転職の際に必要になる「職務経歴書」。
保育園によっては履歴書だけでも良いというところもあるので、転職を数回経験している人でも「経歴書って書いたことない」という人もいるでしょう。
本記事では、職務経歴書に関して詳しく説明します。
職務経歴書とは
職務経歴書とは、簡単に言うと、本人が今までどのような業務を行っていたか、また、どのようなスキルを持っているのかを記入するものです。
会社(保育士の場合は保育園)は、職務経歴書を見て「この人はこんなこともできるんだ」「前の職場でもこの仕事をやっていたなら、うちでもできそうだな」等、会社が求めている人材かどうか、判断します。
職務経歴書の記入は手書きかパソコンですが、作業効率も考えてパソコンで作成するのが良いでしょう。
「自宅にパソコンが無いんだけど・・・」という人は、勿論手書きでも大丈夫です。
また、保育園によっては手書きの方が「丁寧さが分かる」「意欲が伝わる」と評価に関わることもあるので、場合によっては保育園に確認した方が良いかもしれません。
職務経歴書のフォーマットとは
フォーマットとは、編年体系式と呼ばれる一般的な職務経歴書です。
簡単に言うと、時系列に沿って業務内容・職務内容を記入していくもの。
以下、フォーマットの職務経歴書の内容です。
- 経歴の概要
- 職務経歴
- 主に担当した業務
- 資格やスキル
- 自己PR
書き方については、後程紹介します。
キャリア式の職務経歴書とは
職務内容ごとに経歴をまとめて記入するのが、キャリア式の職務経歴書です。
自分のスキルや得意分野を明確に、分かりやすく書く事ができるので、転職回数が多い人は良いかもしれません。
保育士が転職する際、職務経歴書は必要?
たとえば、転職活動がはじめてという人にとっては転職は未知。
「職務経歴書が必要なのか」「職務経歴書は絶対に書くものなのか」など、分からないですよね。
転職する際、職務経歴書の提出を求められる場合がほとんど。
たとえば、求職者が少ない場合であれば、前職でどんな仕事をしていたのか、どういうスキルがあるのか、面接で一人ひとりゆっくりと話すことが出来るかもしれません。
しかし、募集をかける人数が多い場合や募集をかけた人数よりも沢山の求職者がいた場合、書類である程度、審査しなければならないので、職務経歴書が必要なのです。
以下、転職先別に、職務経歴書の必要性を紹介します。
保育園から保育園へ転職、保育園から幼稚園に転職
保育園から保育園へ転職する場合、また保育園から幼稚園に転職する場合。
保育園や幼稚園によっては、職務経歴書が必要ない場合があります。
保育園や幼稚園の場合。
面接や書類に関して、他業種と比べてフランクなことが多いので、「履歴書のみで大丈夫ですよ」と言ってもらえることもあるのです。
しかし、必ずしも「保育園(幼稚園)に転職する場合は職務経歴書、必要ないんだ」という訳ではなく、職務経歴書の提出を求める保育園も珍しくはありません。
必要の有無に関わらず、必要になる場合に備えて1枚完成させておくと良いですね。
保育園から他業種に転職
保育園から他業種に転職する場合、必ず必要と思っておいて良いでしょう。
一般的な会社や企業に転職する際、ほとんどの会社から職務経歴書の提出を求められます。
保育園から他業種に転職する場合。
保育というのは専門性が高く、子どもに関わる仕事なので、他業種との関連性や活かせるスキルを考えることが少々難しいかもしれませんね。
たとえば、保育は保護者や子どもなど人と関わる仕事なので、人とのコミュニケーションが必要不可欠。
コミュニケーション能力は、全ジャンルの職種に必要な力です。
そういった全ジャンルに共通するスキルについて考えることで、自己PRに記入する内容が浮かぶかもしれません。
職務経歴書の重要性やポイント
転職活動において、この職務経歴書と履歴書は採用可否を判断する保育園の担当者が、あなたという人物を初めて知ることができるツールです。
すなわち、第一印象を決めることになるものだと言うことです。
その為、転職活動においては非常に重要度が高いものとなってきます。
書類選考での合否判断として
書類選考の段階では、基本的に保育園側は履歴書と職務経歴書でしか合否を判断することができません。
いくらあなたが人間的に優れていても、非常に高いスキルを持っていたとしても、そして面接すれば必ずと言っていいほど合格するような魅力的な人であっても、履歴書や職務経歴書で伝えきれなかったり、印象が悪ければ、書類選考不採用となっても仕方がないのです。
採用側が職務経歴書を通して知りたいのは、これまでどういった仕事をしてきたかということだけではありません。
その経験を経て身につけた能力、仕事に対する意欲・熱意といったことを知りたいのです。
丁寧に、誤字脱字なく、わかりやすく書くことは当たり前。その上で、しっかりとアピールすることが求められます。
ちなみに私自身、以前人事側として採用にたずさわったことがあります。何人もの職務経歴書を見てきました。
そんな中で、自己PRの欄をしっかり書くことができている人は正直少なかったです。たった一行だけという人も少なからずいました。
だからこそしっかりと自分をアピールできれば、採用に繋がる可能性は十分に高いのです。
面接において
職務経歴書は、書類選考のみならず面接においても活用されます。適当に書けば、たとえ運よく書類選考を通過できたとしても、それが重荷になってしまうのです。
採用側は書類選考の段階で応募者に対してある程度の順位づけをします。書類選考が終わったらまたみんな一律になるというわけではないのです。
もちろん面接の結果でその順位が入れ替わり、書類選考の段階では採用ラインに達していなかった人が採用されたり、逆に採用ラインに達していた人が不採用となるケースも多々あります。
しかし、最初の段階で有利な位置に立てているかというのはやはり大きな差です。面接が上手くいったけど不採用だった場合、書類選考での評価が低かったというケースも多々あるのです。
また、職務経歴書に適当なことを書いて、面接時に突っ込まれて嘘だということがばれてしまったというケースもあります。
面接では履歴書や職務経歴書を元に質問されることが決まります。書類選考に通過することばかりを考えるのではなく、面接で突っ込まれるということを意識しながら書く必要もあるという点には注意が必要です。
職務経歴書を書く上で絶対に意識すべきこと
職務経歴書を書く際に、意識したい事。
それは「転職先の保育園がどのような人材を求めているのか」ということです。
転職先の保育園がどんな人材を求めているかによって、自分の自己アピールポイントも変わります。
まずは、職務経歴書を記入する際に、注意するポイントを確認しておきましょう。
注意するポイント・・・
- 誤字脱字には気を付ける
- 汚い字は読みづらいので丁寧に書くことを心がける
- 用紙にボロボロ、シワシワになっているものは使わない
- 修正テープは使わない
- 略語を使わない、文字を略さない
他にも、具体的には以下の点に気を付けてください。
- 資格やスキルを目立たせるために見出しを付ける
- 資格やスキルは簡単にまとめる(文章が多いと逆に分かりづらい)
- 業務内容は実績に関しては詳しく記入すると良い
など、見やすいように記入することで、より好印象を与えることができるでしょう。
保育士の職務経歴書の書き方・例文
以下、職務経歴書の項目です。
- 日付
- 氏名
- 職務内容
- 所有資格・スキル
- 自己PR
それぞれの書き方について、説明します。
日付・氏名・資格
用紙の上に、日付と氏名を記入する場所があるので、記入しましょう。
職務経歴書は、たとえば以下のように記入します。
【職務経歴書】
社会福祉法人〇〇保育園 (20〇〇年〇月)
事業内容:保育園の運営
資本金:〇〇万円
従業員数:40名(20〇〇年〇月〇日現在)
雇用形態:正社員
法人の場合は、ホームページの「会社概要」などに、載っているのでチェックしてください。
職務内容
職務内容の例文は、以下の通りです。
0~3歳児のクラスを歴任。保育業務の他にも園の運営に関わる業務を担当。書類作成をはじめとする事務や保護者対応、行事進行なども経験しました。他にも催事ではピアノ伴奏や司会なども務めてきました。
職務内容は、長くなりすぎないように気をつけながら、文章を考えて記入します。
所有資格・スキル
所有資格やスキルの例文は、以下の通りです。
【所有資格】20〇〇年 3月 保育士免許 取得
20〇〇年 3月 幼稚園教諭第2種免許 取得
【スキル】
- 事務中心とした運営補助
- 保育に関する書類作成
- ピアノ演奏
上記の他にも、所有資格やスキルなどがあれば、記入します。
自己PR
自己PRは例文は、以下の通りです。
〇年間保育士として働き、乳児クラス、幼児クラス共に担任を経験しました。2年前には、1歳児の複数担任の中で主担任も任され、クラス運営や保護者対応も経験しております。特に力を入れていたのは保護者対応です。私は、ベテラン保育士に比べ、保育士経験が浅いため「〇〇先生に聞いても問題は解決しない」と保護者に判断されてしまいます。ベテラン保育士の方が知識も豊富、そして頼りになるのは当然のことですが、自分も保護者の力なれることはないかと考え「保護者に自分から声をかける」「笑顔で接すること」を日々心がけました。そして、保護者の方に「先生の顔見ると安心するよ」「先生、聞いて」と身近な相談相手として、声をかけてもらうことが増え、仕事の中でもやりがいを感じながら、保護者との信頼関係の築き方を学びました。
こうした経験により、培ってきた保育、またクラスを運営する能力を貴園においても活かしたいと考えております。
以上
自己PRは、職務経歴書において最も重要な部分です。
具体的なエピソードを入れた自己PRにすることで、より良いアピールになります。
転職では経験や実績を、実際のエピソードを交えながら信頼性を上げて保育士という仕事に対する熱意や能力をアピールしていきましょう。
保育士の職務経歴書Q&A
たとえば、転職を初めてする人は「職務経歴書って・・・」と職務経歴書に関して、疑問がある人も多いでしょう。
以下、職務経歴書に関するQ&Aです。
職務経歴書と履歴書って何が違うの
職務経歴書と履歴書は似ているようですが、記入する内容に違いがあります。
履歴書とは、応募者(転職者)の情報を確認する書類。
たとえば、氏名や住所、連絡先、学歴職歴、志望動機、健康状態、通勤時間などの基本的なプロフィールを知るための書類です。
職務経歴書とは、応募者がこれまでの仕事で経験した業務やスキルについて伝える書類になります。
上記でも説明した通り、自己PR、活かせる経験・知識・技術、転職理由など、つまり職務経歴書は、自分が何ができるかを示す書類ですね。
職務経歴書について、用紙のサイズや枚数
特に指定がない場合、職務経歴書のサイズはA4サイズで良いでしょう。
他にも市販やダウンロード版ではB5サイズの職務経歴書もあります。
B5サイズの職務経歴書だからといって、落とされたり、不利になることはないので、特段、気にすることはありません。
転職回数が多くて、枚数が・・・職務経歴書の適性枚数は何枚?
職務経歴書の適性枚数は2枚。
1枚になると自己PRまで書ききれないですし、3枚だと多すぎるので、2枚が適しています。
転職回数が多かったとしても、職務経歴をシンプルにまとめて、2枚で書ききりましょう。
長いと読みづらく、採用者によっても負担です。
職務経歴書の書き方をマスターして転職しよう
まず「転職しよう」と決めたら、履歴書を記入し、気になる保育園を見つけたら職務経歴書の記入に取り掛かります。
取り掛かるまでは面倒くさい書類記入ですが、完成させてしまうと気持ちの面でも余裕が出てくるはずです。
記事の中でも触れた通り「パソコンで用意しても良い」保育園の場合は、パソコンを利用することで手も疲れることなく、間違いの訂正も早く、書類作成の負担が減ります。
最初の段階で、転職に関わる書類を完成させておくことで、転職活動も集中して進めることが出来るでしょう。
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