「我が子にはしっかりとした教育をうけさせて苦労させたくない」というのが親心。
しかし「幼児教育・早期教育の違いをしっかり把握しているかか」というと、あいまいな部分が多いのはないでしょうか。
そこで本記事では「幼児教育と早期教育」の違いにについて紹介します。
何がどのように違うのかをしっかりと把握し、子育てや教育に参考にしていただければ幸いです。
幼児教育とは未就学児(小学校入学前)の子どもたち向けの教育
幼児教育とは、未就学児、つまり小学校に入学する前の子どもたちに向けた教育。
具体的に言うと、家庭で行う教育や保育園での教育、幼稚園や地域社会などの教育も立派な幼児教育です。
子どもは、遊びや実体験を通して外の世界への好奇心の扉が開かれ、探索が始まり、知識を得るための土台が作られていきます。
また、モノや人とかかわることで発達に重要な自我が芽生え、自分以外の存在に気づき、自分をとりまく社会とのかかわり方の感覚を養っていくのです。
上記のことから、家庭や地域での幼児教育では、積極的に外遊びや実体験などを体験させ、子どもの良さや可能性の芽を伸ばす努力が必要不可欠となります。
そして、幼稚園教諭や保育士は、子どもたちひとりひとりの内面に芽生えた可能性を理解し、芽を伸ばすための環境づくりや育成計画をたてるなど、専門能力が求められるのです。
幼児教育は、次世代を担う子供たちが人として「心豊かにたくましく生きる力」を身につけられるような土台作りを行う教育と言っていいでしょう。
「豊かな心」や「生きる力」など生涯にわたり必要な人間力を養う教育だからこそ、幼児教育は大変重要なものなのです。
早期教育とは未就学のうちに専門的な教育を行うこと
早期教育は「英才教育」と似ています。
早期教育とは、未就学児のうちに、専門的な教育を行うことです。
早期教育を行う背景としては、子どもの能力や吸収力は無限大であるという考え方が根底にあり、刺激を与え環境を整えることで「能力を最大限発揮させたい」「将来後悔させたくない」という親の思いが強い場合が多いようです。
たとえば、「英語教育などはネイティブ並みの発音を習得するために、耳が発達する3歳頃までに始める」。
他にも、同じく絶対音感を養うためにバイオリンやピアノなども、3歳ごろからはじめた方が良いなどの「臨界期説」という説に基づいて早期教育を行う親が増えています。
そして、最近では、小学校入学前にひらがなやカタカナのみならずローマ字や漢字を習得させようという風潮も広まり、サッカーやバレエ・スイミングなど運動系の教育も早期に行うことで子どもの能力を最大限高め「他の子に後れを取らないように」と考える親が大変多くなってきました。
いずれも、上記で触れた通り「子どもの能力を早い時期に最大限伸ばしてあげたい」という親の思いが早期教育の背景にあるようです。
幼児教育と早期教育の違いを目的、身につく能力、行い方で確認
以下、幼児教育と早期教育の違いについて紹介します。
目的の違いについて
子どもの能力を伸ばすという観点から見れば幼児教育と早期教育に差はありません。
しかし、早期教育の方が、より具体的に能力を伸ばすという目的があります。
幼児教育の目的
幼児教育の場合、あそびや実体験を通し「心豊かにたくましく生きる力」を育む教育、つまり生涯にわたって生きていく力の基礎を養うことが目的です。
早期教育の目的
上記でも紹介した通り、早期教育の場合「知育、音楽、スポーツ」などの狭い範囲での体験となり、子どもの能力を最大限伸ばすことを目的とすることが多いです。
ここで私たち親が注意すべきは「子どもが考える過程を奪わない」ということです。
アレコレと口を出し、1から10まで全てを教えてしまうことがせっかくの素晴らしい経験や体験を奪ってしまいかねません。
もちろん危ない事や危険なこと、誰かを傷つけてしまうことに対しては注意が必要ですし、事前に危険を排除することも大切です。
しかしそれ以外については、子どもが自ら考えることで問題解決能力が高まり、問題解決できたことで自己肯定感が高まると言われています。
身につく能力の違いについて
身につく能力の違いを簡単に説明すると、子どもが日常的に体験すること全ては「幼児教育」。
日常的ではなく、子どもの才能や能力を磨く為に習いごとをさせるのが「早期教育」です。
幼児教育で身につく能力
幼児教育では、あそびや実体験を通して、人との関りや社会との関わり。
知的好奇心や探求心を育むことで「人間力」「生きる力」という基本的能力が身につきます。
家庭で幼児教育を行う場合は、普段から児童館や公園などに出向き外の世界と触れ合う努力も大切ですね。
海外やどこか遠い地に出かけなくても、地域のお祭りや行事に出向き、近隣住民の方々と交流し地域文化に触れたり、山や野原に出かけ花や草木、虫や生き物を観察することも、立派な幼児教育と呼べるでしょう。
子どもにとっては、様々な体験や経験すること全てが「幼児教育」となるのです。
早期教育で身につく能力
上記で何度も触れている通り、早期教育では、早い段階から特別な教育を行うことで、他の子よりも抜きんでた才能や能力が身につくことが多いとされています。
上記で触れた「ピアノ」「英語」「スポーツ」等。
ただし、親のおしつけや本人の意思を無視して無理やり行うと、自己肯定感や達成感を得られづらくなることがあるので注意してください。
行い方の違いについて
上記で説明してきた通り、幼児教育の場合は子どもが体験した事、経験したこと全てが幼児教育となるので特別に何か行う訳ではありません。
早期教育の場合は、親が「どんな能力を子どもにつけて欲しいか」という内容によって、内容は様々です。
幼児教育の行い方
上記でも触れた通り、幼児教育は、家庭や地域、幼稚園保育園で遊びや実体験を通して行う全ての活動を指します。
学習させる教育するということではなく、子どもたちが伸び伸びと活動を行う中から吸収する様々な経験が、幼児教育の根底となり糧となるといっても過言ではありません。
早期教育の行い方
早期教育は、専門的な教材を使用したり、専門的な教室やスクールに通わせることで早期教育を行う家庭が多いです。
たとえば、親が自分がピアノ教師、英語教師の場合。
生まれたばかりのころから、音楽や英語に触れさせることもあるようです。
他にも、通信教育、教室、スクールなど早期教育を行うには様々なツールがありますので、子どもの特性を見極めて慎重に選ぶことが重要となります。
まとめ
幼児教育・早期教育は似ているようで、全く異なるものです。
「どちらじか一方を選ぶ」訳ではなく、どちらも子どもたちにとって大変大切な教育であると言えるでしょう。
幼児教育は子どもたちの人間としての基礎力を養うために必要不可欠ですし、早期教育はその子の能力を最大限引き出すために必要な教育。
ただし、早期教育を行う場合は子どもの意思を尊重し個人の能力を認め、叱責しないということが非常に重要になります。
人には得意不得意があって当たり前、子どもも大人も同じです。
いくら子どもだからといって、不得意なものを親のエゴで押し付けてしまてっては、子どもの自尊心は育ちません。
その見極めをするために、幼児教育を通しその子の特性を理解し、能力を判断する努力を行うことが親としての務めであり重要なポイントとなるでしょう。
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