保育士免許を取得した人なら聞いたことがあるモンテッソーリ教育という名前。
「名前は聞いたことあるけど・・・」とあまりモンテッソーリ教育に関して知識がない人もいるかもしれませんが、このモンテッソーリ教育を取り入れた保育園や幼稚園が結構あるのです。
モンテッソーリ教育は世界に広まっており、現在は140以上の国にモンテッソーリ実践園が存在しているといわれています。
そしてモンテッソーリ教育を受けた人は世界でも活躍している人ばかりです。
本記事では保育園に就職する時や子育ての時にも役に立つモンテッソーリ教育について合紹介します。
モンテッソーリ教育とは
子どもには自己教育力、自分で自分を育てる力が備わっているというのがモンテッソーリ教育の前提です。
日本モンテッソーリ教育総合研究所のサイトに以下のような表現があります。
歩くことを教えなくても、歩こうとしたり、積極的に環境に関わりながら様々な事柄を吸収していったりする姿は、子ども自身が自立に向かって、成長・発達していこうとする姿のあらわれといえます。
【引用】日本モンテッソーリ教育綜合研究所
確かに赤ちゃんでも大人のマネをして話そうとしたり、幼児はお母さんの台所仕事を真似しておままごとで遊ぶ姿はよく見られますよね。
モンテッソーリ教育の目的は、以下の通りです。
モンテッソーリ教育の目的は、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことです。
【引用】日本モンテッソーリ教育綜合研究所
自立、有能、責任感や思いやり・・・そして生涯学び続けるという姿勢、どれも今の時代を生き抜くには必要です。
自主性・独立心はモンテッソーリ教育を代表するキーワード
いくら自主性や独立心を育てると言っても子どもをただ放っておくという意味ではありません。
モンテッソーリ教育において大人の役割は大人の価値観を一方的に教え込むものではなく、子どもに自発的活動を促すことです。
子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが主体となるように、そして子どもが「やってみたい」「触ってみたい」と思えるような環境を大人が用意します。
子どもは周囲の大人に環境を整備してもらい、自分が興味を示したものへの関わる方法を大人から教えてもらわなければ自己教育力は発揮することができないのです。
またモンテッソーリ教育は保育園や幼稚園などの集団生活の場でしかできない教育法ではなく、家庭でも子どもの教育方針として取り入れることができます。
モンテッソーリ教育を家庭に取り入れている家庭では「自分で考えられる子に育ってほしい」「集中力をつけてほしい」「自分の好きなことを突き詰めていくような探求心をもってほしい」などの子どもへの願いがあるのです。
モンテッソーリ教育の考案者について
モンテッソーリ教育とは、イタリア初の女性医学博士であり教育者のマリア・モンテッソーリが考案した独自の教育法のことです。
勤務先の病院にいた知的障害児に教育を施した結果、知的水準を向上させることに成功し、自身の教育法に手ごたえを掴みます。
そして、1907年には貧困家庭の健常児を対象にした保育施設「子どもの家」で教育をスタートさせました。その後、モンテッソーリ教育を実施する保育施設は「子どもの家」と呼ばれるようになり、世界各地に広がっています。
日本に広めた人物はロバート・W・アーウィンの長女ベラと言われています。
Wikipediaによると1916年には私立玉成保母養成所と付属幼稚園を開校したと表記されているので、日本に伝わってきたのはおそらくその時代なのでしょう。
また日本モンテッソーリ教育綜合研究所のサイトを参考にし、マリア・モンテッソーリの略歴を簡単に紹介すると1886年に国立レオナルドダビンチ工科大学に入学、その後ローマ大学の医学部に進学し、1896年ローマ大学では女性として初の医学博士号を取得しています。
そしてローマ大学医学部付属精神病院の助手になった後、今度はローマ大学で心理学を学んでいます。
大学卒業後には、知的障害を持つ子どもの教育に取り組み、知能を向上させることに成功しています。
その後はローマ大学教師養成コースで教育人類学を講義していたようです。
知的障害を抱えた子どものための教育を障害を持たない子にも活かせると考え、1907年には貧困層の健常児を対象とした保育施設子どもの家を開設しています。
モンテッソーリ教育といえば、子どもの家が有名ですよね。
その後は「平和のための教育」を講義したり、「幼児の秘密」「吸収する心」などを著しています。
子どもの家とは
子どもの家という言葉は、主にモンテッソーリ教育を導入している施設(保育園や幼稚園)のことです。
子ども用の小さな家をイメージしてしまうのですが、そのイメージにいくつか補足する必要があります。
子どもの家の主な特徴の例は以下の通りです。
- 子どものサイズに合わせる
- 子どもが主人公である
- 縦割り保育など異年齢との関わりがあること
- 玩具でなく本物を使うこと
- 手先をよく使う
- 目的を持った玩具を用意する
本物を使うことが良いとされていますが、たとえば家の中を掃除する箒や台所で使う包丁などは大人の物を使わせるのではなく、本物であっても子ども用のサイズを用意するのです。
他にも異年齢児保育を推奨しているので、たとえば2歳児が外に行く時に靴を自分で履こうとしていて履けない時は、保育士が手を貸すのではなく年上の子どもが履かせてあげる場面があります。
モンテッソーリ教育で使われる玩具
モンテッソーリ教育では子どもが遊ぶことをお仕事と言います。
これも特徴的なポイントですね。
集中して満足するまでお仕事する(遊ぶ)ことで、子どもは自分に必要な能力を取得していくのです。
他にも玩具が特徴的で、知育玩具のような玩具で遊びます。
モンテッソーリ教育の代表的な玩具がいくつかありますが、それはどれも数や言語に関連しているものです。
またモンテッソーリ教育の教材は形、大きさ、手触り、重さ、材質などが配慮されています。
たとえば以下のような教材が使われます。
- はめこみ円柱
- ピンクタワー
- 茶色の階段
- 赤い棒
- 重量版
- 円柱さし
- 切手遊び
他にも存在しますが、種類も豊富なためそれぞれの子どもの好みのものがあるでしょう。
他の保育園にも同じような玩具がありますが、モンテッソーリ教育を導入している保育園ならより本物に近づいている物だったり、むしろ本物ということがあります。
子どもの五感を刺激し「やってみたい」と思うような教材が揃っているのです。
他には、日常生活の練習となるようなもの、コップに水を注ぐ、洗濯、アイロンがけ、箸を使う、包丁を使う、ひも通しで縫う動作をするなど日常生活に結び付く活動を行います。
清潔に保つことや物を壊さないように扱うことの大切さを学びます。前期に引き続き体の動かし方を習得していくのです。
モンテッソーリ教育を受けた著名人
以下はモンテッソーリ教育を受けた著名人の一部を抜粋したものです。
- セルゲイ・ブリンとラリー・ペイ(グーグル共同創立者)
- マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創立者)
- ジェフ・ベゾス(Amazonの創業者)
- 藤田聡太(棋士)
- テイラースウィフト(歌手)
- バラク・オバマ大統領
- 英国王室のウィリアム王子
モンテッソーリ教育を受けた著名人は世界や業界でも多くの人が活躍しているため、100年以上経つ今でも注目されている教育法なのです。
特に、ラリー・ペイジ氏、セルゲイ・ブリン氏はモンテッソーリ教育の影響を強く受けており、業務にも反映させていると言われています。
創業当時は新しい分野だったIT企業を巨大企業に育てられたのは、モンテッソーリ教育によって養われた思考力や実行力などが関係しているとも言えます。
モンテッソーリ教育を受ければ必ず成功するということではありませんが、人格形成の基礎となる幼児期や思春期にそういった環境下にいることで何かしらの影響をうける可能性はあります。
ただ大人が与えるだけではなく、自分で考える力がつくと話題のモンテッソーリ教育ですから、自分の中の能力や才能を見つけやすくなるのかもしれません。
子どもの発達段階の捉え方や特徴的な表現
モンテッソーリ教育は大人になるまでの段階を4つに分けています。
成長の段階は研究者や研究分野によって区別の前後があるようですが0~6歳を幼児期、6~12歳を児童期、12~18歳は思春期、18~24歳は青年期です。
海外ではこのモンテッソーリ教育を大学でも取り入れているようですが、日本では教育の自由化がなされていないため乳幼児期の教育として受け入れられています。
敏感期とは
敏感期とは自分の能力を伸ばす、得るためにある一定の時期の何かに対して非常に強く反応する、こだわる子どもの姿を指します。
「所有」にこだわりをみせる時期、「場所」にこだわりをみせる時期など子どもは自分のマイブームのようなものがありますよね。
それは大人にとっては少しうんざりすることであったりしますが、子どもが何かにこだわっている時は何かの能力を得ようとしていると考えると心が少し楽になるかもしれませんね。
実際にモンテッソーリ教育ではそう表現されているのですから、子どもが何かに夢中になっている時は周囲の大人も子どもをよく観察しましょう。
日本モンテッソーリ教育綜合研究所のサイトを参考に以下子どもの成長について紹介します。
0歳~3歳児は前期とし、吸収する精神の時期
この吸収する精神の時期は人生の中でもっとも吸収力が強く、人間社会に適応していく時期です。
子どもの自己教育力を発揮させる環境として、以下の教育環境が用意されることになります。
- 粗大運動の活動
- 微細運動の活動3歳
- 日常生活の練習
- 言語教育
- 感覚教育
- 音楽
- 美術
以下でさらにそれらの項目について紹介します。
粗大運動の活動
これは跳び箱や鉄棒などの体育的なものではありません。
たとえば歩くこと、階段の上り下り等の全身を用いた大きな動きのことです。
0歳~3歳の子どもならずり這いから歩行までの運動を指します。
微細運動の活動
微細運動とは手先を使った運動のことです。
たとえば握る、落とす、たたくなどの動きを指します。
日常生活の練習
日常生活とは粗大運動と微細運動が複合的に合わさった活動のことです。
たとえば着脱や植物の世話などを指します。
言語能力
子どもは自分の周囲で話されている母語を獲得します。
たとえば日本なら日本語、アメリカなら英語などのことですね。
モンテッソーリ教育では子どものことばの発達に合わせてきめ細やかなステップを大人が用意して、豊かな語彙を養うのです。
感覚教育
先ほども紹介しましたが、子どもは無意識に自分を取り巻く環境を吸収する力があります。
感覚の敏感期には発達段階や興味に応じた感覚教具に触れることで感覚の洗練を促すひつよう があります。
音楽
子どもは音を聞くと自然に体を動かしたり、楽器を鳴らして表現を楽しみます。
楽器を使ったり、歌を歌う、踊るなどの環境を用意します。
美術
クレヨンや鉛筆などを握って絵を描く、粘土をこねることです。
思いのままに自分を表現することを楽しみます。
たとえば保育でいう制作物をつくることですね。
3歳~6歳までを後期とし、意識の芽生えの時期
3歳~6歳までを後期とし、意識の芽生えの時期と言います。
前期に無意識に吸収した事柄を意識的に整理して秩序していく時期です。
子どもの自己教育力を発揮させる環境として主に7つの教育環境が用意されることになります。
- 日常生活の練習
- 感覚教育
- 言語教育
- 算数教育
- 文化教育
以下でさらにそれらの項目について紹介します。
日常生活の練習
幼児は大人のすることをなんでも真似しますよね。
そして自分の体を意志どおりにコントロールする能力を身に付けます。
たとえばハサミを使って何かを切る、コップに水をそそぐ、ボタンをかけるなど実生活と関連する活動をするのです。
感覚教育
子どもは3歳を過ぎる頃には匂いや味を区別するなどの感覚器官の発達が殆ど完了します。
モンテッソーリ教育では感覚器官が洗練されれば様々な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達するという考えです。
感覚教具は対する、階段づける、分類するなど三つの操作があります。
教具で遊ぶことによってものを観察する能力、ものを考える方法を身につけます。
言語教育
内容は先ほど触れた通りです。
幼児になると「文字が書きたくなる」「絵本になんて書いてあるのか理解したい」という気持ちを持ちはじめます。
その文字に興味を持った時期にひらがな積み木などの教具を用意して、大人が適切な関わりをすることで自然と文字が書けるようになる、絵本を読めるようになるのです。
算数教育
モンテッソーリ教育には算数教育で使われる教具があります。
それで遊ぶことでただ数字を唱えるだけでなく、数量を具体物で表すことができたり、手で扱えるようになるのです。
文化教育
文化教育はことばや算数以外の興味を対象にしたものです。
歴史や地理、地学や植物など小学校の社会科や理科にあたる分野です。
子どもの知りたいという欲求に答え、興味の種を可能な限りまくことが目的とされています。
モンテッソーリ教育を導入している保育園
日本モンテッソーリ教育綜合研究所のサイトを参考にすると、2019年4月の時点国内でモンテッソーリ教育が導入されている保育園や幼稚園などの施設を合わせて119箇所。
東京だけでも5箇所の施設で導入していて、北海道から沖縄まで各地域にモンテッソーリ教育を導入している施設があります。
「モンテッソーリ教育を導入している保育園に勤めたい」という気持ちがある保育士の方は、引っ越しなどをしなくても意外と地元にモンテッソーリ教育を導入している保育園があるかもしれませんね。
モンテッソーリ教育を導入している保育園の特徴
モンテッソーリ教育に興味がある保護者にレベルが高い保育を求められそうでプレッシャー・・・。
厳格で堅そうなイメージが勝手にある・・・。「こら!」とか言っちゃだめなんだろうな。
モンテッソーリ教育を導入している保育園と謳っていても、実際どの程度本格的に普段の保育に反映しているかという点はその保育園によって加減が異なります。
徹底的に、そして忠実に取り組んでいるという保育園は少ないでしょう。
ここでは全体でモンテッソーリ教育の教育法を取り入れている保育園について紹介します。
まずは保育園の雰囲気です。
子どもは集中してお仕事(遊ぶ)をしているので、一般的な保育園とは雰囲気が異なります。
「ぎゃははー」などの声が飛び交うような保育園でよく見る賑やかな遊戯室(ホール)ではないでしょう。
子ども達がそれぞれ好きなことに取り組み、集中してお仕事(遊ぶ)いるので静寂、静かな環境です。
また集団で遊ぶことを禁止にしているわけではありませんが、それぞれ自分が関心のあることに取り組んでいるため個人で遊ぶ子が多いかもしれません。
他にもモンテッソーリ教育ではいつない活動が中心のため、世間的には「モンテッソーリ教育を導入している保育園は外遊びが少ない」と感じている人が多いようです。
とはいえ散歩に行かない、戸外活動がないというわけではありませんが、保育園によっても取り入れ方は異なります。
モンテッソーリ教育と保育の関連性
子どもの成長として自主性・独立心・知的好奇心が大切とされ、社会貢献する人物になることを理想とする保護者も多いです。
他にもモンテッソーリ教育は「潜在能力を引き出す」「知的能力をあげる」と期待されており、都心では小学校のお受験対策や「英才教育」としてモンテッソーリ教育を導入している保育園を選ぶ保護者がいます。
冒頭でも述べたように元々保育施設で取り組む教育法として広まっていたため、日本でも保育所の方針の一つとして導入されるようになったのでしょう。
子どもは生まれながらに自らを成長・発達させる力を持っていて、大人はその要求を汲み取り、自由を保障します。
大人(保育士)は子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならないという考えがモンテッソーリ教育の基本です。
上記の考えを取り入れているのが、モンテッソーリ教育を導入している保育園ですね。
モンテッソーリ教育を導入している保育園の保育者の援助とは
モンテッソーリ教育を深く理解し、自分に身に付ける必要があります。
保育園によってもルールは様々ですが、子ども達の個性を尊重し、こうしなさいなど一切指示はしません。
また子どもの間違いを直接的に訂正してはいけないことになっています。
自分で気づかせることが大切なので、保育士は「子どもが自分で気づくためには自分はどう動き、どうやって促すのが良いか」と考え工夫する必要があるのです。
たとえば子どもに絵本を読むときも「絵本読むから集まって~」と言うのではなく、ピアノの音楽をかけて子どもが「絵本が始まるのかな」「玩具片づけて見に行こうかな」というような流れで読み聞かせをします。
平成29年9月2日に東洋経済でも取り上げられている「モンテッソーリ教育自分でできる子の育て方」(神成美輝著・桃枝義雄監督)のという本「家でもできるモンテッソーリ教育のコツ」にも記載されていますが、モンテッソーリ教育では大人が子どもに「教えない」のです。
大人は子どもが「教えて」と言った時にだけ、じっと待たなければいけません。
とにかく子どもに選択肢を与える、子どもが自由に選択することを優先で考えます。
そして求められた時は傍の寄り添って見守る、使い方を教えてあげるのです。
保育士が積極的に関わるというより、見守るというような表現に近いですね。
保育中は保育方針に従い、モンテッソーリ教育をもとに子どもたちに接するので、経験不足だとつらいと感じるかもしれません。
筆者の保育士友達も2年目になっても「慣れない」「大きい声を出すことは禁止されている」「子どもたちの前で話だす時も静かになるまでずっと待つ」など性格に合わないと感じたと言っていました。
モンテッソーリ教育を導入している保育園の子ども達の様子
多くの保育園では保育士が遊びを決め、中心となり子どもに指示をします。
しかしモンテッソーリ教育を導入している保育園なら上記のような関わり方はしません。
自主性・独立心・知的好奇心がある大人の育っていくような教育法なのでモンテッソーリ教育を導入している保育園は子どもが主体となって活動をします。
「子どもの家のように子どもがすぐに手の届くところに玩具があり、子ども自身で遊びを選択し、子ども自身でもともとあった場所に片づけるのです。
たとえば年長になったら自分達で発表する内容を決めることもあります。
子ども達がそれぞれ出し合って、子ども達の中で多数決をとって内容が決まるというようなところまで話を進めることもできるかもしれません。
少し子どもらしさに欠けるところがあるかもしれませんが、大人が間に入らなくても自分達でなんでもできるようになっていきます。
モンテッソーリ教育をを取り入れている幼児教室(首都圏)
保育園の他のにも、幼児教室でモンテッソーリ教育を導入しているところがあります。
首都圏を中心に5つの教室をご紹介します。
モンテッソーリの子育て浦和教室(埼玉県さいたま市浦和区仲町3-12-13 1F)
対象年齢:未就園児・プレ幼稚園児(2~3歳まで)のみ
興味のある方は、問い合わせてみましょう。
自宅で行うモンテッソーリ教育
先ほど触れた「モンテッソーリ教育自分でできる子の育て方」(神成美輝著・桃枝義雄監督)の中では、家庭で取り組むモンテッソーリ教育について紹介しています。
上記の本を参考した「自宅で行うモンテッソーリ教育」は、以下の通りです。
- 自分で考えて行動する力を養うために、子どもに選択権を持たせましょう。いつも周囲の大人が先回りして選ぶのではなく、子どもに選ばせるチャンスの場を設けて下さい。
- やる気と自信を育むために、子どもが間違っていても教えるのは控えましょう。失敗が目に見えている場合は先回りして教えたくなりますが、子どもが気づくまで我慢して下さい。口出ししてしまうとやる気や自信を失ってしまいます。
- 子どもに何かを説明する時は「ゆっくり」を心がけましょう。大人が口頭で説明しながら動作でお手本を示しても、子どもは目で見る情報と手の動きが合致しないので理解できません。そこで、お手本を見せる時はしゃべらない、口頭で説明する時はお手本を見せずにやってみてください。
上記から分かる通り、モンテッソーリ教育では、子どもの成長の芽を摘まないように、伸ばすための環境を用意することが大人の役割だと言えます。
まとめ
大人が「〇〇しなさい」と言うと、子どもから試行錯誤をするチャンスを奪ってしまいます。
大人が「違うでしょう、ここはこうするの」と指摘してしまうと子どもが自分で間違っていることに気づくチャンスを大人が潰してしまうのです。
しかし保育中は限られた時間でいくつもの段取りをこなさなかればいけません。
集団生活なので子どもが満足するまで一つのことをずっと取り組む時間を作ってあげることは、簡単なようでなかなか意外と難しいのです。
大人も悪気はないのですが子どもを心配するあまり口を出してしまったり、大人の都合によって子どもに成長するチャンスを十分に与えることができていないかもしれませんね。
モンテッソーリ教育を導入していない保育園であっても、保育士が少し対応を考えて子ども達に接してあげることで、自立心を育ててあげるきっかけになります。
モンテッソーリ教育法が子どもにとって良いと感じた方は、保育の現場でも取り入れてみてはいかがでしょうか。
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