保育士3年目で辞めたい、転職したいと思う理由やもし退職する場合の退職金支給額

保育士の悩み

仕事を辞めたいと思いながら「石の上にも三年」ということわざを信じて、保育士を続けているという人もいるでしょう。

そして保育士を三年続けてくると「私は保育士に向いていないかも」と自分自身の悩みや、他業種への興味を持つことがあります。

筆者の保育士経験はトータルで4年です。一つ目の保育園は1年で辞め、二つ目の保育園は3年目で辞めました。

本記事ではそんな筆者の体験も含め、3年目の保育士がなぜ辞めたいのか辞めたいと思ったきっかけや理由転職の際の気を付けることを紹介します。

保育士3年目、辞める人はどれくらいいる?

平成28年度厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」の3年目の離職者数を見ると短大では3年以内に41.5%の人が辞めています

保育士の離職率は高いので5割を超えるかもしれません。すると保育士になった2人のうちに1人は辞めるということです。

少し極端に感じるかもしれませんが、実際あり得ない数字ではありません。私の場合は保育士をしていた友人20人中、最初に入った保育園で働き続けている人は1人しかいません。そのうちのほとんどは3年以内に辞めています。

保育士3年以内で辞める人は珍しいことではなく、むしろ多いのです。

保育士3年目・・・辞めたいと思ったきっかけや理由は?

ではなぜ保育士三年目の保育士は仕事を辞めたいと思うのでしょうか。その辞めたくなるきっかけや理由を紹介していきます。

給料が安いという理由で辞めたい

保育士として働いて多くの人が感じていること、それは給料が安いということです。

都道府県や市町村によって給料は異なると思いますが、厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査から算出した表以下の通りです。

年齢 平均月収 平均ボーナス 平均年収
20~24歳 20万6千円 47万1千円 294万4千円
25~29歳 22万6千円 71万3千円 343万円
30~34歳 23万7千円 71万4千円 355万7千円

毎月の給料が上記の表通りにでているのであれば良い方ですね。

しかし自分の月収が表の通りの年齢に応じた平均月収、平均年収に届いていない場合は、給料に満足できないと感じてしまうのではないでしょうか。

ちなみに筆者の元職場の保育園では総支給16万5千円、手取りは12~13万円程度でした。

一人暮らしをしていたこともあり、かなり生活が厳しかったです。

お金が全てではないのですが、自分の欲しい物を買った時に「仕事をしてきてよかった」「これからも仕事頑張ろう」と思えますよね。

給料というのは生活を左右しますし、将来のために貯金もしたいと思うのが普通です。給料が低いというのは辛いですよね。

そのため保育士が仕事を辞める理由として給料が安いからというのは上位にきています。

環境が悪い・・・現状を変えたいと思ったことがきっかけ

あーあ、ここで働く限り私はずっと給料は安いし、有給はとれないし、サービス残業をするんだろうなー。やだなー。

そんな愚痴ばっかり言ってないで転職したらいいんじゃない。まだ若いんだし!そんなに嫌ならそこの保育園で働く時間が勿体ないよ。

たとえば仕事量が多く、毎日殆ど残業しなければいけない環境にいる保育士もいます。

保育士3年目にもなると、ある程度の見通しをもって仕事ができるのですが、責任がある仕事を任される場合があるので結局、仕事が楽になるわけではないのです。

他にも職員の同士の派閥や、いじめなどの人間関係が悪い保育園で働く保育士もいるでしょう。園長や主任、先輩保育士からのパワハラがある劣悪な環境の保育園もあるというのが実情です。

保育園に限らず社会には職場環境が良いところ、悪いところがありますよね。

そして保育園に3年もいれば職場の人間関係の構図もわかってくるので、上手く立ちまわれることもあります。

しかし上手く回避はできてもいつかは向き合わなくてはいけません。人間関係の問題は、一人の力で改善するのは難しいです。

「ここは今までずっとこのような環境でやってきたのだから今更変わらない」と分かると、改善することも諦めてしまいますよね。

そして3年目というのは自分の仕事や環境を振り返る時でもあります。

仕事に少し余裕がでるので「これから先もずっとここで働き続けること」「このままで自分は後悔しないのか」など考える時間が増えてくるのです。

働いている職場の環境に不満があると、だんだん「ここを辞めてもっといいところで働きたい」と思い、それがきっかけで新しい仕事を探す人も多いです。

子どもの命を預かっているという責任がもう耐えられない

3年目になると一人担任を任されることもあります。

そして保育士3年目は、年中のクラスを任される場合が多いでしょう。

3歳児や4歳児の子ども達は、まだ月齢によって成長が緩やかな子もいるため、子どもの対応がハードです。

保育園によっては、20人近くの子どもを保育士一人が見ている・・・というブラックなところもあるかもしれません。

例えば一人担任を任されたら、20人の3歳児をパートを含め保育士2人で見ることが多いです。

日中の活動中、20人の命を守ることになります。

3~4歳児は活動量も多く、まだまだ危険なことをして遊ぶ姿もありますよね。

子どもが怪我をしないように、事故やトラブルを未然に防ぐということも保育士の仕事ですから、プレッシャーや緊張感を感じてしまうのです。

子どもを守る責任がある保育士の仕事に疲れて仕事を辞めたいと思う保育士も多いのではないでしょうか。

親の対応など考えただけでしんどい

家庭の事情とかって少なからずあるのかもしれないけど、子どもの面倒を見ない親っているよね。

そういう親に限って、対応が難しかったり、話を聞いてくれなかったり、こっちを悩ませてくる・・・。

例えば筆者の保育士友達は無認可保育園で働いており、3年目の保育士でした。

そして乳児クラスを受け持ったのですが、複数担任の中で友人が1番先輩という状況になり、後輩の面倒や1番上だからと保護者の対応に追われて大変だと言っていました。

先ほども触れたように保育士の離職率は高く、1年目や2年目で辞めてしまう人も多いので、3年でも頑張って仕事を続けている方なのです。

本当なら難しい保護者への対応は、ベテラン保育士にお願いしたいところですよね。

しかし筆者の保育士友達のように、複数担任の中で3年目が一番先輩ということもあり得ます。そうなると場合によっては難しい保護者の対応を任せられることもあるのです。

確かに保護者の対応も保育士の仕事であり、いずれできるようにならなくてはいけません。

そして細かな配慮を考えながら保護者の対応をすることが、ストレスに感じてしまう保育士は多いのです。

わかっていても、ただでさえ保護者の対応には神経を擦り減らすのに、「3年目だからできるでしょ」と難しい親の対応を任されるのは精神的にやはりしんどいですよね。

子どものことを考えることに疲れた

保育園の近くに住んでいる場合はスーパーなどの外出先で「もしかしたら子ども・保護者が会うかも」と思うとプライベートでもなんだか気持ちがそわそわします。

しかもばったり会うことも珍しくないので、気楽に買いものができないのです。

そして家でも持ち帰った仕事をすることもあり、仕事中に限らず子どものことを考えてしまうので、保育士の人は家にいても気持ちが休まらないという経験がありますよね。

他にも「子どもが好き」という理由で保育士になったものの、毎日子どもの安全や発達など考えて成長記録や個人記録に追われる日々です。

子どものことは大好きで可愛いと思っていても、他の仕事の負担が大きすぎて、子どもと遊ぶことすら苦痛になってしまう日もありますよね。

筆者も3年目で保育士を辞めたのですが、好きなもの=仕事にしたからといって上手くいくわけではないと気づいてしまったのです。

筆者のように「友達や自分の子どもと遊ぶだけで十分」「もう子どものことを考えたくない」と思い、仕事を辞める人もいます。

保育士三年目、仕事辞めたい・・・は甘えなんかじゃない!

周りの人が辞めることを甘えと言おうが気にしない。甘えであってもそれの何が悪い!甘えだからどうしたっていう話だよね!

急に強気だけど、いいね。悪い環境よりも良い環境を望むのが当然!そうじゃなきゃ100%の自分の力をだせない!

「3年続けてきて、仕事が辛くて辞めたいなんて甘えなのかな」と悩んでいる保育士も多いでしょう。

答えを言うと「仕事を辞めたい」という考えは甘えではありません。

上の項目のような環境が悪かったり、給料が安いのであれば辞めたいと思うことは普通です。

同じ保育士をしていても自分より良い環境で働いている保育士のことを思うと、頑張れないですよね。

悪い環境や納得していない労働条件に中、何年も働き続ける忍耐力のある人は素晴らしいです。

しかし3年働いてみて自分に合っていないと思うのであれば、この先続けていても辛いのではないでしょうか。

3年目はこの先ずっと続けていくのか、見切りをつける時でもあります。

環境、給料の低さによるストレスはかなり大きいから辞めたいと思うのも当たり前

子どもがどんなに可愛くても職員同士の関係が悪かったり、給料が低すぎて生活のやりくりに困っていたらストレスを感じない訳がありません。

毎日職場に行くのですから、自分をとりまく環境と向き合わなくてはいけないので、毎日うんざりすることになります。

そして給料が低いと物を買うたび、ご飯を食べるたびにお財布のお金を気にしなくてはいけません。

そんな毎日を送っていたら自分が思う以上にかなり大きいストレスを感じているのではないでしょうか。

そのような状況なら「辞めたい」と思っても当然のことで、辞めたいと思わない方が難しいです。

保育園を変えれば良くなる可能性大!積極的に転職を視野に入れた方がいい

え~でもどうせ違う保育園に行ってもどこも同じようなもんなんでしょ~。それなら今のとこにいたって変わらないし。

そんなこと言ってると5年後10年後に「あの時転職しておけばよかった」ってなるんだよ。

「保育士ってどこもこんな感じなんでしょう」と思う人もいるかもしれませんが、実際は保育園によって働き方や雰囲気は全く異なります。

保護者、子どもの問題であっても保育園によって職員の人柄も違う、そして職員に求められるものが違うのです。

そのため保育園によって職員の雰囲気、子どもや保護者の雰囲気も変わります

探すのは時間がかかるかもしれませんが、働く環境や給料というのは自分のモチベーションや生活を左右し、年月が経てば性格や人生を変えてしまう大切なことなのです。

「辞めたい」気持ちがあるならまずはどんな求人があるのか見てみると良いですよ。

3年目の若手は他業種への転職もまだまだ容易

「もう保育士自体したくない」と思っているのであれば、他の仕事をしてみるのも一つの手です。

たまたま保育士という仕事が合わなかった、職場が合わなかっただけかもしれません。保育士以外の仕事も沢山ありますよ。

例えば短大卒業して、保育士を3年経験したとしてもまだ23歳です。そこで他にできる仕事はもうないと諦めるなんて勿体ありません。

24歳、27歳、30代になっても転職して理想の職場を見つける人も沢山います。

保育士3年続けたということはもう社会経験があるということなので、新卒者に比べて自分は劣っていると思うことはないのです。

今は新卒入社1~3年目を対象にした第二新卒転職の需要が非常に高くなってきています。

ちなみに3年目で辞める場合の退職金は?

保育園が法人で退職金共済に加入している場合、退職金が支払われます。

他にも公立と私立、都道府県などそれぞれによって計算方法が異なります。

3年目なので満2年時の退職金について計算してみます。平均月収17万円、保育士が自己都合により退職する場合の退職金は約25万円です。

算出の仕方が複雑で共済によっても異なるのですが、独立行政法人の福祉に特化しているサイト退職金のシミュレーションをしてくれるので一度参考までに計算してみると良いかもしれません。

しかし全ての退職金は必ず貰えるわけではありません。

貰えない保育園もあるので、まずは自分の保育園が退職金があるのかどうかということを労働規約等で確認してくださいね。

いつ辞めたらいいの?辞めると決めたその後は・・・

現在保育士として働いていて、明日仕事に行くことを考えただけでも食欲がなくなり、涙がこぼれるといった状態なのであれば、今すぐ辞めた方が良いでしょう。

それ以外の職場に不満があり、「いつか辞めてやる」と思っているなら年度末である3月いっぱいで辞めることをお勧めします。

基本的にどこの保育園も4月から新体制になるため3月いっぱいまで働くことで保育園にも迷惑はかかりませんし、円満に退社することができるのです。

そして「いつか辞めよう」と思っているなら早いうちに辞めてしまった方が、そこに費やしている時やもお金も無駄にしません。

辞めると決めた後は、できるだけ早い段階から次の職探しをすることが大切です。

急いで決めると「こんなはずじゃなかった」と失敗する可能性もあります。

そのため職探しの時間はあればあるだけ、情報を見比べることもできますし、自分がどのように働きたいか考える時間があるということになります。

どうせ転職するなら、同じことでは悩みたくないし、自分の条件に1番近い職場を見つけたいですよね。

そして次の職場を見つける上で気を付けることは、自分がなぜ今の保育園を辞めたいのかという理由をはっきりさせることです。

上記でも様々な理由を挙げましたが、あなたの悩みにあてはまるものはありましたか。

たとえば給料が安いという点で仕事を辞めたい場合、当然ですが求人でチェックするのは給料です。

職場の環境が理由で辞めたい場合、求人から読み取れる勤務形態、年間休日を気をつけてみていきましょう。

一緒に働く保育士の人柄などは求人を見ただけではわからないので、一度見学をさせてもらうと良いですね。

見学可能であれば、その時に自分の顔を覚えてもらうこともできるのでマイナスではないはずです。

環境を変えることは面倒に感じることもあるかもしれませんが、将来的にはあなたの可能性を広げるということに繋がります。

転職する際に三年働いたことは評価される

「せっかく3年近く働いたのになんかもったいない」と思うかもしれませんが、その3年近く働いたということはあなたの強みになるので無駄にはなりません。

雇用側も3年近く勤めているというのは「すぐにやめない人、継続して雇える人」という印象になるため、1年で辞めている人などに比べると当然採用してくれる可能性が高いです。

転職した場合は同じ保育士、違う仕事であってもあなたが3年働いた事も無駄にならず、新しい職場で様々な形で活かせます。

今の職場に不満があり、この先長く続けていく気がないところで働き続けるよりも、結婚や出産をしても働き続けたいと思えるような職場に出会えると良いですね。

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