幼稚園の先生の年間休日数、長期連休の夏休みや冬休み、GWは子供と同じように休める?

幼稚園教諭について

「幼稚園の先生って夏休みと冬休みあっていいな~」と筆者も保育士として働いている時に保育士友達と話していました。

幼稚園で働いている人は「休んでいる人もいるけど~仕事に行く人も・・・」なんてことを言っていましたがイマイチ意味がわかりません。

幼稚園の先生は保育士より休みが多そうですが、実際はどうなのでしょうか。

そして夏休みや冬休み中なにしているのか気になりますよね。

本記事では幼稚園の先生の年間休日日数や長期休み中なにをしているのかについて紹介します。

幼稚園の先生の年間休日数はどれくらい?夏休みや冬休みは長期連休もある?

幼稚園の先生は長期連休があると思われがちです、実際どうなのでしょうか。

たとえば夏休みや冬休み、他にもゴールデンウィークなどの連休中は仕事がなく家でのんびりしているのでしょうか。

結論を先に言ってしまうと、残念ながら夏休みや冬休みは基本的に仕事。年間休日数も夏休みや冬休みがない保育士とそう変わりがなく、幼稚園の先生だから休みに恵まれているということはあまりないようです。

基本的には土日祝休み、GWも祝日なので休みであることが多い

幼稚園は基本的に土日祝が休みとなっていますから、幼稚園の先生もこれに合わせて休むことになります。すなわち基本的には週2日、祝日がある週だとと週3日の休日があるということです。

またGWは祝日による休みなので、幼稚園の先生もこのタイミングは長期休暇をとることができる場合が多いです。

幼稚園によっては預かり保育等で土曜日出勤がある場合も

ただし幼稚園によっては土曜日に月1~2回程度の出勤をしなくてはいけないところも多いです。

主な理由は預かり保育を行っているから。

文部科学省の調査結果によると、土曜日に預かり保育をしている幼稚園の割合は以下の通りになっています。

月当たりの平均実施日数
0日 1日 2日 3日 4日
公立 87.10% 0.30% 0.40% 0.10% 7.50%
私立 67.30% 2.40% 7.20% 3.00% 18.20%
全体 72.70% 1.80% 5.30% 2.20% 15.30%

公立幼稚園の場合は少ないですが、私立幼稚園の場合だと3割以上が月1回以上行っていて、さらに5つのうち1つの幼稚園では毎週預かり保育を行っています。

預かり保育を行っている幼稚園で働く場合は、週1回から2回の出勤は覚悟しておいた方が良いでしょう。

また預かり保育を行っていない幼稚園でも、事務仕事や打ち合わせ、資料や制作物の作成、園外保育等の下見といった普段なかなかできない仕事をする為の日として出勤日を設定している場合もあります。

夏休み、冬休みにも仕事はある

夏休みや冬休みは子どもは休みであるものの、幼稚園の先生は基本的に仕事があります。

お盆休みとして数日、年末年始として数日の休みはありますが、子どもと同様1ヶ月近く休めるなんてことはほとんどありません

むしろやることが山ほどあって普段よりもむしろ忙しいなんて言う話も聞いたことがあるくらいです。

なお子どもがいないのにどんな仕事をするのだろうかというのは下記で具体的に紹介しています。

年間休日数は110日から125日、園によってかなり異なる

土日祝が全て休みの幼稚園はかなり恵まれている方で、夏季休暇や年末年始休暇も含めると年間休日はおおよそ125日となります。

ちなみに日本の労働者1人当たりの平均年間休日数は114.7日(参考:就労条件総合調査結果の概要)ですから、それに比べてもかなり恵まれています。

土曜日出勤がある場合はここから日数が減ります。月1回なら12日減って年間休日数は113日、月2回あると年間休日数は101日まで減ることになります。

もし幼稚園の先生として働くことを考えているなら、土曜日出勤があるかないか、あるとしたらどれくらいあるかはしっかり確認するようにしましょう。

幼稚園の夏休みや冬休み、子供がいないのに何するの?

夏休みや冬休みは1か月くらいあります。

子どもと同様、幼稚園の先生も1か月程の休みがあるかと思いきや先生は仕事をしているのです。

以下、長期連休期間中の幼稚園の先生の過ごし方です。

  • 連休中も当番制で預かり保育をしている
  • 出勤して事務仕事をしている
  • 研修に行く
  • 有給を消化する

連休中、長い休みがあるのかと思いきや、連休中も当番制で預かる保育をしているのですね。

連休中も当番制で預かり保育をしている

やってないとみせかけて、やっている。

なるほどね。

連休中は当番制で預かり保育をする幼稚園もあります。

文部科学省の調査結果によると、夏休みや冬休みなどの長期連休中に預かり保育を実施している幼稚園の割合は以下の通りになっています。

実施割合 実施時間が7時間を超える
幼稚園の割合
公立 56.20% 82.60%
私立 86.70% 86.10%
全体 78.50% 85.40%

公立でも半数以上、私立は8割以上の幼稚園で預かり保育をしており、かつ預かり保育の時間はほとんどの幼稚園で7時間以上と1日いっぱい預かっています。

ただし幼稚園によっては利用するためには「働いているお母さんのみ」などの条件をクリアした人が預けられるようになっている場合があったり、そもそも預ける前提で入っている人も少ない為、子どもの人数自体は多くはありません。

出勤して事務仕事をしている

運動会や2学期の準備もあるので、長期連休に出勤して仕事をしている幼稚園の先生もいます。

作りものがあったり、進行の段取りを決めたりと運動会の準備には時間がかかりますよね。

他にも日頃から手が回らなかった仕事をいっきに進めることができるため、夏休みや冬休みを利用して事務仕事をしているのです。

また事務仕事だけではなく遠足などの下見に行くなど、普段はできないことを連休のタイミングですることも多いです。

研修やセミナーに参加する

保育士にも夏休み、冬休み欲しいな。

確かに~。でも保育園休みになったら親と子どもは困るよね。

夏休み・冬休みの長期連休期間中に幼稚園の先生に向けた研修やセミナーに参加することもあります。

保育士が研修を受ける場合は、平日仕事を休んで研修に参加する、土曜日の行われるセミナーに参加するので、こうした長期休みを利用する方が人手のことを考えなくて済むので良いですね。

有給消化のチャンスでもある

夏休み、冬休み中に有給使わなかったらいつ使うのって感じ。

有給使えるチャンスがあるのは良いね。

幼稚園では夏休みや冬休み、閉園期があるため保育士よりは断然有給がとりやすい環境です。

当番で出勤しなくちゃいけない日があっても、職員同士で連携をとって有給をとれるようにします。

有給をしやすい期間があるのは「有給が欲しい」と言いやすいので、良いですね。

連休以外にも幼稚園の先生の勤務体制や働き方

保育士はシフト制なので毎日違う時間に出勤しています。

幼稚園の先生は全員が8時頃に出勤して17時が定時となりますが、それ以降も仕事をしているのです。

そして通園のバスに乗る先生は8時よりも早く来て、子ども達を迎えに行かなくてはいけません。

ちなみに筆者も実習で幼稚園の通園バスに乗りましたが、結構疲れますよね。

子ども達と話したり、歌を歌ったり楽しいですが、人数分の保護者に笑顔で挨拶して子ども達がトラブルにならないように配慮をするので意外と大変です。

休憩はないに等しい

保育士同様、幼稚園の先生も休憩時間がないです。

幼稚園に出勤して子どもと日中の活動そして昼食、子ども達が帰る14時まで休憩はありません。

ノンストップで幼稚園の先生は働きます。

保育士の場合は子どもが午睡に入るので12時、13時事には一旦保育から解放されますが幼稚園の先生は子どもが帰るまではそんな時間ありません。

また保育士なら子どもと一緒に食べる保育園もあれば、子どもとは別に休憩室で休職をとる保育園もありますが、幼稚園の先生の場合は子ども達と昼食をとります。

保育士もハードですが、幼稚園の先生もハードですね。

また保育園には休憩所がありますが、幼稚園にはないところが多く「ゆっくり休憩」というより椅子に座って休憩するスタイルが多いです。

ちなみに筆者の元職場でも事務時間の前に皆で休憩中にテレビを観ながらアイスを食べたりして過ごしていましたが、休憩室がないとそんな雰囲気にもならないですよね。

また事務仕事も多いので、やはり休憩をしっかりとれずに休む時間を惜しんで仕事を片付けます。

サービス残業も常習化しがち

厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、幼稚園の先生の年間残業時間は2時間になっています。

ちなみに保育士の年間残業時間は4時間になっているのですが、現実的な数字ではなさそうですね。

幼稚園の先生も保育士同様、結構事務仕事が多いです。

通常であれば幼稚園の先生は8時間勤務のうち3時間は事務仕事の時間が確保されています。

しかし、実際は幼稚園も延長保育として17時まで預かることがあります。

子どもの人数によっては保育士数名で保育に入ることもあり、幼稚園の子ども達の延長保育を利用する割合いによってこの事務時間も削られてしまうのです。

近年は共働きの家庭も増え、幼稚園を利用している保護者も短時間で働くこともあるため、延長を利用している人も多いかもしれません。

そのため結局事務時間が取れず17時で子どもが全員帰った後、就業後に残って仕事をしている先生もいるでしょう。

毎日の残るのはさすがにしんどいため、こうした長期休みを利用して溜まっていた仕事を集中的に片づけるという使い方をする先生もいます。

まとめ

幼稚園の先生は休みが多いのは変わりませんが、夏休みや冬休みも完全な休みというわけではないのですね。

女性が多い職場、仕事量が多い、子どもに関わる仕事という面では保育士と共通点がありますが、給料面や休みの面では保育士よりも働きやすい条件が揃っているかもしれません。

上記でも触れた通り、最近では幼保連携型認定こども園も増えてきたのでこれからは幼稚園と保育園、一体化していく流れもあります。

5年後、10年後は働く環境が変わってしまう可能性もありますが、就職する際には保育士、幼稚園の先生どちらが自分の条件と合うのか考えてみてくださいね。

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