保育士の給料はいくらくらい?平均年収や月収、ボーナスまとめ

保育士の労働条件

保育士を目指している人は「保育士をしていてどれくらいの年収になるのだろう」と興味があると思います。

既に保育士の人も自分の月収や年収は分かっていても、他の保育士の平均年収がどれくらいなのか、そして年数を重ねていくとどれくらいの収入になるのか見通しをもちたいですよね。

本記事では保育士の年齢別の年収について、今後年収が上がっていく可能性はあるのかどうかなど保育士の年収について詳しく紹介します。

保育士の平均年収はどれくらい?

年収を知ることで将来設計をすることができます。女性であれば結婚や出産といったことを考える人もいますよね。

それでは保育士の平均年収はいくらなのでしょう。

最新の保育士の平均年収

厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると平均年齢の36.8歳の保育士で、平均勤続年数8.1年とすると3,579,300円(約357万9千円)というのが平均年収となっています。

平成30年国税庁の民間給与実態統計調査によると、他業種含めた平均年収は440万7千円で保育士は平均に比べて低いのです。

ただし女性の正社員に限定した場合の平均年収は386万円となっていて、女性の正社員というくくりならそれほど低いわけではありません。

保育士の平均年収推移

保育士の年収は以前と比べて上がっているのかどうか、以下の表で見てみましょう。

以下は厚生労働省の保育士の平均年収推移です。

年収平均額
平成25年 309万8千円
平成26年 316万7千円
平成27年 323万3千円
平成28年 317万8千円
平成29年 342万1千円
平成30年 357万9千円

上記の表を見てもわかるように、ここ数年は上昇傾向にあります。

平成25年と平成30年の年収の差は約59万円です。

そう考えると以前よりかなり上がっていますね。

保育士の平均年収が年々アップしている理由

なぜこんなにも保育士の平均年収が上がっているのでしょうか。

保育士の平均年収が上がってい主な理由は以下の2点です。

処遇改善手当による手当の増加

平成25年から平成29年までの4年間で月額2万千円の給与増額を目標にこの制度がスタートしました。

平成29年4月から全ての保育士を対象に2%(月額約6千円)の給料の上乗せが実施されています。

政府が公表している「保育分野の現状と取り組みについて 保育士の処遇改善推移」によると、処遇改善手当の増加率です。

増加率 金額
平成25年 +約3% 月額9,000円
平成26年 +約5% 月額15,000円
平成27年 +約7% 月額21,000円
平成28年 +約8% 月額26,000円
平成29年 +約10%+最大4万円 月額約32,000円アップ+最大4万円

保育士の処遇改善手当自体も年々上がっています。

近年待機児童の問題が話題になっていますよね。この問題は保育士がいないと解決しません。

政府が保育士確保のために、保育士の給料を改善したのです。

この政策のおかげでかなり保育士の給料、つまり年収も上がっていると言えます。

これにより潜在保育士がまた保育士として働くことや、現在保育士として働いている人達が継続していくことを期待しているのでしょう。

【参考】保育士の処遇改善手当とはなに?実際にいくら貰えるの?

人手不足の中で人材確保する為

厚生労働省「保育士等に関する関係資料の保育所保育士採用者と離職者」によると保育士の離職率は10.3%です。

10人に1人は辞めるということになります。そして経験年数が低い保育士が辞めていくという実情があります。

保育園側は求人を出してもなかなか人が入ってこないということもあり、多くの保育園では年中人手不足で困っているのです。

そして保育士を確保するために他の保育園にはないような魅力的な雇用条件を提示する必要があります。その一つが給料です。

保育士の離職率は高く、理由の上位には「給料が安い」が上がっています。

「保育士の仕事は好きだけど給料が安いため将来が不安」という理由で辞めていく人が多いのです。

例えばそういった人が「月額25万以上」「賞与4か月分」など記載されている求人票を見たら魅力的に見えますよね。

現在保育士として働いている人であっても好条件で働けるのであれば、そこへ移りたいと思うでしょう。

最近では保育園側も人材確保のために給料面で力を入れていることもあり、保育士の平均年収も上がっているのです。

保育士の平均月収やボーナス

ん~保育士の平均年収のことは分かったけど、毎月の給料の方がなんとなくイメージしやすいな。

確かに。自分の給料が保育士の年齢に応じた平均月収を満たしているのか。同じ仕事をしているのに、給料に差があったらなんか損している気になる。

保育士として働いている人でも「あそこの保育園の給料は〇〇万円だって」「新しくできた保育園の給料はいくらなんだろう」と他の保育園の情報が気になりますよね。

筆者も保育士として働いていた時は、休憩中職員室でそんな話を先輩保育士としていました。

保育士の平均月収や、平均ボーナスはいくらなのか知っておきたいですよね。以下で詳しく紹介します。

保育士の平均月収と他業種の平均月収を比較

保育士の1ヶ月の平均給料額は23万9,300円です。他業種含めた平均は30万7600円なので平均よりかなり少なく感じてしまいますね。

女性に限定すると平均月収は24万7,500円なので保育士の給料との差はあまりないのです。

以前であれば保育士と他業種の平均月収の差は約4万円でしたがその差なくなってきたということは、保育士にとっては嬉しいことですね。

しかし保育園によって給料は異なるため「うちではこんなにもらってないけど…」と思う方もいるでしょう。

給料面で現在働いている保育園に満足していない場合は、思い切って転職を考えるきっかけになるかもしれません。

保育士のボーナスと他業種のボーナスと比較

厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると保育士の先生の平均年間賞与、つまりボーナスとその他の別途給与額は70万7,700円となっています。他業種含めた平均は93万1,600円です。

女性に限定すると63万9,100円となっているのですが、保育士のボーナスと比較すると他業種より保育士の方が多いのです。

理由としては先ほども触れたように処遇改善手当や、保育園の労働条件が良いところも増えているからなのでしょう。

他業種に勤める女性の平均ボーナスと比べて保育士のボーナスの方が高いなんて驚きです。

保育士の年齢別平均月収・ボーナス・平均年収一覧表

以下、厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査から算出した表です。

年齢 平均月収 平均ボーナス 平均年収
20~24歳 20万6千円 47万1千円 294万4千円
25~29歳 22万6千円 71万3千円 343万円
30~34歳 23万7千円 71万4千円 355万7千円
35~39歳 24万3千円 76万4千円 368万4千円
40~44歳 25万4千円 81万6千円 386万6千円
45~49歳 25万9千円 80万8千円 391万6千円
50~54歳 26万5千円 84万7千円 403万1千円
55~59歳 26万6千円 84万7千円 404万円

現在保育士として働いている人達は自分と当てはめてみて、いかがでしたでしょうか。

ちなみに筆者の保育士の頃の平均月収と比べると筆者の方が少なく3~4万円の差がありました。

都道府県や地域によって、多少の格差があるので東京など待機児童の問題が深刻な場所だとそれだけ保育士の確保の競争率が激しいです。

先ほども触れた通り、そういった地域では保育士確保に力をいれているのでその分保育士の給料も高い設定なのでしょう。

まとめ

以前までは「保育士の給料は安い!」というイメージでしたが、近年は徐々に改善されているのです。

しかし都道府県によって格差が激しいため、まだまだ保育士の人手不足の問題は解決するのは先だと言えます。

現在は共働きの家庭が多いため子どもを安全に預かってくれる場所、子どもの心を豊かにするような体験ができる保育園、そして保育士という存在は必ず必要です。

少子高齢化とはいえ、待機児童の問題がある限りはこれからも保育士の働く条件や給料は良くなっていくはずです。

これからさらに保育士を取り巻く環境が良くなっていくことを期待しましょう。

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