートの時間を割いて対応するのは負担に感じます。
上手く交わすベテラン保育士もいますが、「上手に保護者との距離が保てない」と悩んでいる保育士もいるのでしょう。
仕事以外でも保護者から直接連絡がくる
直接LINEは勘弁してほしいね。
「保育士と保護者はプライベートで仲良くなってはいけない」と特段決められている訳ではありません。
「保育士と保護者の関係」について、「保育士と保護者の連絡先の交換」については保育園によって様々です。
「保育士と保護者の間で連絡先の交換はしないでください」となっている保育園もあれば、禁止されていない保育園もあります。
保育士と保護者の連絡先の交換について特に決まり事がない保育園の場合、保護者から「行事の時にスマホで撮った写真を送りたい」と言われ、その場の雰囲気で連絡先を交換してしまうとと、後々大変です。
たとえば職員の連絡先を知っている保護者は「連絡事項を先生に伝えればOK」と勘違いして、保育園への大切な連絡を保育園を通さず、保育士に直接連絡をしてくることがあるかもしれません。
「明日遠足あります?」と夜に保護者から電話がかかってきたり、早朝に「今日保育園休みます」とLINEが来ると、保育士は迷惑ですよね。
「今はプライベートの時間なのに」と後々、連絡先を交換したことを後悔しても連絡先を拒否する訳にもいかず、どう対応して良いのか悩んでしまうのです。
残業・持ち帰り仕事・シフト勤務・休みの少なさもプライベートがないと感じる主な原因
「土曜日の夜」と「日曜日の午前中」以外の時間は、休日って感じがしない。
土曜日も隔週で出勤あるし・・・。
保育士は「仕事のこと一切忘れて休日を楽しむ」ことが難しいと感じたことはありませんか。
「プライベートがないと感じる理由」は保護者だけではありません。
まずは、保育士の勤務形態。
保育士は主にシフト制で働くので、保育士は「明日のシフト(出勤時間」や退勤時間)」を意識して、予定を組む癖がついてしまうのです。
そしてそれは平日だけではなく、休日も同様。
たとえば「休日に仕事の事なんて考えたくない」と思っていても、いつもの癖で仕事のことが忘れられず「明日は早番だから、早く用事を終わらせて家で過ごそう」と休日を満喫できなかったり、「平日のために休日は身体を休めないと・・・」と外出せずに家で過ごします。
最悪の場合「休日に熱を出して家から出れない」「毎週末はいつも体調が悪い」と平日に無理した分、休日を好きなように過ごせないこともありますよね。
そのため休日の過ごし方、プライベートの時間までも仕事の犠になってしまうのです。
意識の問題でもありますが、同じことに悩んでいる保育士は多いのではないでしょうか。
他にもサービス残業。
勤務時間内に事務仕事が終わらないので、サービス残業が常習化します。
残業が多いので、平日は仕事終わりに予定を入れることも出来ず、平日は家と職場の往復。
プライベートを楽しめる時間がない保育士もいるでしょう。
そして保育士は体力仕事なので、仕事で体力を使いすぎてしまい「プライベートの時間がない」というよりも「仕事終わりや休日に遊びに行けるほどの体力が残っていない」ということもあります。
自分が自由に過ごせる時間が少ないと「プライベートが充実している」と思えず、「プライベートがない」「プライベートが上手くいかない」と感じてしまうのです。
【参考】保育士あるある、もはや職業病ということも多いのでは?
保育士のプライベートを守るために気をつけること
同じ保育園に勤めていても「保護者との距離感が上手な保育士」や「先輩って保護者との距離感上手だな」と思ったことはありませんか。
原因によっては、自分に意識を少し変えるだけで、あなたのプライベートな時間を確保できるかもしません。
以下保育士が自分のプライベートを守るために気をつけた方が良いことを紹介します。
職場付近と自宅の距離を意識する
一人暮らしや引っ越しの際に「保育園から近い方が楽」と職場付近を選んでいませんか。
確かに保育園から自宅の距離が近いと通勤上、便利なこともあります。
しかし、プライベートを守るためには「通勤のしやすさ」の他にも、適度な通勤距離と通勤時間を意識することが重要です。
たとえば「自宅と保育園の距離が近いこと」について、プライベートの視点から考えると「休日も仕事のことを考えてしまう」原因になったり、先ほど触れた通り、地域に保護者が沢山住んでいる場合「保護者と遭遇する」ことがあります。
地域にもよりますが、隣町に住んで自宅から保育園まで、電車で一駅か二駅くらいの距離が丁度良いのではないでしょうか。
そして通勤にかかる時間は大体30分くらいが良いですね。
電車で通勤している場合、自宅から保育園まで30分程でつく距離であれば、万が一電車が遅延していた時にはタクシーを使っても料金が高いということもありません。
保護者との遭遇に関しては、保育園から離れるほど「保護者との遭遇の確率」は下がるでしょう。
「保護者遭遇する心配がない」だけでも、プライベートの充実感があります。
しかし極端に通勤時間が1時間以上または2時間かかっている場合は「通勤時間が長い」と感じてしまい、違うストレスを感じることになるかもしれません。
ここだけ読めば大体わかる通勤の理想は30分程度。保育園から離れるほど保護者との遭遇の確率を下げることができるかも。離れすぎは不便。
しつこい保護者に連絡先を聞かれても絶対に教えない
連絡先教えてとやたらしつこい親がいるんですよぉ~。
なぁ~に~!?
たとえば保護者から「先生、連絡先教えてください」と言われることがあるかもしれません。
そんな時、連絡先を聞かれて「断りたいけど断り方がわからないから」と連絡先を教えてしまうと、後々かなり面倒くさいことになります。
自分の連絡先は大切な個人情報、プライベートな情報で仕事です。
保育園の連絡先だけで十分、保護者が保育士の連絡先を知る必要ありません。
正しい対応として保護者から連絡先を聞かれた場合は「就業規則で連絡先を交換してはいけないことになっている」と伝えましょう。
こちらが断った上で「え~ばれないって!」と保護者からしつこく押されても「結構そこらへんは厳しいんですよ」「園長先生に確認しなくてはいけないんです・・・」等、返答します。
保護者がそれで納得してくれた場合も、個人同士のやり取りだけで終わらせずに「保護者に連絡先を聞かれてしまったのですが・・・」と園長にも相談しましょう。
そして保育園全体で、保護者から連絡先を聞かれた時の対応を統一した方が良いです。
ここだけ読めば大体わかる保護者に個人的な連絡先は教えない。聞かれた時も勇気を出して「就業規則」を理由に断る。連絡先を保護者に聞かれた時の対応について園長に確認する。
食事や飲み会を誘われても断る勇気も必要
余程、保護者が保育士を気に入った時には、保護者に食事や飲み会に誘われる保育士もいます。
他にも「うちの子今度ピアノの発表会で・・・〇〇先生が来てくれたら頑張るって言ってるんです」など断ることが難しい誘いもありますよね。
そんな時、保育士は「断ったら寂しい思いをさせるかも」「断ったら冷たくされるかも」と心配する必要はありません。
あくまでも保護者と保育士の関係性ですから、一般的には誘いを断る手ものは当然です。
そして保育士と保護者は友達関係ではないので、クラスの中の保護者一人を特別扱いすると、トラブルやクレームの原因になります。
保護者や子ども全員に同じ対応をすることが出来ないのなら、断る勇気も必要です。
保護者との距離感を正常に保つことに力を入れた方が良いでしょう。
ここだけ読めば大体わかる食事や飲み会の誘いは断る。最初に断るのが肝心。トラブルになりそうなことは避ける。
SNSアカウントに鍵を付けるのを忘れない
SNSでは愚痴ってるからバレたらやばい。
プライベートとは直接的なものだけではありません。
今の時代、ネット上でいくらでも情報を知ることができます。
たとえば保護者はSNSなどで「どんな先生だろう」「先生のプライベートが気になる」と保育士を検索して人は多いです。
SNS等の怖さについては常に話題になっているので気を付けている人もいるでしょう。
知らないうちに私生活を保護者に知られているのは、何となく嫌ですよね。
そのためSNSのアカウントには必ず鍵をつけることを忘れないでください。
「世間は狭い」ので実名をあげていなくても写真や文章でバレることがあります。
実際に筆者の元職場では逆のパターンですが、ふとした会話から「保護者とは保育園で初めて会ったけど親の知り合いの子どもが特定の保護者だった」ということを知り「〇〇高校卒業の」「〇歳で地元が・・・」とSNSで知り合いを辿っていくと保護者のアカウントにたどり着いたということがありました。
保育士が保護者のことを、SNSで検索していることもあるのですから、逆があってもおかしくはないのです。
考えたら怖いですよね。
ここだけ読めば大体わかる「まさか」と思っても意外と世間は狭い。アカウントがバレることもあるのでSNS等には鍵をつける。
サービス残業が多い場合、働き方が合っていない場合は転職を検討
以前までサービス残業が当たり前、持ち帰り残業が当たり前だった保育業界も、徐々に改善されてきており、サービス残業や持ち帰り残業を禁止している保育園も増えてきています。
もし今働いている保育園があまりにひどいのであれば転職を検討してみましょう。
また働き方についても同様です。
土日休みで年間休日が120日以上ある保育園もありますし、シフト制ではない保育園もあります。
プライベートの時間がないと感じているなら、それは今の働き方が合っていないということ。
自分が楽しく、気持ちよく働くことができる保育園をぜひ探してみてください。
保護者とは適度な距離感、関係性を意識。自分のプライベートを確保しよう
保育士の仕事は人と接する仕事です。
保育士は販売員のように保護者が「お客さん」ではありませんが、保護者に気を使ってしまうこともあるでしょう。
しかし保護者を意識する余り、自分のプライベートを犠牲にするのは勿体ないですよ。
本記事の保育士がプライベートを確保するために、保護者と上手に付き合う方法のまとめは以下の通りです。
本記事のまとめ
- 職場と自宅の距離や通勤時間を意識する
- 保護者に連絡先を聞かれた時は園長に確認する
- 保護者に連絡先は教えない
- 保護者に食事会や発表会に誘われても断る勇気を持つ
- SNSには鍵を付ける
保護者に気を使って、自分のプライベートを犠牲にしてしまうと、ストレスが溜まって疲れてしまいます。
上記のポイントを徹底して、保育士は自分のプライベートを確保していきましょう。
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