保母資格と保育士との違いとは?保母資格のままでは保育士として働けない?

保育士の豆知識

数年前までは保育士のことを「保母さん」と呼んでいましたよね。

そしていつの間にか「保母資格」ではなく「保育士資格」と資格の名称まで変わっています。

保母資格を持っている人は「保母資格と保育士資格なんか違うの?」「保母資格のままなら働けないの?」と疑問を持ちながら、そのまま過ごしてきたという人もいるのではないでしょうか。

本記事では、保母資格と保育士資格の違いや保母資格から保育士資格へ変更の仕方など、詳しく紹介します。

保母資格とは

簡単に言うと、保母資格は、保育士として試験に合格したことを証明するものです。

そして、保母資格は、2003年(平成15年)11月28日までの資格取得者に交付されていた書類。

そのため、2003年11月28日以前に保育士試験に合格した人は「保母資格」が手元にあるでしょう。

2003年11月に児童福祉法が改正されたことによって、保母資格の証明証だけでは「保育士」として働くことが出来なくなりました。

保母資格と保育士の違い

2003年11月児童法改正後、保育士資格と保母資格は「保育士資格」に統一されました。

保育に関する専門的な知識を身に付け、試験に合格したことに違いはありません。

しかし、上記で触れた通り、児童福祉法改正から現在は「保育士登録をしなければ保育士と名乗って仕事をすることが出来ない」のです。

そこが大きな違いですね。

保母資格のままでいると、何か不便がある?

保母資格を履歴書に記入することは可能。

しかし、上記で触れた通り、保母資格のままでは、保育園で保育士として働くことは出来ません。

ただし、認可外保育園などで「保育補助」として働くことは可能です。

「働くことは可能」とはいえ、せっかく保母資格を持っていても「有資格者」ではなく「無資格者」として雇われます。

せっかく試験に合格して、保母資格を取得したのに「資格者として認められない」なんて「納得できない」と感じる人もいるのではないでしょうか。

とはいえ、法的に決められたことは守らなければいけません。

そのため「今後いつか保育士として復帰をしたい」と考えている保母資格保有者の人は、保育士資格へ切り替える必要があるでしょう。

反対に「今後保育士をする予定がない」という人は、保育士資格に切り替える必要はありません。

なぜ保母から保育士になったのか

「保母」から「保育士」になった理由は、呼び方の印象です。

保母は「母」という字が入っています。

「母」という字は、女性を連想させる文字。

保育士の「士」としたことで、男女は関係ない職と認識することができますね。

保育士業界は女性が多く、男性保育士の割合は1割、2割程度ですが「保母」よりも「保育士」の方が、気持ち的には働きやすいでしょう。

たとえば「看護婦」も「看護師」と言われるようになり、現在では、女性男性どちらでも就ける職業という印象があります。

保母資格から保育士資格に切る替えるにはどうしたら良い?

保育士資格の発行を行っている社会福祉法人日本保育協会の保育士登録機関「登録事務処理センター」(※以下事務処理センター)から、保育士登録を取り寄せることで手続きをすることが出来ます。

最初に確認しておきたいこと登録事務処理センターが(資格者本人へ)手引き等を送る際にかかる封筒や郵送料金は資格者本人の自己負担。(なので返信用の封筒や切手代も自分で準備する。)

上記のことを覚えておくと、後の説明がスムーズに理解できるはずです。

保母資格から保育士資格に切り替える時に必要なもの

保母資格から保育士資格に切り替える際、必要なものは以下の通りです。

保母資格から保育士資格に切り替える時に必要なもの
定形サイズの封筒(1回目送信用) 1枚
角形2号封筒(登録事務処理センターからの返信用・2回目の送信用) 2枚
保育士となる資格を証明する原本(保母資格証明証) 1部
戸籍抄本 1部
郵送にかかる料金分の切手(送信用と返信用)
4,200円(保育士登録にかかる手数料)
※保育士登録申請書 1部
※振替払込受付証明書 1部

※保育士登録申請書や振替払込受付証明書は1回目の「保育士の手引き」を取り寄せあと、また、郵便局で料金を払い込んだあとに手元に揃うもの

上記の表からもわかる通り「戸籍抄本」が必要なので、地域の市役所に行き、揃えておきましょう。

保母資格から保育士資格に切り替える方法、流れ

以下、保母資格から保育士資格に切り替える方法、流れです。

  1. 登録事務処理センターから「保育士登録の手引き」を取り寄せる
  2. 「保育士登録の手引き」が届いたら、払込用紙を持って郵便局で4,200円を振り込む
  3. 振り込んだ後、必要書類を全て封筒に入れ、また登録事務処理センターへ送る
  4. 不備や書類の不足が無い場合は2か月程かかった後、手元に保育士証が届く
  5. 保育士登録完了

上記の説明にもある通り、スムーズに手続きを行ったとしても手元に保育士資格証が届くのは2か月後。

たとえば、就職活動と手続きが被ってしまった場合。

保母資格証明書を事前にコピーしておいて「現在保育士資格取得の手続き中です」と保育園側に言っておきましょう。

できれば、就職活動をはじめる前に手続きを済ませておくことがベストです。

記入方法

送信用封筒に記入する宛先は、以下の通りです。

〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-2 アーバンネット麹町ビル6階 登録事務処理センター

記入の際、上記の住所で合っているかどうか、よく確認してくださいね。

【画像参照元】保育士登録申請手続き(新規登録)保育士の登録 – 登録事務処理センター

そして、送信用封筒と返信用封筒に、赤字で「保育士登録の手引き○部」と記入してください。

保母資格から保育士資格に切り替える際にかかる料金一覧

保育士登録をする際にかかる手数料は、登録1人当たり4,200円。

上記で触れた郵送料金や封筒にかかるお金を大体計算すると、以下の通りです。

内容 料金
封筒(定形封筒・角形2号封筒の2種類) 220円(百均ショップで用意)
送信用切手代(2回分) 280円(グラムによって異なる)
保育士証1部請求の場合にかかる郵送代 140円
戸籍抄本1通 450円(地域によって異なるが東京都の場合)
保育士登録にかかる手数料 4,200円
合計 5,290円

「保母資格から保育士資格に切り替える時は、大体6千円程かかる」と思っておけば大丈夫です。

以下、保育士証の請求部数によって郵送料金が違うため「複数枚保育士証が欲しい」という人は参考にしてください。

保育士証の部数 郵便料金
基本料金 速達料金(早く欲しい場合)
1部 140円 基本料金+290円
2部 210円
3部 250円

早く手元に欲しい場合は、速達料金を支払うことで、早めに手続きをしてくれます。

基本的に、保育士証は1部あれば問題ありません。

また、郵送にかかる料金の切手代については、以下、郵便局の「郵便・ゆうパックなど新料金」令和元年11月1日現在の郵送料金を参考にしてください。

送信用封筒に貼る切手代

定形サイズ封筒 グラム数 郵送料金
25グラム 84円
50グラム 94円
角形2号サイズの封筒 50グラム 120円
100グラム 140円

ちなみに、筆者は「登録するだけで手数料が4,200円は高くない?」と学生時代に思った記憶があります。

とはいえ、保育士登録をして「保育士」として働いた場合。

資格手当等(認可外保育園など)、4,200円以上貰うことが出来る可能性が高いので、給料が上がることを考えれば「切り替えよう」と思えるはず・・・。

保母資格証明証が紛失した場合

保母資格は再発行可能。

一度取得した資格の証明書は消えません。

保母資格の再発行は、先ほどから紹介している会福祉法人日本保育協会の保育士登録機関「登録事務処理センター」で再発行をしてくれるので、問い合わせてみてくださいね。

保母資格から保育士資格に切り替えよう

今後保育士として働くことを考えていない人は、資格を切り替える必要はないですが、今後、保育士として働くことを考えている人は切り替えて損はありません。

少し面倒くさいですが、気になったタイミング、調べたタイミングで手続きに取り掛かってしまった方が良いでしょう。

保育士資格は国家資格、そして無期限。(更新が必要ない)

近年、保育士の需要が高まり、保育士の労働環境や給料は、以前に比べてかなり良くなっています。

現場で働く保育士の年齢層は20代~50代まで、幅広いため、どんな年齢であっても「浮く」ということはありません。

また、子どもの笑顔に囲まれ、体を動かして働いているせいか、現場で働く保育士は若々しさがあり、ハツラツとしています。

保育士の仕事は、関わる子どもの成長を間近で見ること・感じることができるので、やりがいを感じて働くことができるという点が魅力です。

これを機に現場復帰を検討するのも良いかもしれませんね。

以下、最近の保育士について載っている記事の中で気になる内容があれば、読んでみてください。

【参考】30代未経験保育士でも就職できる!これから保育士を目指す人も歓迎

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