転職活動をしていない人でも「ハローワーク」という言葉を耳にする機会があるでしょう。
ハローワークは転職活動をする人が利用する機関です。
利用したことがない人にとっては「どんなことが出来るの?」「ハローワークを使う事で何かメリットがあるの?」という疑問を持っているかもしれませんね。
本記事では、ハローワークについて紹介します。
ハローワークとは
ハローワークの正式名称は、公共職業安定所と言います。
厚生労働省職業安定局が運営していて、ハローワークは国の公的機関です。
ハローワークの概要
厚生労働省の「ハローワーク」からの引用文が以下の通りです。
民間の職業紹介事業等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援する最後のセーフティネットとしての役割を担っています。また、地域の総合的雇用サービス機関として、職業紹介、雇用保険、雇用対策などの業務を一体的に実施しています。
【引用】厚生労働省
ハローワークの業務内容は、職業紹介・雇用保険・雇用対策。
ハローワークは求職者・求人を載せたい企業側も無料で利用する事ができる機関です。
ハローワークは、日本の全国各地に窓口があり、転職活動をしている人はハローワークに行くことによって、ハローワークの職員に相談する事も出来ますし、自分で求人を検索するも出来ます。
ハローワークの強み
ハローワークの強みは、以下の通りです。
ハローワークの強み
- 国の公的機関の為、信頼性が高い
- 求人数が多い
- 国が実施している各種セミナー等を紹介できる
- 職業訓練や講習が受けられる
国の公的機関というだけで、安心して利用する事ができますよね。
また求人自体が転職サイトに比べるとかなり多いです。
他にも、履歴書・職務経歴書の作り方や面接の受け方など、求職者に向けてセミナーを実施しているので、「転職活動が初めて」という人も利用しやすいでしょう。
職業訓練とは、就職に必要なスキルや資格などの講義を無料で受講できる公的制度です。(中には有料の講義もある)
3か月や半年間、1年間など受講する講義によって機関は異なります。
離職者・求職者・在職者・学卒者・障害者、それぞれのコースがあり、受講できる分野も幅広いです。
ハローワークと転職サイトの違い
ハローワークと転職サイトの違いは大きく分けて2つ。
- 求人の掲載料金
- 求職者に対して求人を効果的にアプローチする(保育園の求人を誰に見てほしいのか)
以下、それぞれの違いについて説明します。
求人掲載無料は、保育園(企業側)にとっても利用しやすい
まずは、求人掲載にかかる料金。
上記で触れた通り、企業がハローワークに求人を出すのは無料。
「求人掲載に経費を使うのが厳しい」企業(保育園)にとっては有難いですよね。
一方、転職サイトに企業が求人を出すのは有料です。
しかも、そこそこ高い金額を払う必要があります。(金額によって掲載順位や露出度が異なるが数十万円から数百万円かかる場合も)
一概には言えませんが、転職サイトを利用して求人を出す保育園は経営に余裕があるのかもしません。
求人の掲載方法によって、保育園の印象を下げてしまうリスクがある?
次に、求人のアプローチ方法の違いです。
ハローワークに求人を掲載した場合、不特定多数の人に向けて求人を公開。
転職サイトに求人を掲載した場合、特定された(保育士)多数の人に向けて求人を公開できます。
工場や会社の求人と違い、保育園の求人を出すと「保育士が足りていない=子ども達の安全面は大丈夫?」という印象を与えてしまう可能性があるのです。
たとえば、ハローワークの場合、誰もが求人を見ることができるため、保護者が目にした際「うちの保育園、人足りてないの?」と不安にさせてしまうかもしれません。
一方、転職サイトの場合、非公開求人※として求人を載せることができます。
保育士求人サイトを見るのは保育士の求人に興味がある人、つまり保育士資格保持者や保育士として働きたい人に特定されますよね。
転職サイトを利用することで、求職者により効果的に保育園の求人をアプローチすることが出来ます。
ハローワークの特徴・対象地域や求人数など
以下、ハローワークの特徴や対象地域について紹介します。
対象地域
ハローワークの対象地域は全国です。(海外もあります)
様々な地域の求人、保育士以外の求人も沢山取り扱ってます。
「保育士以外の求人も見てみたい」と思っている人にとっては利用しやすいですね。
求人数
ハローワークの求人数は、大手転職サイト以上です。
たとえば、令和元年10月1日時点で関東圏の求人数14万6,821件。
関東圏だけでも約15万件近い求人があるので、全国を合わせると相当な求人数でしょう。
ちなみに最大手の転職サービスであるDODAでも、求人数は全国合わせて10万件程度です。
サポートの特徴
ハローワークは、全国各地に窓口があります。
分からない事や聞きたいことがあれば、近くのハローワークに行き、説明を聞く事が出来るので安心ですね。
ハローワークは混んでいる事が多いので、相談を予約してから窓口に行くことをおすすめします。
全国ハローワークの所在案内から、自分の地域を検索してみてください。
他にも、営業時間が平日8:30~17:30となっているので、仕事をしている人が転職活動するには厳しい時間帯です。
窓口に通うことが難しい人は、インターネットを利用して求人を探すことも可能です。(以下、ハローワーク公式サイトリンク)
スマホでは対応していない機種もあるので、パソコンを利用した方が良いでしょう。
ハローワークの登録方法、利用方法。
以下、ハローワークの登録方法・利用方法について紹介します。
登録方法・利用方法
ハローワークを利用する際は、求職申込みが必要です。
求職申込に必要な情報
- 名前
- 生年月日
- 住所
- 電話
- メールアドレス
- 希望する職業
- 希望就業形態
- 希望勤務時間
- 学歴・訓練等の受講歴
- 経験した主な仕事
- 公開希望有無
- 直近の勤務先
上記の情報を、記入申し込み書に記入し、提出します。
求職申込書の書き方については、ハローワーク「求職申込書の書き方」を参考にしてみてください。
登録後の流れ
以下、ハローワーク登録後の流れです。
ハローワーク登録後の流れ
- 求人申し込み
- 職業相談(ハローワーク窓口)
- 紹介
- 内定・就職
気に入った転職先が見つからない場合は、数回、ハローワークに通うことも珍しくはありません。
そういう場合、窓口の職員と相談しながら、じっくり決めていくのが良いですね。
保育士がハローワークを使って転職するメリット・デメリット
以下、ハローワークを利用するメリット・デメリットについて紹介します。
ハローワークのメリット
以下、ハローワークを利用するメリットです。
ハローワークのメリット
- とにかく求人数が多い、地方の求人も充実している
- 職業訓練や講習に参加できる
- ごくまれにかなり良い条件の求人がある
- ライバルの質が転職サイトに比べると高くない
以下、それぞれの項目について紹介します。
とにかく求人数が多い、地方でも求人が充実
上記でも触れた通り、とにかく求人数が多いです。
転職サイトの場合、求人対象地域が「関東圏のみ」となっていることもありますが、ハローワークは全国対応、地方の求人も充実しています。
職業訓練や講習に参加できる
求人を探すタイミングにもよりますが、たとえば「何か資格を取得してから就職したい、でもお金が無い」という場合。
職業訓練を通して資格を取得をしたり、仕事に役立つスキルが学べる講習を受けることが出来ます。
職業訓練の中には、保育士資格を取得できるコース(大体10万円)もあるので、保育士資格を持っていない人には良いですね。
他にも、退職後「なかなか良い求人が見つからない」という場合、自分のスキルを磨くために通ってみるのも良いのではないでしょうか。
以下の記事で、職業訓練の保育士資格取得コースについて詳しく触れているので気になる方は読んでみてください。
【参考】主婦が無資格から保育士になるのは?保育士資格取得方法や働き方を紹介。
【参考】保育士資格取得までの流れ。保育士試験の難易度や合格率、試験内容ってどんな感じ?
ごくまれにかなり良い条件の求人がある
ハローワークで求人を探す際、転職サイトのように簡単に出てこない事もあります。(検索のコツが必要)
そのため、求人の中に条件の良い求人が埋もれている可能性があるのです。
簡単に見つかる好条件の求人は「早い者勝ち」ですが、そういったごくまれに出会うかなり良い求人に出会った時は、応募しましょう。
ライバルの質が転職サイトに比べると高くない
最近の転職ツールの主流は、転職サイトです。
中でも保育士の転職サイトは充実していて、転職サイトを利用した方が便利な場合もあるので、ハローワークを利用する人が減っているのです。
転職サイトの他にも、友人・知人からの紹介や通っていた学校で求人を探す人もいます。
また、様々な転職ツールがある為、ハローワークで保育士求人を探す人が減っているのです。
つまり、ライバルが少なくなっているという事になりますね。
ハローワークのデメリット
以下、ハローワークを利用するデメリットです。
ハローワークのデメリット
- 転職サイトに比べるとブラック企業や空求人の割合が高い
- 求人票が充実していない為、わかりにくい
- 転職サイトに比べると労働条件があまり良くない求人が揃っている
- 転職コンサルタントに相談出来ず、全て自分で考えて行動する必要がある
- ハローワーク自体が混んでいて、行くだけでも大変
- 転職活動をしていることがばれてしまう可能性がある
以下、それぞれの項目について紹介します。
転職サイトに比べるとブラック企業や空求人の割合が高い
転職サイトは事前にチェックして極力ブラック企業を排除していますし、有料なので空求人もありません。
ハローワークの場合は、転職サイトのように求人先を直接見に行くことは無く、「求職者にとって条件が良い求人だけ載せる」訳ではないので、転職サイトに比べるとブラック企業の求人が含まれる割合が高いです。
「空求人」と言って、既に募集が終了している事もあります。
無料で掲載できるので、掲載期間が長くても関係ありません。
求人を載せる側も忘れてしまうのでしょう。
求人票が充実してなく、わかりにくい
転職サイトは、転職サイトが多いため競争率も高く「求人の見やすさ」「分かりやすさ」で集客しているサイトもあります。(実際にどこのサイトも求人が見やすい)
ハローワークの場合は、求人票が充実していません。
実際にハローワークの求人を見ると分かる通り、条件のみが記載されているだけです。
ハローワークを利用する際も、転職サイトも併用して保育園の写真や雰囲気に関する情報収集すると、より保育園のことが分かるでしょう。
転職サイトに比べると労働条件があまり良くない求人が揃っている
転職サイトの場合、「好条件求人が揃っている」ことが、転職サイトの魅力であり、求職者が転職サイトを利用する目的です。
そして、転職サイトは、求人(保育園)と保育士(働き手)を繋げることでサイトの評価が上がり、信頼度も高まるので、なるべく好条件の求人を揃えてなければなりません。
上記の理由から転職サイトは、サイト内に載せる求人は選んでいるのです。(条件が悪い場合は載せない等)
とはいえ「給料が低い、労働条件が悪い」という理由で求人を載せてくれなかったら、保育園も人が足りなくて困ってしまいます。
そういった保育園のためにも、ハローワークは企業を選別することなく、平等に求人を載せてるので、転職サイトと比べると条件の悪い求人もあるでしょう。
転職コンサルタントに相談できず、全てを自分で考えて行動する必要がある
ハローワークの職員は、求人を紹介したり、相談に乗ってくれますが、予約制であったり、沢山の利用者がいるので、1人にゆっくり時間をかけることは出来ません。
そして、気に入った求人を見つけたら、あとは自分で応募し、求人先と面接日程を決める・・・等、全て自分で考え行動する必要があります。
転職サイトの場合は、営業時間内なら電話で相談、応募したい求人があれば「ここに応募したいです」と言うとコンサルタントの人が求人先と連絡をとり、面接日程を決めてくれるので便利です。
ハローワーク自体が混んでいて、行くだけでも大変
ハローワークを利用する人は、勿論、保育士だけではありません。
一般の新卒者・若年者・農業関係に興味がある人・障がいを持つ人・年配者など、様々な人を対象とするサービスなので、ハローワークの窓口行っても混んでいて、相談を受けられない事もあります。
その為、相談は予約制としている事もありますが、時間通りにいかないことも・・・。
他にも、営業時間帯が平日8:30~17:30となっているので、仕事をしている人が転職活動するには厳しい時間帯のため、ハローワークに行くために有給を使わなければ行けない場合もあるでしょう。
時間の調整が必要になるので行くだけでも大変です。
転職活動をしていることがばれてしまう可能性がある
ハローワークは、良くも悪くも地域内にある為「ハローワークで知り合いにばったり会ってしまう」「ハローワークに入っていくところを見られてしまう」ことがあります。
転職活動をしている事を誰にも知られたくない、こっそり転職活動をしたいと思っている人でも、職場の人や知り合いにばったり会ってしまう危険性があるのです。
転職活動をこっそりしたい人には向かないかもしれませんね。
ハローワークの口コミ・評判
以下、ネットに上がっているハローワークの評判をまとめ、実際にハローワークを利用した事がある方々からの口コミを頂きました。
ハローワークの良い口コミ・評判
ハローワークの良い評判は、以下の通りです。
ハローワークの良い評判
- 国の公的機関なので安心して転職活動が出来る
- 地方にも窓口があるので、予約さえできれば利用しやすい
- 転職サイトの利用方法が分からないため、従来からある転職方法として利用
実際に利用した人による良い口コミは、以下の通りです。
転職サイトは利用したことが無い。沢山ありすぎて良く分からない。ハローワークは昔からあるし、私の地域のハローワークの相談員さんは優しい。何度かお世話になっている。信頼できる。保育園の求人も探せば普通にある。条件について分からない事があれば、相談員さんが保育園に電話してくれる。(目の前で)
(40代 転職先:認可保育園)
転職する時に上手く転職先を探せなかったら、失業手当が貰えるからハローワークで転職活動をします。いざとなれば職業訓練も受けられるし、転職先が保育園じゃなくても良いかなと思えてきました。
(20代 転職先探し中)
家の近くにハローワークがあるので、ハローワークで転職活動。直接会って相談出来るという点は有難い。情報が少ないという点はマイナスだが、あんまり情報が多くても分かりづらいというか・・・。私の周りの人もハローワークで転職活動をしています。
(30代 転職先:認可外保育園)
「転職サイトが良く分からない」と感じている人は、従来からある転職方法の方が馴染みがあるようです。
ハローワークの悪い口コミ・評判
ハローワークの悪い評判は、以下の通りです。
ハローワークの悪い評判
- 有給を使わないとハローワークに行けない、サイトも見づらく求人を探す気になれない
- せっかく窓口に行ってもかなり待たされる、1日が潰れる
- 転職サイトがあるから、わざわざハローワークを選ばない(面倒だから)
ハローワークの相談員に「保育士以外で、子どもと関われる仕事ありますか」と相談したら、失礼な感じで笑われました。「じゃあ保育園で働いたらどうですか」とも言われました。私の説明も悪いかもしれませんが・・・。「こんな仕事もありますよ」と。私の知らない子どもに関わる仕事を紹介してもらえると思ったのに。
(20代 転職先探し中)
ただでさえ休みづらいのに、ハローワークの為に有給使うなんて勿体ない、と思ったけど自分の事だしと思い、有給を利用してハローワークに行った。そこで番号をもらって待たされたんだけど私の番号は532番。その時点で相談している人は411番。どんだけ待たせるの(泣)ほんと時間勿体ない(-“-)私の番来た時点で、プロとはいえ相談員さんは疲れていた(笑)結局、途中から転職サイトを利用して転職した。
(30代 転職先:認証保育園)
ハローワークは外国人さんが多いという印象。海外から日本にきて仕事探している人は転職サイトとか使いづらいのかもね。私は転職サイトの方が使いやすいし、コンサルタントの人がなんでもしてくれる点でハローワークを使う理由がない。
(20代 転職先探し中)
ハローワークの相談員は、転職サイトでいうコンサルタントですが、相談員との相性は転職サイトも同様。
相性が合わないと結構辛い転職活動になってしまいますよね。
他にも、上記でも触れた通り、窓口の対応時間が仕事をしている人にとって不便な時間帯。
転職活動の為に有給を使ったり、1日が潰れてしまう事に対してストレスを感じてしまう人は、他の方法で転職活動をした方が良いでしょう。
まとめ
「転職について何も分からない」という人が、転職活動の第一段階として、まずハローワークを利用するという程、転職活動が出来る拠点として大勢の人に認知されています。
しかし、転職活動ツールとして知られているハローワークですが「使いづらさ」を感じている人も少なくはありません。
そのため自分の状況に応じて転職ツールを選ぶ必要があります。
たとえば「有給を取れる環境にある」「直接、相談員さんに求人を紹介してもらいたい」「住んでいる地域が地方なので転職サイトが取り扱う求人数が0件」等の場合は、ハローワークを利用すると良いでしょう。
「有給が使えない」「ハローワークに行く時間はない」「時間はないけど自分に合う好条件の転職先に出会いたい」という人は転職サイトを利用した方が良いかもしれません。
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