保育士として働く方、幼稚園の先生として働いている方、そしてこれからこの仕事に就きたいと考えている方にとって大事な給料の話。
なかなか人から聞くのは難しいですが、知っておきたい情報ですよね。
本記事では厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータから算出した幼稚園の先生の平均月収や年収、ボーナスなどを紹介しています。
保育士の月収や年収と比較もしていきますよ。
幼稚園の先生って保育士より給料もらってるんでしょ?
最近では短大や専門学校に通うと保育士資格と幼稚園教諭、両方の資格を取得するよう勧められます。
そして就職する時に保育士を選んだ人、幼稚園教諭を選んだ人と分かれていきますが時々集まると「幼稚園教諭の方が給料良いんでしょ?」なんて会話をするのです。
保育園によって、幼稚園によって給料は異なりますが、統計的にはどちらの方が給料が高いのか気になりますよね。
以下詳しく紹介していきます。
最新幼稚園教諭の平均年収
厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると平均年齢33.7歳の幼稚園の教諭、平均勤続年数8年とすると平均年収は約360万2千円となっています。
平成30年国税庁の民間給与実態統計調査によると、女性の正社員に限定した場合の平均年収は386万円。
幼稚園教諭の平均年収と女性正社員平均年収を比較すると、その差は25万8千円です。
保育士の平均年収とも比較してみましょう。
平均年齢36.8歳の保育士、平均勤続年数8.1年とすると平均年収は約357万9千円。(保育士の場合は女性平均年収との差は28万千円)
保育士・幼稚園ともに女性正社員平均年収よりは低いですが、保育士よりも幼稚園教諭の方が若干、給料が高いという結果になりました。
幼稚園教諭と看護師・介護福祉士を比較した場合
幼稚園の先生、正しくは幼稚園教諭と言います。
幼稚園教諭、保育士ともに国家資格です。
国家資格の中には看護師、介護福祉士などの職業があります。
同じ国家資格の中で給料を比較した場合はどうでしょうか。
平成30年平成30年賃金構造基本統計調査を参考に、それぞれ比較してみましょう。
平均年齢39.6歳看護師(女性)勤続年数8.3年の場合の平均月収は約33万千円、賞与含めた年間平均年収は約479万円。
平均年齢43.5歳福祉施設介護員(女性)勤続年数7.2年の場合の平均月収は23万千円、賞与含めた年間平均年収は325万9千円です。
看護師は一般的にも「給料が高い」と言われています。
上記で紹介した保育士の平均年収は約357万9千円、幼稚園教諭の平均年収は約360万2千円と比較すると、看護師とは100万円近くの差があるのですね。
分かっていても、やはり凄い差を感じます。
介護福祉士とは保育士の場合は福祉の管轄では同じです。
福祉施設介護員と比較した場合は、保育士・幼稚園教諭の方が給料が高いという結果になりました。
幼稚園教諭の平均年収推移
先ほどの賃金構造基本統計調査を参考に、幼稚園教諭の年収の推移を算出しました。
幼稚園教諭の平均年収の推移が以下の通りです。
年 | 年収平均額 |
平成25年 | 335万4円 |
平成26年 | 347万円 |
平成27年 | 340万2千円 |
平成28年 | 339万3千円 |
平成29年 | 341万7千円 |
平成30年 | 360万2千円 |
平成25年と平成30年を比較してみると約30万円近く上がっています。
保育士の年収推移と比較すると、たとえば平成29年の場合、保育士の平均年収は342万1千円となっているので両者にあまり変わりありません。
しかし全体的にみるとやはり若干幼稚園教諭の方が高いですね。
【参考】保育士の給料はいくらくらい?平均年収や月収、ボーナスまとめ。
幼稚園教諭の平均年収が上がっている理由
幼稚園教諭の平均年収が上がっている理由は保育士同様に、平成27年から処遇改善手当がつくようになったからでしょう。
近年は幼稚園と保育園が一緒になった複合施設、認定こども園も増えてきたのでそこで一緒に働く幼稚園教諭と保育士で給料に差があったら大変ですよね。
保育士のキャリアアップ等ばかり取り上げられているので幼稚園教諭のことがあまり話題にあがりませんが、処遇改善手当は幼稚園も対象となっているのです。
【参考】保育士の処遇改善手当とはなに?実際にいくら貰えるの?
幼稚園教諭の平均月収やボーナス
若い時は「給料いくらもらってる?」なども話題に上がるかもしれませんが、ある程度の年齢になると給料なんて聞けませんよね。
なかなか聞けない給料面の話ですが、幼稚園教諭の給料事情はどうなっているのでしょうか。
以下幼稚園教諭の月収相場やボーナスなど、詳しく紹介しながら保育士・他業種とも比較していきましょう。
幼稚園教諭の月収相場と保育士の月収相場を比較
それでは上記の項目では年収について紹介しましたが、もっと細かく月収についても賃金構造基本統計調査から算出してみました。
平成30年の統計を参考にすると、幼稚園教諭の平均月収は24万1,300円です。
他業種の女性の平均月収は24万7,500円なので、一般的な女性と殆ど変わりません。
保育士と比較すると保育士の平均月収は23万9,300円なので、保育士と比較した場合もあまり変わりはないようですね。
幼稚園教諭のボーナスと保育士の月収相場を比較
賃金構造基本統計調査を参考にすると幼稚園教諭の平均年間賞与、つまりボーナスとその他の別途給与額は70万6,100円です。
保育士の平均年間賞与は70万7,700円なので、殆ど差はありません。
他業種女性の平均ボーナスは63万9,100円なので、他業種よりも賞与額は多いようですね。
ボーナスを含めない年収が他業種よりも低いため、ボーナス等を充実させて他業種との差を埋めているのかもしれません。
ボーナスも大切ですが、これから更に保育業界全体の収入を上げて欲しいですね。
幼稚園教諭の年齢別平均月収・ボーナス・平均年収一覧表
やっぱり50歳過ぎると園長先生とかになるから、月収やボーナスも上がるんだねぇ。いいなぁ。
ま~そりゃ長く働いてきたからね。
以下、厚生労働省の賃金構造基本統計調査から算出した表です。
年齢 | 平均月収 | 平均ボーナス | 平均年収 |
20~24歳 | 20万5千円 | 45万6千円 | 291万6千円 |
25~29歳 | 22万5千円 | 73万2千円 | 343万2千円 |
30~34歳 | 24万3千円 | 78万8千円 | 370万4千円 |
35~39歳 | 24万6千円 | 72万円 | 367万7千円 |
40~44歳 | 26万7千円 | 82万8千円 | 403万2千円 |
45~49歳 | 27万6千円 | 86万7千円 | 417万9千円 |
50~54歳 | 28万3千円 | 99万5千円 | 439万1千円 |
55~59歳 | 29万9千円 | 98万円 | 456万8千円 |
現在幼稚園教諭として働いいる人達は自分と当てはめてみて、いかがでしたでしょうか。
都道府県や市町村によって差がでるとは思いますが、基準として参考にしてみてください。
幼稚園教諭と保育士を比較した場合、全体的に幼稚園教諭の方が月収・ボーナス・年収が保育士より高い結果となりました。
20代の頃は大して差はありませんが、40代になると差が大きいです。
たとえば40~44歳保育士の平均年収は386万6千円ですが、幼稚園教諭は403万2千円となっています。
そして50~54歳保育士の平均年収は403万1千円ですが、幼稚園教諭は439万1千円です。
収入が30万円以上違えば結構生活も変わってきますよね。
結果、保育士より幼稚園教諭の方が収入は良い
データをもとに比較すると、やはり保育士より幼稚園の教諭の方が収入が良いことがわかりました。
「子どもと関わる仕事を生涯続けたい、給料も多い方が良い」と思っている方は、将来を見据えて幼稚園教諭を目指すのも良いかもしれません。
ただ近年は保育士も給料が上昇傾向ですし、好条件で働ける環境にもなってきているので自分の中の条件をと照らし合わせて「幼稚園教諭を選ぶか、保育士を選ぶか」考えてみましょう。
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